今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて

nanahi

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16 魔の湖

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カーラはルアヌの愛に溺れる日々を送っていた。
このところ、ルアヌは積極的にカーラを王都の外に誘うようになっていた。


「郊外の湖に行こう。バカンスだよ。カーラと思い出をもっと沢山作りたいのだ。それにカーラがいれば万一モンスターが出ても安心だろう?」


モンスターの出没情報がちらほら入っていたが、そう言われてしまうと、カーラも断れなかった。


モンスターの数は前より減ってきたし、きっと大丈夫ですわ。


以前の慎重さが若干薄れてきたルアヌに一抹の不安を覚えながらも、外泊の準備をしながらカーラは自身に言い聞かせた。




「まあ!きれい!」


湖畔に着いたカーラは思わず声を漏らした。
その湖はエメラルドグリーンに輝いていた。


「カーラが喜んでくれると私も嬉しいよ」


ルアヌはカーラの耳たぶに口付けをした。



「へ、陛下っ!」


赤面しカーラがルアヌを諭す。
兵士たちが慌ててあちらを向き見ないふりをする。


「ふふ、かわいいな。よいではないか」


ルアヌは部下の前でもカーラへの愛情を大胆に示すようになっていた。




「少し、水に入ってみないか?この辺りは浅いよ」


ルアヌに誘われ、カーラも湖に足を踏み入れる。


「さあ、手を」


ルアヌがカーラの手を取る。
カーラの手首のブレスレットがきらりと光った。


うふふ。リュックの中で見つけたビーズのブレスレットですわ。
わかばたち、アクセサリーまで入れてくれてたなんて気が利きますわね。


あははは
うふふふ


しばらく水の中で戯れた後、ルアヌが思いついたように提案してきた。


「もう少し、深いところに行ってみよう」

「危ないですわ、陛下!」

「私は泳げる、大丈夫だ」


ルアヌは湖の真ん中まで泳いで行ってしまった。


「あなたたちもお供して」


念の為、カーラは何人かの兵士に指示を出した。


「陛下もかなりのわんぱくですわ」


カーラが目を凝らしてルアヌを目で追っていた時だった。




ビリ


一瞬、湖の水面が光ったような気がした。


「何かしら??」


「うわあ!体がしびれる!」


兵士たちが手をバタバタさせ溺れている。


「突然どうしたんですの!?」


ルアヌも同様に水中に沈みかけていた。


「陛下が!誰かボートを!!」


カーラと兵士たちがボートに乗り急ぎ救助へ向かう。


「陛下!さあお手を!」


沈みかけているルアヌにカーラは手を差し伸べた。
ルアヌが安堵の笑顔を見せた。


よかった。これで助かりますわ。




だがカーラの期待は裏切られた。

暗い水の中からふいに浮き上がってきた大なまずに、ルアヌは丸呑みされ連れ去られてしまった。
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