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第8章 生徒会選挙編
第284話「大親友へのお願い」
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翌日
放課後
2年6組教室
美月: よろしくお願いいたします!!
ブンッ!!
空気を切る音が聞こえるような勢いで、美月は腰を曲げて、頭を下げる。
すると、もちろんのこと…
ザワザワ
6組の教室にいた生徒達がざわめき始める。
しかしながら、それは困惑というより、喜びのざわめきであった。
なぜなら、美月が頭を下げた相手が相手だったからだ。
梅澤: ばっ!こんなところでやめろよ!
美月: 嫌だ!香蓮がOK出してくれるまで、頭を下げ続ける!
梅澤: いや、メッセージでも断っただろ。
美月: お願いだから!お姉ちゃんも学祭近くて、付き合えないって言われたから、もう私には香蓮しかいないの!!
梅澤: そ、そんなこと言ったってな…
あまりの美月の熱量と、周りから注目を浴びているという今の状況に戸惑いを隠せない梅澤。
そして、そんな梅澤が珍しく、困っている表情の梅澤が可愛いと内心で思っている女子生徒達と、単純に梅澤と美月のことが気になっている男子生徒達の注目が、さらに強くなっていく。
美月: もう土下座でもなんでもする覚悟だからね!私は!!
梅澤: …チッ、しょうがねぇ、面倒見てやるよ!だから早く頭を上げろ。そして、さっさとここを出るぞ!
美月: っ!やった!!!ありがとう!香蓮!!ほんと最高!美人!!救いの女神!!
梅澤: なっ!///やめろ!
ザワザワ
梅澤: あ~もう!早く動け!!
美月: はーい!!
クラス中の視線に耐えきれなくなった梅澤は、歓喜の声を上げる美月を、強引に押し出しつつ、教室を出た。
梅澤: はぁ……ほんと迷惑だぜ。
美月: でも、放課後すぐに教室に行かないと、逃げるつもりだったでしょ?
梅澤: ……まぁな。昨日からしつこかったし。
美月: ってことで、美月ちゃんの作戦は大成功ってことですよ!
梅澤: 腹立つドヤ顔だな……やっぱやめ…
ガシッ
美月: どうかお助けを~
梅澤: …調子の良いやつ。で、どうすんだ?どこで料理の練習をするつもりなんだ?お前の家?
美月: え?私は香蓮の家でやるつもりだったんだけど。
梅澤: は?
美月: だって、うちには守里がいるし、何よりお姉ちゃんが帰って来たら、香蓮が使い物にならなくなるじゃん。
梅澤: …他の場所は?
美月: ない!逆に香蓮は、どこか良い場所に心当たりがあるの?
梅澤: ………ねぇよ。
美月: じゃあ、香蓮の家で決定だね!
梅澤: ……
どうしても美月に家バレをしたくない梅澤は、他に良い案がないかを考え続ける。
ちなみに、美月に家バレをしたくないという、梅澤の思いは、もし、美月に家を知られてしまった場合、なんか面倒臭いことになりそう、というただの梅澤の勘によるものだ。
美月: それに、守里と蓮花は香蓮の家を知ってるのに、一番の大親友であるこの私が知らないっていうのに、納得がいかないの!
梅澤: 大親友ね………はぁ……行くぞ。
美月: どこに?
梅澤: 来ねぇんなら別にいいんだが……笑、私の家。
美月: 行く!!!
梅澤: でも、ちゃんと事前に連絡してから、家には来るんだぞ。
美月: 笑、フリにしか聞こえないんだけど。まさか、突撃訪問して欲しいの?
梅澤: あ~やっぱり、1人で帰ろっかな。走れば撒けるし。
美月: お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!
梅澤: 態度の変わり様がすげぇな笑
美月: さぁレッツゴー!!
こうして、梅澤はルンルンの美月を連れて、自宅までの道を歩いていく。
◇◇◇
美月: え、裏門からなの?
梅澤: あぁ、一番近いからな。
美月: ここの住宅地、見回りで来たような…
梅澤: お、よく覚えてんじゃねぇか。
美月: ねぇ、この先にさ、駄菓子屋さんあったよね?
梅澤: あるぞ。あのお前が大量の駄菓子を買ってた駄菓子屋がな。
美月: …
◇◇◇
梅澤: ほら、もうそろそろ…
美月: めちゃくちゃ来たことあるじゃん!ここ!!
梅澤: 笑、夏休みの見回りでだろ?
美月: なんで教えてくれなかったの?!
梅澤: いや、家バレしたくなかったし。
美月: グヌヌ……
梅澤: ちなみに、あの時にはもう、守里も知ってたから笑
美月: なっ…まさかの仲間外れは私だけ……
梅澤: 笑、まぁ、今日で仲間になれるんだから良いだろ?(なんか、こうやって悔しがってる美月を見るのも楽しいな。)
美月: くぅ……
梅澤: ってか、言うの忘れてたんだが、守里はもう、私の手料理を食べたことがあるぞ笑
美月: え……
梅澤: 私もそんなつもりはなかったんだが、流れでな。守里と蓮花に料理を振る舞うことになっちまって。美味いって言って食べてくれたぜ笑
美月: そ、それさえも先を越されていたとは……まさかの香蓮も敵?!
梅澤: 笑、いやいや。私はその戦いには参加しねぇよ。どこの戦場よりも危険だし。それに…
美月: それに?
梅澤: 大親友の美月の願いが叶うことを、私は望んでるからな笑
美月: 香蓮………私、頑張る!!
梅澤: おう。みっちり教えこんでやるよ。
美月: よろしくお願いします!師匠!
梅澤: 笑、あ、ついたぞ。
美月: ほぉ~やっと、ずっと謎だった香蓮の家が見れる…の……か…………え?ほんとにここ?
守里と蓮花も初めて見た時は、口をあんぐりと開けた、大きいマンションを見上げて、美月も同じように口をあんぐりと開ける。
梅澤: あぁ。正真正銘、私の家があるマンションだ。
美月: 嘘でしょ…
梅澤: さ、入るぞ………って、ん?
マンションの中に入る自動ドアの向こう側に、見覚えのある女子2人の後ろ姿が見える。
梅澤: あれはまさか…
美月: ほぇ……
梅澤: 美月、駆け抜けるぞ。
美月: ん?え?
ガシッ
梅澤: 行くぞ!!
美月: ちょっ、なに?!
ウィーン
ポケットからカードキーを取りだし、美月の腕を掴んだ梅澤は、自動ドアが開いた瞬間に走り出す。
??1: あ!梅澤先輩!!と…
??2: 美月先輩?
美月: あれ、瑠奈ちゃんと美結ちゃんじゃん、って香蓮、引っ張らないで~
マンションのエントランスにいたのは、梅澤の自称舎弟で、仮の風紀委員にもなった2人組、松高美結と林原瑠奈だった。
梅澤: 急げって、コイツらも入ってくる前に…
美月: っ!そういうことなら笑……おりゃー!!
キキーー!!
自分の腕を掴んでいる梅澤の手を掴み返し、美月は梅澤のダッシュを引き止めるように、足で思いっきりブレーキをかける。
梅澤: なっ!やめろ!美月!
美月: 別に良いじゃん!この2人も入れてあげなよ!
林原: はっ!!私達も入れてください!!今日も遊びたいです!!
松高: お願いします!梅澤先輩!
梅澤: 嫌だよ、うるさいし。
美月: そもそも私もいるんだから、2人が増えたところで一緒でしょ!
梅澤: お前、それ自分で言うのか…
林原: お願いしますよ~梅澤先輩。私達、お腹ぺこぺこなんですよ~
松高: お腹と背中がくっつきそうです。
美月: ほら、後輩がこんなにひもじい思いをしてるんだしさ!それに、試食役にちょうど良いし!
林原 松高: キラキラキラキラキラ
梅澤: クッ…………しょうがねぇ。
大親友の説得と、後輩2人のキラキラ光線を受けて、梅澤は折れた。
林原 松高: やった!!!
梅澤: ただな、お前らにはお使いに行ってもらう。
林原: お使いですか?
梅澤: あぁ。それをちゃんとやってきたら、家に入れてやるよ。
松高: 任せてください。
林原: でもそんなこと言って、帰ってきた私達を家に入れないつもりじゃ…
美月: そこは安心して!私が開けるから。
梅澤: なんでお邪魔してる方のお前がやるんだよ…
林原: なら大丈夫ですね!じゃあ、早速行ってきます!
松高: 全速力で。
梅澤: 買ってきて欲しいのは、後でメッセージで送るから、さっさとスーパーに行け。
林原 松高: はい!
バタバタ
梅澤: ったく、何日目だよ。
美月: 笑、良いじゃん。可愛い後輩で。
梅澤: 毎日のように来られると、さすがにうざいっての。
美月: 笑、にしては、心底嫌そうな顔はしてないような。
梅澤: …うるせぇよ。ほら、行くぞ。
美月: はーい笑
こうして、林原と松高をお使いに行かせつつ、梅澤は美月を連れて、自分の部屋へと向かった。
そして、この時から、梅澤による、美月の料理特訓が始まったのだった。
to be continued
放課後
2年6組教室
美月: よろしくお願いいたします!!
ブンッ!!
空気を切る音が聞こえるような勢いで、美月は腰を曲げて、頭を下げる。
すると、もちろんのこと…
ザワザワ
6組の教室にいた生徒達がざわめき始める。
しかしながら、それは困惑というより、喜びのざわめきであった。
なぜなら、美月が頭を下げた相手が相手だったからだ。
梅澤: ばっ!こんなところでやめろよ!
美月: 嫌だ!香蓮がOK出してくれるまで、頭を下げ続ける!
梅澤: いや、メッセージでも断っただろ。
美月: お願いだから!お姉ちゃんも学祭近くて、付き合えないって言われたから、もう私には香蓮しかいないの!!
梅澤: そ、そんなこと言ったってな…
あまりの美月の熱量と、周りから注目を浴びているという今の状況に戸惑いを隠せない梅澤。
そして、そんな梅澤が珍しく、困っている表情の梅澤が可愛いと内心で思っている女子生徒達と、単純に梅澤と美月のことが気になっている男子生徒達の注目が、さらに強くなっていく。
美月: もう土下座でもなんでもする覚悟だからね!私は!!
梅澤: …チッ、しょうがねぇ、面倒見てやるよ!だから早く頭を上げろ。そして、さっさとここを出るぞ!
美月: っ!やった!!!ありがとう!香蓮!!ほんと最高!美人!!救いの女神!!
梅澤: なっ!///やめろ!
ザワザワ
梅澤: あ~もう!早く動け!!
美月: はーい!!
クラス中の視線に耐えきれなくなった梅澤は、歓喜の声を上げる美月を、強引に押し出しつつ、教室を出た。
梅澤: はぁ……ほんと迷惑だぜ。
美月: でも、放課後すぐに教室に行かないと、逃げるつもりだったでしょ?
梅澤: ……まぁな。昨日からしつこかったし。
美月: ってことで、美月ちゃんの作戦は大成功ってことですよ!
梅澤: 腹立つドヤ顔だな……やっぱやめ…
ガシッ
美月: どうかお助けを~
梅澤: …調子の良いやつ。で、どうすんだ?どこで料理の練習をするつもりなんだ?お前の家?
美月: え?私は香蓮の家でやるつもりだったんだけど。
梅澤: は?
美月: だって、うちには守里がいるし、何よりお姉ちゃんが帰って来たら、香蓮が使い物にならなくなるじゃん。
梅澤: …他の場所は?
美月: ない!逆に香蓮は、どこか良い場所に心当たりがあるの?
梅澤: ………ねぇよ。
美月: じゃあ、香蓮の家で決定だね!
梅澤: ……
どうしても美月に家バレをしたくない梅澤は、他に良い案がないかを考え続ける。
ちなみに、美月に家バレをしたくないという、梅澤の思いは、もし、美月に家を知られてしまった場合、なんか面倒臭いことになりそう、というただの梅澤の勘によるものだ。
美月: それに、守里と蓮花は香蓮の家を知ってるのに、一番の大親友であるこの私が知らないっていうのに、納得がいかないの!
梅澤: 大親友ね………はぁ……行くぞ。
美月: どこに?
梅澤: 来ねぇんなら別にいいんだが……笑、私の家。
美月: 行く!!!
梅澤: でも、ちゃんと事前に連絡してから、家には来るんだぞ。
美月: 笑、フリにしか聞こえないんだけど。まさか、突撃訪問して欲しいの?
梅澤: あ~やっぱり、1人で帰ろっかな。走れば撒けるし。
美月: お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!
梅澤: 態度の変わり様がすげぇな笑
美月: さぁレッツゴー!!
こうして、梅澤はルンルンの美月を連れて、自宅までの道を歩いていく。
◇◇◇
美月: え、裏門からなの?
梅澤: あぁ、一番近いからな。
美月: ここの住宅地、見回りで来たような…
梅澤: お、よく覚えてんじゃねぇか。
美月: ねぇ、この先にさ、駄菓子屋さんあったよね?
梅澤: あるぞ。あのお前が大量の駄菓子を買ってた駄菓子屋がな。
美月: …
◇◇◇
梅澤: ほら、もうそろそろ…
美月: めちゃくちゃ来たことあるじゃん!ここ!!
梅澤: 笑、夏休みの見回りでだろ?
美月: なんで教えてくれなかったの?!
梅澤: いや、家バレしたくなかったし。
美月: グヌヌ……
梅澤: ちなみに、あの時にはもう、守里も知ってたから笑
美月: なっ…まさかの仲間外れは私だけ……
梅澤: 笑、まぁ、今日で仲間になれるんだから良いだろ?(なんか、こうやって悔しがってる美月を見るのも楽しいな。)
美月: くぅ……
梅澤: ってか、言うの忘れてたんだが、守里はもう、私の手料理を食べたことがあるぞ笑
美月: え……
梅澤: 私もそんなつもりはなかったんだが、流れでな。守里と蓮花に料理を振る舞うことになっちまって。美味いって言って食べてくれたぜ笑
美月: そ、それさえも先を越されていたとは……まさかの香蓮も敵?!
梅澤: 笑、いやいや。私はその戦いには参加しねぇよ。どこの戦場よりも危険だし。それに…
美月: それに?
梅澤: 大親友の美月の願いが叶うことを、私は望んでるからな笑
美月: 香蓮………私、頑張る!!
梅澤: おう。みっちり教えこんでやるよ。
美月: よろしくお願いします!師匠!
梅澤: 笑、あ、ついたぞ。
美月: ほぉ~やっと、ずっと謎だった香蓮の家が見れる…の……か…………え?ほんとにここ?
守里と蓮花も初めて見た時は、口をあんぐりと開けた、大きいマンションを見上げて、美月も同じように口をあんぐりと開ける。
梅澤: あぁ。正真正銘、私の家があるマンションだ。
美月: 嘘でしょ…
梅澤: さ、入るぞ………って、ん?
マンションの中に入る自動ドアの向こう側に、見覚えのある女子2人の後ろ姿が見える。
梅澤: あれはまさか…
美月: ほぇ……
梅澤: 美月、駆け抜けるぞ。
美月: ん?え?
ガシッ
梅澤: 行くぞ!!
美月: ちょっ、なに?!
ウィーン
ポケットからカードキーを取りだし、美月の腕を掴んだ梅澤は、自動ドアが開いた瞬間に走り出す。
??1: あ!梅澤先輩!!と…
??2: 美月先輩?
美月: あれ、瑠奈ちゃんと美結ちゃんじゃん、って香蓮、引っ張らないで~
マンションのエントランスにいたのは、梅澤の自称舎弟で、仮の風紀委員にもなった2人組、松高美結と林原瑠奈だった。
梅澤: 急げって、コイツらも入ってくる前に…
美月: っ!そういうことなら笑……おりゃー!!
キキーー!!
自分の腕を掴んでいる梅澤の手を掴み返し、美月は梅澤のダッシュを引き止めるように、足で思いっきりブレーキをかける。
梅澤: なっ!やめろ!美月!
美月: 別に良いじゃん!この2人も入れてあげなよ!
林原: はっ!!私達も入れてください!!今日も遊びたいです!!
松高: お願いします!梅澤先輩!
梅澤: 嫌だよ、うるさいし。
美月: そもそも私もいるんだから、2人が増えたところで一緒でしょ!
梅澤: お前、それ自分で言うのか…
林原: お願いしますよ~梅澤先輩。私達、お腹ぺこぺこなんですよ~
松高: お腹と背中がくっつきそうです。
美月: ほら、後輩がこんなにひもじい思いをしてるんだしさ!それに、試食役にちょうど良いし!
林原 松高: キラキラキラキラキラ
梅澤: クッ…………しょうがねぇ。
大親友の説得と、後輩2人のキラキラ光線を受けて、梅澤は折れた。
林原 松高: やった!!!
梅澤: ただな、お前らにはお使いに行ってもらう。
林原: お使いですか?
梅澤: あぁ。それをちゃんとやってきたら、家に入れてやるよ。
松高: 任せてください。
林原: でもそんなこと言って、帰ってきた私達を家に入れないつもりじゃ…
美月: そこは安心して!私が開けるから。
梅澤: なんでお邪魔してる方のお前がやるんだよ…
林原: なら大丈夫ですね!じゃあ、早速行ってきます!
松高: 全速力で。
梅澤: 買ってきて欲しいのは、後でメッセージで送るから、さっさとスーパーに行け。
林原 松高: はい!
バタバタ
梅澤: ったく、何日目だよ。
美月: 笑、良いじゃん。可愛い後輩で。
梅澤: 毎日のように来られると、さすがにうざいっての。
美月: 笑、にしては、心底嫌そうな顔はしてないような。
梅澤: …うるせぇよ。ほら、行くぞ。
美月: はーい笑
こうして、林原と松高をお使いに行かせつつ、梅澤は美月を連れて、自分の部屋へと向かった。
そして、この時から、梅澤による、美月の料理特訓が始まったのだった。
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