賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第七十四話 プラムとオアイーブ①

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 時は少しだけ遡る。それは今まさに、アインスたちがラムネスの街を訪れていた時である。

「ふぅー。お湯に浸かるってのも落ち着くなー。たまにはこういうのもいいなー。この一月でちょっと色んな事ありすぎたなー」

 ラムネスの街の温泉に一人で浸かり、独り言を呟く少女が居た。その少女の住む世界は賢者と言う職位クラスが与えられた日に一変してしまった。
 今まで住んでいた村、住むはずだった街から離れ、すぐ近くにいつもあった顔は遠くになってしまった。それを望んだのはある意味、少女自身ではあったのかも知れないが、その別れは少女の心に深く残っていた。ふとした瞬間に、少女はその時を思い出す。今もまさにそうであった。

「なんでアーはあんな事言ったんだろー。いまだに納得出来ないのよねー」

 少女は天を見上げて、ポツリと呟く。その時、少女は後ろから不意に声をかけられた。

「ご一緒させて頂いて宜しいかしら ?」

 少女の目の前には、その少女よりも少し年上の女性が立っていた。肩まで伸びた銀色の髪はとても艶があり、その妖艶な表情と合わせ、漂わせる雰囲気、ただそれだけで、その身分が高貴なものと思わせるに充分だった。

「あ、オアイーブ様! 気付かず申し訳ありません!」

 少女は勢い良く立ち上がり、オアイーブと呼んだ女性に謝った。

「ふふっ。いいのよ。気にしないで。そんな勢いよく立ってしまったら、プラムの可愛いらしい体が丸見えよ」

 オアイーブと呼ばれた少女は片目を瞑り、プラムと呼んだ少女にそう声をかける。それに対し、プラムは自身の身体に視線を送ったあと、顔を真っ赤にして、首まで湯に浸かる事で応えた。

「か、重ね重ね、申し訳ありません……」

「いいのよ。それに別に従者じゃないんだし、そんなに畏まった言い方しなくていいのよ? いつも言ってるじゃない? わたくしは妹が出来たみたいで、本当に嬉しいの? ほら、プラム、お姉ちゃんにもっと色々話して下さいな」

「そ、それはいつも仰って頂けますが……こういう言葉遣いに慣れておかないと、いつ失敗するか怖くて……」

 プラムはオアイーブの呼びかけに、未だに真っ赤な顔でそう答えた。

わたくし、プラムがする普段の言葉遣いも可愛くて好きよ?」

「ふ、普段って! そ、そんなはずは!」

 自分ではきちんと出来ているはずと思っていたプラムは、普段の言葉遣いを聞かれていたことにとても驚いてしまった。

「いつも独り言で言ってますわよ? さっきも独り言を言ってましたし、ね? ああいう感じで良いのだけれども……」

「あ、あれは……その……申し訳ありません……」

「別に謝って欲しい訳じゃないのだけれども。まぁいいわ。後々打ち解けてくれればね。まだ一月しか経ってない訳だし、無茶言って嫌われちゃったら嫌ですしね」

 オアイーブの言葉をプラムは必死になって否定した。

「そんな事は絶対に無いです! オアイーブ様には感謝してますから! 御屋敷において頂いて本当に助かりました! 一人で不安だった所、目にかけて頂いて……王都は広いし、何処に何があるかもわからないし……勢いで王都に行くって決めても、あたし一人じゃやっぱり何も出来なくて……いきなりジェラール様に挨拶とか言われて、何も考えられませんでしたし、もう本当に不安で不安で……緊張して何も言えなかった、あたしにオアイーブ様はすぐに助け舟を出して下さいましたし……本当に感謝してるんです!」

「じゃあもっと言葉遣いのこと、考えてくれてもいいんじゃないかしら?」

 オアイーブは少し意地悪そうな笑みを浮かべながらそう言った。対してプラムは困ったような声を上げる。

「そ、それとこれとは話が別ですぅ……」

「ふふっ、やっぱり可愛いですわね」

 そして照れてしまったプラムは真っ赤になった顔を隠す為に、鼻の所まで湯に浸かってしまった。ブクブクと泡が立っている。

「ごめんなさいね。そんな照れなくていいのよ」

 その言葉に湯から顔を上げたプラム。顔はさっきよりも朱に染っていた。

「わかりました。ありがとうございます」

「ふふっ、言葉遣いのことばかり話をしても話が進まないわね。さっきの話をしましょうよ?」

「さっきのって?」

「さっきの独り言の話よ。確か……故郷の幼馴染のことですわよね?」

「あ、アーの……アインスの事ですか?」

「ええ、少しだけ話は聞いた事ありますけど、しっかりとは聞いたことはなかったですから。わたくし、プラムのこと、色々と知りたいですからね。幼馴染のことも教えて下さいません? せっかく二人きりになれたのだから。確か喧嘩別れのような形ですわよね?」

 オアイーブの問いに、プラムは斜め上を見ながら、思い出すかのように語り始めた。
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