賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

文字の大きさ
38 / 123

第三十八話 リア先生

しおりを挟む
 僕が自室のベッドで暇をもてあそんでると、扉が勢いよくノックされた。

御主神様アインスさま! カタリナですわ!」

 カタリナの声に対しての僕は部屋に入るように促した。

「話は終わったのかな? いいよ。入って!」

 扉が勢いよく開かれて、その勢いのままカタリナが飛び込んできて、僕の目の前にいきなり跪いて来た。

御主神様アインスさま、先程は申し訳ない事をしてしまいましたわ」

「ちょ、ちょっと! 止めてよ! 立って! 立ってってば!」

 僕は突然の出来事に驚き、カタリナに立つようにお願いする。するとカタリナは渋々と立ったが、未だに申し訳無さそうな様子を示している。

「で? さっきってなんのこと?」

「対抗戦のことですわ! 御主神様アインスさまを巻き込む様な形になってしまって大変申し訳無いことをしてしまいましたわ! 御主神様アインスさまのお気持ちを知らずに! 目立つようなことをしてしまって!」

 カタリナの後ろでレオナが軽く頷いた。どうやらレオナが話してくれたようだった。それはとても有難いと僕は素直に思った。でも……

「あ、ああ、別にいいよ。急だったからビックリしただけだよ。それに、ああなったのは100%僕が悪いんだから、カタリナは気にしないでよ。それ以上に良く振舞ってくれて助かったよ。それにレオナとカタリナの頼みならいくらでも聞くから大丈夫だよ」

 そう、そもそも僕がちゃんと魔法を使えなかったのが原因。カタリナはよく振舞ってくれたと思う。それは本心からだった。

「あ、ありがとうございますですわ!」

「ううん。どっちかと言うと、僕がお礼を言いたいくらいだよ。それっぽく振舞ってくれただけじゃなくて、王都行きの話を断ってくれてありがとね」

「そんなの当然ですわ」

 カタリナは胸を張ってそう答えた。僕は服が胸で破れないかハラハラしてしまった。

「そ、そんなに胸を張らないでよ。で、でも、やっぱり嬉しかったよ。だからこそカタリナのお願いはやっぱり大事にしたいなって。対抗戦、出って言うならいいよ。僕が近くに居た方が好都合だろうし。でも、そうするとカタリナだけじゃダメって事かー。出るなら三人で、だもんね。レオナにも頑張って貰わないと」

 僕がチラリとレオナに視線を送ると、そこには溢れんばかりの笑顔で喜んでいるレオナがいた。

「はい! 喜んで!」

「とりあえずカタリナが学校でもう一番らしいから、レオナは二番にを目指そうか。そうすれば僕も目立たないだろうし」

 すると、僕の言葉にカタリナが申し訳なさそうな素振りを見せながらこう答えた。

「お言葉ですが、御主神様アインスさま。あの魔法は御主神様アインスさまのものですわ。ワタクシは魔法を使うことは出来ないですわ。一番と言うのはまだちょっと……」

「そっか。カタリナがそう思うなら、カタリナにも頑張って貰わないとね」

「それは勿論ですわ。でも、具体的に何を頑張れば良いのですの?」

 そこで僕は腕を組み、首を傾げて少し考えながら考えを告げていく。

「そうだね。ざっくり言うと戦ってレベルを上げて強くなる事と勉強だね。魔物を倒すとレベルが上がって強くなるんだ」

「かしこまりました。ただ、ワタクシ遊び人ですわよ? レオナちゃんもメイドですしどうやって戦えばいいでしょう? それにレベルって何なのですわ?」

 カタリナの言うことも最もだ、と思った僕は団結の証を手に取り、カタリナに見せながら話を続けた。

「あ、ああ、戦うのはカタリナじゃないよ。もちろんレオナでもない。その点は僕が戦うから大丈夫。この団結の証があれば、僕の獲得するはずだった経験値が二人に入るんだよ。で、レベルってのは強さを表す目安って言えばいいかな? だから、当面頑張って貰うのは勉強の方だね。今言ったレベルとか経験値の事とかも含めてこの世界の事。それだけじゃなくて、前の世界では普通に僕が習った事とか? んー、世界の法則みたいな事?」

「せ、世界の法則……な、なんか凄いですわね」

 若干カタリナが引いている。確かに僕の言い方は難しそうに感じてしまったのかのしれない。でも、大丈夫。

「そうでもないよ? 大層なことを言ったけど、前の世界では僕たちくらいの年齢なら普通に知ってる事だから。大丈夫だよ」

「え、えっと……御主神様アインスさまがそう仰るのであれば、頑張ってみせますわ!」

「という訳で、リア、勉強頼むよ」

 僕が話を振ると、急だったのかリアが抗議の声をあげた。

「は、はぁ? レオナはともかく、この、きょ、巨乳にも!?」

「あら、ワタクシも貧乳から教えてもらうなんて嫌ですわ! 御主神様アインスさまから教えて欲しいんですわ!」

「カタリナの言いたいことも分かるけど、僕じゃ二人に教えるのは難しいんだよ。この世界のことを知らなさすぎるから。ね? 僕からの二人へのお願い。ダメかな?」

 僕が少し困った表情を見せると、レオナがにこやかな表情でこう続けた。

「カタリナちゃん? リア? ご主人様を困らせてはダメですよ」

「ま、まぁマスターのお願いなら……」

「わ、私も御主神様アインスさまのお願いなら……」

「ありがとうね! 二人とも! 勿論レオナもね! リア先生の誕生だね! というわけで当面の間は放課後に勉強して週末はレベル上げかな? 月末は休みも長いから遠出も出来るし、簡単な旅もいいかもね」

「ご主人様と旅行ですか! 皆と一緒とか楽しそうですね!」

「まぁでも毎日居残り勉強みたいになっちゃうから時間無くなってごめんね。特にカタリナは孤児院に帰らないといけないから余計に時間ないね」

 僕が少し申し訳なさそうにカタリナにそう言うと、カタリナは何かを思い出したかのように手を叩いたのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...