賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第五十五話 助けだした少女たち

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 僕は五人の少女と気絶させた野盗を抱えて外に出た。そして見張りと共に野盗たちはその場に首だけだして埋めた。
 魔物たちに襲われたら死んじゃうかもしれないけど、それはそれ、だと思った。でも、だからといって無闇矢鱈に殺そうとも思わない。それじゃ、コイツらやあの人と一緒だから。

「これで……よし、と」

 埋め終わったら僕は再度少女たちを抱えてレオナたちの元まで戻る。

「ご主人様! お帰りなさいませ」

御主神様アインスさま! その子たちは?」

 僕は抱えてた少女たちを地面に下ろしながら、こう答えた。

「うん。どうやらあの野盗たちに捕まってたみたい。この五人は助け出せたよ……」

「ご、五人も……」

 レオナが絶句している。でも、僕は首を横に振った。

「この子たちだけじゃなかった。他にも二人、居たけれども……」

御主神様アインスさま……」

 僕の様子から皆、察してくれたようで黙ってしまった。そんな中、レオナが慰めるように優しく語ってくれる。

「でも、ご主人様。ありがとうございます。手配書だとわたしを襲った犯罪者はあいつらの仲間、助けて頂かなかったら、わたしは……」

 そう、レオナの言う通りだろう。でも、僕はとある考えが拭えなかった。

「でもさ、あの時、あのままにしないでさっさと突き出せばこうならなかったのかもよ?」

「マスター。あの時は既にこの子たちは捕まってたわよ。調べたから間違い無いわ」

「じゃあさ、あの時、あいつが何をしたか調べたら、亡くなった二人は助かったのかもしれないよ?」

「マスター……そ、それは……」

「ね、僕の浅はかさから、二人を亡くしたんだよ」

 自虐なのは分かってる。僕は何でも出来る訳じゃないことも。でも……それでも僕は、救えたかもしれない命に目を背けられなかった。

「それは違うわ! マスター!」

「ご主人様、ご自分を責めないで下さい。わたしわたしを助けてくれた、それだけでも並大抵の事じゃないと思います」

御主神様アインスさま……ワタクシもですわ」

「ありがとね。皆」

 優しく皆が僕を慰めてくれていた、その時だった。

「マスター! 目を覚ますわよ」

 一人んl少女が目を覚ました。でも、混乱している様子。僕はその少女に優しく語りかけた。

「意識が戻ったみたいだね? 僕はアインス。こっちがレオナでこっちがカタリナ。君の名前を聞かせてもらっていい?」

 と。それから少女は思いの丈を僕にぶつけた。カタリナは僕を助けてくれようとしたけど、制した。そうした方が良いと思ったから、僕がそうしたかったから。

 ひとしきり泣き喚いた少女は、落ち着きを取り戻して自身のことを話しだしてくれた。名はフレイ。そして境遇や洞穴での出来事を。
 その淡々と語る様子に、僕はフレイはとても強い人だと。純粋に思った。

 しばらく経つと順々に残りの少女が目を覚ましていく。生き残ったことを喜ぶフレイたちを見てると、僕は嬉しいのか申し訳ないのかよく分からない気持ちになった。
 とはいえ、ずっとこのままにさせておく訳にはいかない。街に戻らないと。そう思った僕はこう促したのだった。

「じゃあ街に向かう前にあっちに小川があるから体を軽く洗って来てね。ちょっと目立つから。カタリナは手伝ってあげて。リアは見張ってて。レオナは服を軽く洗って持って来て。下着はちょっと……我慢して貰って……」

 僕は最後言い淀んでしまった。だって女の子に下着のこととか言えないよ!
 するとすぐにレオナとカタリナはフレイたちを連れて小川に向かってくれた。

「ご主人様、服をお持ちしました。下着は皆、履かないで大丈夫だそうです」

「レオナ、助かるよ。察してくれて。女の子に下着のことを言うのはちょっとね」

 僕が言い淀んだことを察してくれて、フレイたちにレオナは確認してくれたようだった。正直すごく助かる。

「とんでもないです。でも、どうやって乾かすんですか?」

「ちょっと考えがあってね……ほら、どうかな?」

 僕は服にちょっとした魔法をかけた。

「す、すごい! もう乾いてます!」

「水分子を分解すれば早く乾くんじゃないかなって。うまく行ったみたいだね」

 洗剤も無いなら行けるかな? と思ったけど、上手くいったみたいで少しほっとした。

「ブンシブンカイ? あ、ああ……また神の言語ですか」

「あ、まだリアが教えて無かったのか。ごめんね」

 僕がレオナに謝ると、そのタイミングでリアが戻ってきた。

「そんなに早く教えられる訳ないでしょう……」

「あはは、そういうつもりじゃないって。ごめんよ、リア」

「周りは何も問題無いわ。それにあの子たちの水浴びもだいたい終わったわ」

「では、服は乾いたようなので、持っていきますね!」

 リアの言葉を聞いたレオナは、乾いた服を持ってフレイたちの所へ戻って行った。

「うん、お願いね、レオナ」

 レオナの姿が見えなくなると、僕はポツリと呟いた。

「さて、どうしたもんかな?」

「何が?」

「あの子たち、どうしようかと思ってね」

「そう、ね……」

 リアも僕の考えていることがわかっているようだった。

「この国の人間じゃないから学校にも通わせられない。衣食住の問題は大きいよ。せめて学校に通わせられれば、住と食の問題は解決するけど……」

「家はレオナの家を借りれば? 今は殆ど住んでないし、管理してくれるならレオナにとっても良い話じゃない? 広さも充分だし」

「うーん。それはそうかもしれないけど、でも他はどうするよ? 衣も食もお金が無いと解決しないし……かと言って五人も少女を働かせてくれる人なんていると思う?」

「それは……」

 僕の言葉のリアも黙ってしまった。それでも僕は話を続ける。

「だから孤児院しかないと思うんだけど、でも……」

「それも問題があるわね。火の車の孤児院じゃ……」

「そう、だから困ってね」

 リアの言う通りだ。年間で金貨三枚の利子すら払えない孤児院に、五人を任せるのは気が重い。

「とは言っても孤児院くらいしか無いなら、仕方ないんじゃないかしら? あの子たちだって受け入れてくれるわよ」

 そう、リアの言い分はわかる。フレイたちも納得してくれるだろうし、シスターも喜んで受け入れてくれるだろう。でも、僕の中の何かはそうしたくなかった。とはいえ、ここで考えていても仕方の無いことなのは理解している。

「そう……だね……とりあえずお腹も空かせてるだろうし、レオナに頼んで何か食べさせて貰おう」

 ちょうどその時だった。レオナたちがフレイたちを連れて戻ってきた。すっかり身なりも整った彼女たちを見て、僕はこれなら不審に思われない、と思ったのだった。

「うん! これなら大丈夫そうだね! 一旦ソフィアの街まで戻ろうか? とりあえずレオナの家に行こう!」

 それから僕たちはレオナの家に向かい歩きだしたのだった。
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