ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第3章 美月編

第51話「救出」

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守里: 俺の家族に手を出すな!!!


雄斗: あ?ボコボコにされてる奴がイキがんなよ!!!そこで大人しく…グハッ



雄斗の顔面に守里の拳がめり込む。



秀人: は、はぁ?


森田: …あれが、そうなんですね…


矢口: やっと見れた…


美月: しゅ、守里君………



雄斗を殴り飛ばした守里は、すぐさま左足を軸にし、美月のそばにいた秀人を横から蹴り飛ばす。



秀人: ガハッ


中位: おい!どういうことだ!!!


下位: あ、あいつをやれ!!!!



森田と矢口を押さえ込んでいた下位構成員達が、守里の方に向かう。



中位: ちょ、お前ら!!


守里: …



守里は、向かってきた下位構成員の方を振り返る。



下位: 今さっきまでへばってた奴がよ!!!


守里: うるせぇ。



1番手前にいた男を前蹴りで押し出し、その勢いで右側にいた男にラリアットをかましつつ、男達の中心に自ら飛び込む。



下位: わざわざ殴られやすい場所に来るなんて、バカなや…っ!!!!



喋り始めた男の顎を片手で掴み上げ、その反対側に陣取っていた男にそのままぶつける。



下位: こいつ、なんて力だ…


守里: ほら、早く来いよ。



守里は周りを見渡しながら挑発する。



下級: っ!!てめぇら行くぞ!!!



守里の四方八方から襲いかかる。


が…



守里: こんなもんか…



全員にカウンターを決め、気絶させる。



中位: なんて奴だ…


森田: だから言ったろ、坊ちゃんを見くびらない方が良いって。


中位: クッ


守里: 森田さん、矢口さん、そいつらは任せても良いよな。


森田: はい。


矢口: 坊ちゃんは、あのクズ野郎をお願いするっす。


守里: もちろんだ。



そう言って守里は、起き上がり始めた雄斗の方へ向かう。



雄斗: く、クソ、ふざけんな…


守里: あ?てめぇの方がふざけんなよ。俺の大事な人に手を出しやがって。


雄斗: こんなところで、この俺が負けるわけないんだ!!!!



雄斗が守里に殴り掛かる。



パシッ



その手を守里は受け止める。



守里: 遅いな…


雄斗: うるせぇ!!!



その状態のまま、雄斗は守里の空いた脇腹に蹴りを入れようとするが…



守里: だから、遅いんだって。



その蹴りを足で弾き返し、そのまま掴んだ手を引き、腹に膝蹴りを入れる。



雄斗: グフッ



そして、左手で顎に掌底を入れ、右手で胸を撃ち抜く。


雄斗は吹き飛び、背後にあったコンテナに激突した。



守里: 寝てろ。


森田: 坊ちゃん。


守里: 終わったか。



残っていた敵を倒した森田と矢口が、守里のところに来る。



森田: はい、全員…


秀人: う、うわぁーーーーー



秀人が叫びながら、工場を出ていく。



森田: 追いますか?!


守里: いや、良い。


矢口: 本当に良いんすか?


守里: あぁ、どうやらアイツは、美月を過去にいじめてた奴らを、呼び出すってことを脅しに使ってたみたいだからな。



薬の瓶と共に、木箱の上に置いてあった携帯を手に取る。



守里: で、そのいじめてたヤツらと連絡を取る手段である携帯はここにある。今どき、番号なんて覚えてねぇだろうからな。携帯がないなら、連絡を取る方法もねぇだろ。



森田: なるほど。


矢口: 確かにそうっすね。



守里は手に取った携帯の画面を確認する。


その画面には美月が映っていた。



守里: うん、アイツのだ。


森田: でも、アイツも捕まえないとなんじゃないですか?


守里: 笑、それはもう1人の協力者に任せるよ。多分もう動いてる。


森田: 笑、そうですか。


「おーい!!」


矢口: ん?どうやら、今頃応援が来たみたいっす。


守里: だな。あとは頼んだぞ。


森田: はい、こいつらの後始末はやっと来ます。


守里: おう。



そう言って、守里は美月の元へ向かう。



守里: 美月?



美月は極度のストレスによるものなのか、安心によるものなのか分からないが、気絶していた。



守里: ごめんな、遅くなって。



守里は美月の頭を撫でる。



守里: 美月を助けられたか…な…



やべ、意識が…


ドサ



森田: 坊ちゃん?!!!


矢口: っ!!おい!病院に!!


◇◇◇◇


あれ、ここどこだ…


確か僕は、美月を助けに行って…


あ、そうだ…

根川雄斗を倒して、他の奴らも倒すことができたんだ。


ん?それで、その後…


っ!!



守里: 美月!!!



守里は目を覚まし、体を起こした。



森田: あ、坊ちゃん。起きましたか。



隣の椅子に座っていた森田が、話しかける。



守里: 森田さん。


森田: 元気そうで何よりです笑


守里: え?


森田: ちょっと失礼しますね。



そう言って、森田は携帯を取り出し、電話を始めた。


その間に、守里は自分の状況を確認する。



守里: ここは…病院か…



守里は怪我の手当を受けた状態で、白いベッドの上で横になっていた。



森田: そうですよ。伊衛能病院です。


守里: …電話はもういいんですか?


森田: はい、矢口に坊ちゃんが目覚めたことを伝えただけですから。


守里: そうですか。で、なんで僕はここに…


森田: あれ、覚えてないんですか?


守里: いや、根川雄斗を倒して、秀人が逃げて、防衛団の応援が来たところまでは覚えてるんですけど…その後が…


森田: (記憶は残ってるんだな…)その後、坊ちゃんは倒れちゃったんですよ。医者によると、体に一気に負担がかかったせいらしいです。


守里: なるほど…


森田: ちなみに、気絶していたヤツらは、全員確保して、うちの施設に連れていきました。


守里: え、警察に引き渡すんじゃないんですか?


森田: ちゃんと引渡しますよ。情報を喋ってもらってからですけど。


守里: へ、へぇ…



どうやって喋らせるんだろう…


聞かないでおっとこうかな…
 


森田: あと、根川秀人の携帯も預かっていますが、坊ちゃんが必要とすれば、すぐに渡せるよう準備してます。


守里: 分かりました。



あれは、これから必要になってくるはず。



守里: って美月は?!美月はどうなったんですか?


森田: 笑


守里: な、なんで笑ってるんですか?


森田: 隣見てください。


守里: え?



守里は森田がいる方向とは、逆の方向を見る。


するとそこには、ベッドで眠る美月がいた。



森田: ずっと、隣にいたんですよ笑


守里: ちょ、早く言ってください笑


森田: 寝てるんだから、別にいいじゃないですか笑


守里: はぁ…


森田: じゃ、私はそろそろ出ていきますね。


守里: え?


森田: 美月さんが目覚めてしまうと、ちょっとマズいですから。


守里: あぁ、そういえば、防衛団のことは誰にも知らせていないんでしたね。でも美月は、森田さん達のことを見ているんじゃ。


森田: あんな状況でしたから、多分覚えてないですよ。


守里: 確かにそうかも…


森田: もし覚えてたら、なんとか誤魔化してもらってもいいですか?


守里: 防衛団のことを伏せる感じで、ですよね。


森田: はい、お願いします。


守里: もちろんです。


森田: では、失礼します。あ、あと私達から御家族には連絡できませんでしたので…


守里: そりゃそうですよね笑。僕の方から連絡しときます。


森田: はい、じゃ、お疲れ様でした。


守里: お疲れ様でした。



ガラガラ


そう言って森田は病室を出て行った。



守里: ふぅ…なんとかなったか…



無事に事が終わったことに安堵する守里。


って、ここの病室には僕と美月以外の人いないよね?

森田さんも、そこら辺はちゃんとやってると思うけど…


守里は病室を見渡す。



守里: いないみたいだな。美月もまだ起きてない。



よし、今のうちに結真姉さんに連絡しとかないと。


守里は、隣の机に置いてあった自分の携帯を手に取った。




to be continued
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