おいしい狩猟生活

エレメンタルマスター鈴木

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  あの後の会議では、街方面の監視を密にすることと、拠点の外に出るのは身体強化を取得した者を中心に、戦闘ができるもので組んだグループのみと決まった。

  また、明日からは俺も魔力のある限り堀の拡張を手伝う事に。
  土魔法を使い土を退けるついでに四角い形の石にし、それを柵の直ぐ裏に積んで、石の防壁を作る事にした。
  鮭とばでもかじりながら作業し、食事回復を発動させつつならば、魔力もそれなりに長く持つだろう。

  折角作ってくれた柵も無駄にすることは無いので、槍衾として少し手を加え利用する計画だ。

  そして寝るまでの間に、見回りの通る範囲の外に罠を仕掛けて回る。
  簡単な落とし穴や括り罠、殺傷能力のあるスパイク型の物も設置した。
  拠点にたどり着く数を減らしてくれる事を期待している。



  朝だ。
  起きて報告を聞いたが、俺が寝ている間に異変は無かったようだ。

  今日から対ゴブリン用に、鏃に塗る毒を使う事にした。
  野草採取の際に毒草や毒キノコ、毒持ちの小型生物からコッソリ集めていた物だ。
  ゴブリンは魔石と角以外は灰にし、肉は使わない。
  毒を使い素早く仕留めるのがいいだろう。
  くれぐれも取り扱いに気を付けるように言い含めた。



  予定通りに堀の拡張を行っていると、宝石の原石の様な物を発見した。
  オタトリオに見せたところ、オパールだとか。

  そしてオタトリオが言うには、オパールがあるという事は、石英とやらが採れる可能性があるという。
  聞くと、石英はガラスの素材だとか。
  そりゃ重要だ。

  石英ガラスは透明度と耐熱性に優れているので、スライムジェルを使った火炎瓶や、勿論、日常の多くの品に使えるらしい。
  火炎瓶は非常時の切り札に使えるし、実物さえ見ればもしかしたら、石英とやらは土魔法で増やせるかもしれないな……探してみよう。

  それとコッソリ教えてもらったが、これらが産出されるなら、温泉熱水脈が通っている可能性があるとかなんとか。

  つまり温泉が出る可能性があると?

  ……これはここだけの話しにしよう。特に女性には聞かせないように!

  少なくとも今は安全を優先させたい。
  ヒノキ風呂で満足してもらおう。



  訓練の方も順調だ。
  続々と低い熟練度ながらスキルを取得する者が現れている。
  俺の方も指導スキルが二に上がっているしな。

  的に当たる様になってきた者は積極的に兎狩りにも参加させる。

  これには実は別の狙いもある。
  身体を動かす事と狩りの成功による達成感で、ぶっちゃけて言えば性欲を上手いこと発散させる事だ。



  俺も人の事は言えないが、この世界に来て数日経つのだから色々と溜まるモノもある。
  男だから仕方ない事だ。

  幸いこの集団は仲が良い。
  集団の殆どが同じ学校の生徒というのが大きいだろうし、その他の成人男性達も今は女性陣にとても紳士的だ。

  コソッと相談したシゲ爺が言うには、突出した実力を持ち、リーダー的存在の俺が女性陣を気に掛けているので、男性陣もそれに習っている事と、初日に女性達を置いて行った引け目があるためだろうとか。
  そういう考え方のできるまともな男性ばかりのようだ。
  まぁ非常時だからと性犯罪に走る様な奴はどっかおかしいのだろう。

  ……今、お前もある意味まともじゃねぇだろと言ったのは何処のどいつだ?

  それに加えて、オタトリオを筆頭に学生は学生で、自然と仲の良い男女が出来つつある。
  ただ、今は非常時だ。
  一時の感情で後悔しないように少し話しをする必要がありそうだ。

  女性陣はフミ婆を中心に成人女性に任せ、男性陣は俺、亮、シゲ爺、妻子持ちの二人を中心に、風呂上がりに男子会でも開こうか。
  影で心配するより直接話をした方が俺らしい気がしてきた。



  昼食はしじみと小川で捕れた小エビの出汁スープと、サゴヤシのデンプンから作ったパンに果物ソースを塗って食べた。

  ちなみにあの後見つけた石英は、土魔法で作り出せたが魔力消費が大きかった。
  酸化しているとはいえ鉱石の為だろう。

  一度鉄鉱石が作れないか試してみたが、そもそも魔法が発動しなかった。
  魔力消費が多すぎるのだろうか?
  それとも今の土魔法の熟練度では不足しているのかもしれん。



  午後は一度海に行く事にする。

  旧拠点までは目印もあるし道もいい、それにたまに出る兎は大抵の者が狩れるため、俺が居なくても塩の補充に行く班がいるのだが、どうもヤシの実採りが捗らないらしい。
  なので、午後一で早々に魔力を使いきるまで作業し、運搬する者達と共に向かい、採ったヤシの実を運んでもらう。

  鍋が出来た事でココナッツミルクが作れるようになったので、それに伴いココナッツクリームやココナッツバターを作れるようになった。
  以前にも増して、ヤシの実の利用価値が上がったのだ。

  それと、俺はヤシの実採りが終わった後は、海の獲物を狩るつもりだ。
  銛は黒曜石製の立派な返しのある物が直ぐに作れる。
  素潜り漁でも楽しもうじゃないか。



  そして蟹味噌の代わりになりそうなものを必ず見つけてやる。
  あの時の悔しさを忘れた訳ではない!
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