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今回の目的地はドイツアルプスだ。
ちょっと趣向を変え、狩猟中心ではなく最速で山越えして往復することを目的としてみた。勿論、道中に良さそうな獲物がいたら仕留めるつもりだが。
イメージトレーニングを行いながら静かに座って待つ。
修学旅行に行くのであろう学生達がいる様で、多少周囲が騒がしいが、これも精神統一の良い訓練になるだろう。というか、多分高校生だと思うが、今時の高校生は修学旅行で海外に来たりするのか…。
そんなどうでもいい事からは頭を切り替え、イメージトレーニングを続ける。
すると、機内が一気に明るくなった。なんだ?おかしいぞ。もう夜に差し掛かり、暗かったはずだ。
慌てて外を見ると昼間の様に明るい。というか昼間だな、太陽が見える。
一体どうなってる?こんなことはもう二桁は海外旅行を経験しているが、当然ながら一度も無い。
俺なんかよりも遥かに空に詳しい機長らも混乱しているのか、アナウンスの声が聞こえる様子はない。
静かに混乱していると、周りの乗客も異変に気付き、騒ぎ始めた。
ある者はCAに現状を訪ね、またある者は不安そうな顔をしている。
しかし学生が多い為か、乗客の大部分はこの現象を楽しんでいる節がある。
そんな状況の中、突如として大音量の咆哮のようなものが響き渡った。
シーン…と静まる機内、数分間の静寂の中、再び大音量の咆哮のようなものが、先ほどよりも近い場所で爆発した。
「GuurrrrrrOoooooooooooooo!!」
当然機内はパニックに陥った。
「え?え? 何!?」
「何だこの怪獣の叫び声みたいなのは!?どうなってんだオイ!」
「パパ、ママ、怖いよぉ」
学生達だけではなく、ビジネスマン風の男や子ども連れの家族、CA達までこの異常事態に右往左往している。
そして、ふと外へ視線を向けると、赤い巨大な何かが翼をはためかせ、物凄いスピードでこちらに向かって来ているのが見えた。見えてしまった…。
「おい、まさか…」
自分の口から出た声が掠れていた。だってそうだろう?実際に見るのが初めてだろうが嫌でも解る。何故ならそいつは世界中で最も有名な伝説上の生き物の一つで、様々なファンタジー作品に登場し、大体の作品においては最強の一角とされている存在だ。
それが、細部は違えど何処かで見た絵のいくつかとそっくりな姿で、現実に目に映っているんだ。いきなりの事で脳が正常に働かない。
そうこうしている内に他の乗客の中で、俺と同じ側の窓際の者達の幾人かが奴に気付き、叫び声をあげる。
「!? ド、ドラゴンだー!!」
「は? お前何言って…う、うわああぁぁぁぁぁ!」
機内は混沌の坩堝へと陥った。
先ほどまでの、何処かまだ余裕のある雰囲気は完全に成りを潜め、泣き叫ぶ者や怒鳴り散らす者が大多数を占めた。子どものいる家族連れは身を寄せあって震え、近くにいる老夫婦は目を閉じ、お互いの手を握り合っている。
気付くと赤い巨大なドラゴンはすぐそこまで接敵していた。
空中で、飛行機の中だ。打って出る事も出来ない。
俺一人でどうこうなるとは思っていないが、こんな鉄の箱の中でじっとしている事しか出来ないなんて、俺の性に合わないんだよ。
悔しさに歯噛みしていると、すぐそばまで来たドラゴンが腕を振り上げ、機内まで聞こえるほどの風切り音を響かせながら、その豪腕を飛行機の左翼へと叩き衝けた。
衝撃に揺れる機内、舞い飛ぶ人や物、響き渡る悲鳴、そして、悔しさを堪えドラゴンを睨む俺。
その時奴と目が合った。
何故そんな事がわかったかって?簡単だ、あの野郎嗤いやがった!ドラゴンの顔なのに、俺に伝わるくらいハッキリと嗤ったんだ。
それも、弱者に対する憐れみと嘲りを込めた、高慢な視線で。
「ぶっ殺す!!」
瞬間的に頭が沸騰した俺は、空中であることや開けるとどうなるかも考えず、怒りに任せてドアに向かった。
奴のあの目は、獲物を食べる事よりもいたぶって殺す事に快楽を求める者のソレだ。
狩った獲物を解体し、なるべく無駄の出ないように素材を確保し、その肉を感謝して食べる。知恵のある生き物としての礼儀だ。
犠牲になった側の生き物はそんな礼儀なぞ知ったことでは無いと怒るかもしれない。
それでも俺達は他の何かを食わなきゃ生きていけないんだ。だからせめて感謝を忘れない。
動物でも植物でも生きている。
牛は良くて鯨はダメ、植物は良くて肉はダメ。その良し悪しを勝手に決める奴等は神にでもなったつもりか?
だから俺は他人が信じられない生物を食っていようが文句を言うつもりはない。
だがこのドラゴンのような奴は別だ。
地球にも民族単位でそういう事をする奴等がいた。
犬や猫を生きたまま煮込んだり、のし棒で痛めつけて殺すのだ。一思いに殺すのではなく、長く苦しめてから殺す。
奴等の言い分では、痛めつけ、苦しんで死んだ肉の方が味が上がるんだそうだ。勿論そんなものは只の妄言だ。
理性と知恵のある生き物のする事ではない。猫等が本能で獲物で遊ぶのとは訳が違う。苦しめてやろうという『悪意』が籠っている。
俺は初めてその事実を知った時頭の血管がぶち切れるかと思ったよ。
俺は鯨やイルカも食べたし、大きさは違えど同じ猫科のライオンだって食った事がある。だから犬や猫を食うだけなら少しも文句はない。
だが痛めつけ、苦しめて殺すだと?とてもでは無いが許容出来なかった。
これも良し悪しを勝手に決める行為なんだろうが、これについては引く気は無い。魂が受け付けない。
あの時と同じ様な怒りが体の内で暴れまわり、いざドアを蹴破ろうとしたところで、機体がガクッと傾いた。片翼が半分近く無くなっているんだ。当然だ。
そのまま機体が落下するのを体が浮かび上がる事で感じ、慌てて近くの壁にへばりつく。
周囲の悲鳴を聞きながら、打つ手は無いかと頭を巡らせていたら、ふと違和感に気付く。
何時の間にか見渡す限り真っ白な空間に立っていた。周囲には自分以外の乗客もいる。
学生達、若い家族、老夫婦、服装から機長と思われる者達もいる。
皆、混乱しているのだろう。無理もない、今さっきまで死を感じる状況だったんだ。
ザワザワとしたざわめきの中、突然白い空間に人が現れた。
その人物は白いスーツの様な服装で、手には装飾が少なくも、一目で高価な物だと解るような、ステッキ、あるいは杖の様なものを持っている。
そして不思議な事に、服装や持ち物は確り認識できるのに、顔がわからない。若いのか老いているのか、髪は短いのか長いのか、どれだけ目を凝らしてもわからない。 認識できない。
するとその人物が俺達に声をかけてきた。
「皆、混乱しているとは思うが、まずは静かに聞いて欲しい。君達に何が起こったのかを説明しよう」
不思議な事に、声まで若いのか老いているのか、認識できない。この人物が男性であることだけはわかるんだが。
ちょっと趣向を変え、狩猟中心ではなく最速で山越えして往復することを目的としてみた。勿論、道中に良さそうな獲物がいたら仕留めるつもりだが。
イメージトレーニングを行いながら静かに座って待つ。
修学旅行に行くのであろう学生達がいる様で、多少周囲が騒がしいが、これも精神統一の良い訓練になるだろう。というか、多分高校生だと思うが、今時の高校生は修学旅行で海外に来たりするのか…。
そんなどうでもいい事からは頭を切り替え、イメージトレーニングを続ける。
すると、機内が一気に明るくなった。なんだ?おかしいぞ。もう夜に差し掛かり、暗かったはずだ。
慌てて外を見ると昼間の様に明るい。というか昼間だな、太陽が見える。
一体どうなってる?こんなことはもう二桁は海外旅行を経験しているが、当然ながら一度も無い。
俺なんかよりも遥かに空に詳しい機長らも混乱しているのか、アナウンスの声が聞こえる様子はない。
静かに混乱していると、周りの乗客も異変に気付き、騒ぎ始めた。
ある者はCAに現状を訪ね、またある者は不安そうな顔をしている。
しかし学生が多い為か、乗客の大部分はこの現象を楽しんでいる節がある。
そんな状況の中、突如として大音量の咆哮のようなものが響き渡った。
シーン…と静まる機内、数分間の静寂の中、再び大音量の咆哮のようなものが、先ほどよりも近い場所で爆発した。
「GuurrrrrrOoooooooooooooo!!」
当然機内はパニックに陥った。
「え?え? 何!?」
「何だこの怪獣の叫び声みたいなのは!?どうなってんだオイ!」
「パパ、ママ、怖いよぉ」
学生達だけではなく、ビジネスマン風の男や子ども連れの家族、CA達までこの異常事態に右往左往している。
そして、ふと外へ視線を向けると、赤い巨大な何かが翼をはためかせ、物凄いスピードでこちらに向かって来ているのが見えた。見えてしまった…。
「おい、まさか…」
自分の口から出た声が掠れていた。だってそうだろう?実際に見るのが初めてだろうが嫌でも解る。何故ならそいつは世界中で最も有名な伝説上の生き物の一つで、様々なファンタジー作品に登場し、大体の作品においては最強の一角とされている存在だ。
それが、細部は違えど何処かで見た絵のいくつかとそっくりな姿で、現実に目に映っているんだ。いきなりの事で脳が正常に働かない。
そうこうしている内に他の乗客の中で、俺と同じ側の窓際の者達の幾人かが奴に気付き、叫び声をあげる。
「!? ド、ドラゴンだー!!」
「は? お前何言って…う、うわああぁぁぁぁぁ!」
機内は混沌の坩堝へと陥った。
先ほどまでの、何処かまだ余裕のある雰囲気は完全に成りを潜め、泣き叫ぶ者や怒鳴り散らす者が大多数を占めた。子どものいる家族連れは身を寄せあって震え、近くにいる老夫婦は目を閉じ、お互いの手を握り合っている。
気付くと赤い巨大なドラゴンはすぐそこまで接敵していた。
空中で、飛行機の中だ。打って出る事も出来ない。
俺一人でどうこうなるとは思っていないが、こんな鉄の箱の中でじっとしている事しか出来ないなんて、俺の性に合わないんだよ。
悔しさに歯噛みしていると、すぐそばまで来たドラゴンが腕を振り上げ、機内まで聞こえるほどの風切り音を響かせながら、その豪腕を飛行機の左翼へと叩き衝けた。
衝撃に揺れる機内、舞い飛ぶ人や物、響き渡る悲鳴、そして、悔しさを堪えドラゴンを睨む俺。
その時奴と目が合った。
何故そんな事がわかったかって?簡単だ、あの野郎嗤いやがった!ドラゴンの顔なのに、俺に伝わるくらいハッキリと嗤ったんだ。
それも、弱者に対する憐れみと嘲りを込めた、高慢な視線で。
「ぶっ殺す!!」
瞬間的に頭が沸騰した俺は、空中であることや開けるとどうなるかも考えず、怒りに任せてドアに向かった。
奴のあの目は、獲物を食べる事よりもいたぶって殺す事に快楽を求める者のソレだ。
狩った獲物を解体し、なるべく無駄の出ないように素材を確保し、その肉を感謝して食べる。知恵のある生き物としての礼儀だ。
犠牲になった側の生き物はそんな礼儀なぞ知ったことでは無いと怒るかもしれない。
それでも俺達は他の何かを食わなきゃ生きていけないんだ。だからせめて感謝を忘れない。
動物でも植物でも生きている。
牛は良くて鯨はダメ、植物は良くて肉はダメ。その良し悪しを勝手に決める奴等は神にでもなったつもりか?
だから俺は他人が信じられない生物を食っていようが文句を言うつもりはない。
だがこのドラゴンのような奴は別だ。
地球にも民族単位でそういう事をする奴等がいた。
犬や猫を生きたまま煮込んだり、のし棒で痛めつけて殺すのだ。一思いに殺すのではなく、長く苦しめてから殺す。
奴等の言い分では、痛めつけ、苦しんで死んだ肉の方が味が上がるんだそうだ。勿論そんなものは只の妄言だ。
理性と知恵のある生き物のする事ではない。猫等が本能で獲物で遊ぶのとは訳が違う。苦しめてやろうという『悪意』が籠っている。
俺は初めてその事実を知った時頭の血管がぶち切れるかと思ったよ。
俺は鯨やイルカも食べたし、大きさは違えど同じ猫科のライオンだって食った事がある。だから犬や猫を食うだけなら少しも文句はない。
だが痛めつけ、苦しめて殺すだと?とてもでは無いが許容出来なかった。
これも良し悪しを勝手に決める行為なんだろうが、これについては引く気は無い。魂が受け付けない。
あの時と同じ様な怒りが体の内で暴れまわり、いざドアを蹴破ろうとしたところで、機体がガクッと傾いた。片翼が半分近く無くなっているんだ。当然だ。
そのまま機体が落下するのを体が浮かび上がる事で感じ、慌てて近くの壁にへばりつく。
周囲の悲鳴を聞きながら、打つ手は無いかと頭を巡らせていたら、ふと違和感に気付く。
何時の間にか見渡す限り真っ白な空間に立っていた。周囲には自分以外の乗客もいる。
学生達、若い家族、老夫婦、服装から機長と思われる者達もいる。
皆、混乱しているのだろう。無理もない、今さっきまで死を感じる状況だったんだ。
ザワザワとしたざわめきの中、突然白い空間に人が現れた。
その人物は白いスーツの様な服装で、手には装飾が少なくも、一目で高価な物だと解るような、ステッキ、あるいは杖の様なものを持っている。
そして不思議な事に、服装や持ち物は確り認識できるのに、顔がわからない。若いのか老いているのか、髪は短いのか長いのか、どれだけ目を凝らしてもわからない。 認識できない。
するとその人物が俺達に声をかけてきた。
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