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25 ガサ入れ
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ノックの音で扉を開けたローザリアは息を呑んだ。デルタを含め、10人ほどの令嬢がずらりと並んでいる。
「あの…何…?」
令嬢たちの迫力に気圧されつつローザリアが尋ねると、デルタの代わりに令嬢の一人が声を上げた。
「部屋の中を見せてくださる?」
「え?」
ローザリアの返答も待たず、令嬢たちはずかずかと部屋の中に足を踏み入れた。オロオロとしているローザリアを無視するように、令嬢たちは部屋にある引き出しや籠の中を探し始めた。
「ありましたわ!!」
唐突につんざくような声が上がった。
「この箱の中に!!」
わっと一同が声を上げた令嬢に群がった。箱の中にはピンクサファイヤの髪飾りと一緒に煌めくダイヤモンドの髪飾りがあった。
「ひどい!この盗人!」
「え!?私、知らない!」
ローザリアはぶんぶんと首を横に振って否定した。
「あなた…事情がおありとのことで私、同情してましたのよ。それなのにこんな仕打ちを…陛下にピンクサファイヤの髪飾りを頂いて、欲が出たのね」
「違う!してない!私、違う!」
どんなに否定しても、令嬢たちはとりあってくれなかった。令嬢の集団が離れで騒いでいるとユークリッドの耳に届き、その場にユークリッドとレオが駆けつけた。
「いったい何の騒ぎだ?」
ユークリッドが息を荒げながら尋ねると、デルタが「陛下…」と言って泣き崩れた。
「この娘がデルタ様の大切な髪飾りを盗んだのです!」
令嬢たちは鬼の首を取ったような勢いで、ローザリアを睨みつける。
「違う!私、違う!」
「しらばっくれてずうずうしいわね!」
目に涙を浮かべ必死に否定するローザリアの背中を令嬢の一人が乱暴に突き飛ばした。
「きゃ」
ローザリアは床に倒れ込んだ。
「ローザリア!」
ユークリッドはローザリアを助け起こし、援護した。
「ローザリアはそんな子ではない!証拠はあるのか?ローザリアが盗んだという」
その様子が令嬢たちの怒りと嫉妬をヒートアップさせた。
「その娘から離れてください!陛下が汚れますわ!!」
後ろで控えているレオは極めて冷酷にこの騒動を眺めていた。
おそらくこれは公爵令嬢が仕掛けた罠だろう。
ちょうどよかった。このまま邪魔者を消してくれれば…
何の罪もないローザリアが陥れられようとしているのに、レオは愉快にさえ感じていた。
そのまま濡れ衣を着て奈落の底に落ちてしまえ。
「あの…何…?」
令嬢たちの迫力に気圧されつつローザリアが尋ねると、デルタの代わりに令嬢の一人が声を上げた。
「部屋の中を見せてくださる?」
「え?」
ローザリアの返答も待たず、令嬢たちはずかずかと部屋の中に足を踏み入れた。オロオロとしているローザリアを無視するように、令嬢たちは部屋にある引き出しや籠の中を探し始めた。
「ありましたわ!!」
唐突につんざくような声が上がった。
「この箱の中に!!」
わっと一同が声を上げた令嬢に群がった。箱の中にはピンクサファイヤの髪飾りと一緒に煌めくダイヤモンドの髪飾りがあった。
「ひどい!この盗人!」
「え!?私、知らない!」
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「あなた…事情がおありとのことで私、同情してましたのよ。それなのにこんな仕打ちを…陛下にピンクサファイヤの髪飾りを頂いて、欲が出たのね」
「違う!してない!私、違う!」
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「いったい何の騒ぎだ?」
ユークリッドが息を荒げながら尋ねると、デルタが「陛下…」と言って泣き崩れた。
「この娘がデルタ様の大切な髪飾りを盗んだのです!」
令嬢たちは鬼の首を取ったような勢いで、ローザリアを睨みつける。
「違う!私、違う!」
「しらばっくれてずうずうしいわね!」
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「きゃ」
ローザリアは床に倒れ込んだ。
「ローザリア!」
ユークリッドはローザリアを助け起こし、援護した。
「ローザリアはそんな子ではない!証拠はあるのか?ローザリアが盗んだという」
その様子が令嬢たちの怒りと嫉妬をヒートアップさせた。
「その娘から離れてください!陛下が汚れますわ!!」
後ろで控えているレオは極めて冷酷にこの騒動を眺めていた。
おそらくこれは公爵令嬢が仕掛けた罠だろう。
ちょうどよかった。このまま邪魔者を消してくれれば…
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そのまま濡れ衣を着て奈落の底に落ちてしまえ。
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