賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第八十話 豪華な離れ

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「ちょっと、アマンダ先生、何で立ち止まってるんですか?」

 アインスは一歩先に入ったアマンダにそう声をかけた。何故ならば入口に立ち止まって邪魔だったから。しかし、放心状態のアマンダは身動き一つすることは無い。

「もう……ちょっと失礼しますよっと……え……?」

 アインスはアマンダをちょっとだけ押しのけて離れに入った……はずだった。しかし、そこは離れと呼ぶには豪華すぎる。まるで何処かの貴族の屋敷、いや、王宮の一室と言っても過言ではない雰囲気を醸し出していた。
 置いてある彫像品の数々は一つ一つが自己主張をせず、ただ、高貴さだけを漂わせている。全体として一つの芸術として完成されているそれらは、ただ買い漁られた物では無い事は明白だった。選ばれ、揃えられたのであろう。恐らく、どれをとっても、一つで家よりも高価であろう事は想像するに容易い、いや、物によっては村どころか街も買えてしまう代物もありそうだった。
 それほど広くはない部屋だが、その中心に鎮座する家具も同様だった。
 机は大きな一本の木から切り出された様だ。ただ、それは神聖な雰囲気を醸し出していた。その神聖な雰囲気は座り心地が良さそうな椅子も同様である。
 続いて入ってきたレオナとカタリナ含めて、アインスたちが圧倒されて立ち尽くしていると背後から声がかけられる。

「あら、おかけにならないのですか?」

 アインスはその言葉に我に返った。振り返って、声の主であるキャスカに迫るような勢いで尋ねだす。

「ね、ねぇ! キャスカ! 部屋間違えてない? ちょっと高級すぎるでしょ! ここ! 絶対、僕たち使っちゃダメな場所でしょ!」

 しかし、至って冷静なキャスカはさも当然といった素振りで、アインスへ言葉を返した。

「いえ? アインス様たちをこちらにお通しするように申し使いましたから、何も問題ございません。あ、キャロル様ですが、今は手が離せないとの事で、もう少しお待ち下さいとの事です。お飲み物をご用意致しますので、おかけになってお待ち下さい」

 頭を下げ出ていくキャスカ。その直後、扉が閉めらるとアインスたちは大きく息を吐いた。

「ですって……どうやら座って待ってるしかなさそうですよ?」

 肩を竦めアマンダにアインスはそう言った。その言葉にアマンダは我に返った。

「え、ええ……とりあえず座りましょう……」

 四人が席に着く、奥にアマンダ、その正面がアインス、アインスの隣がレオナで、レオナの前、アマンダの隣がカタリナと言う席順だ。

「椅子も凄い座り心地ね」

「ええ。でも、この座り心地、最近何処かで味わったような……」

 アインスはそう呟き、思いだそうと首をかしげた。が、その行為はすぐに部屋へキャスカが入ってことによって妨げられてしまった。
 キャスカはお茶を持って入ってくる。香りで既に高級品なことを全員が悟るほどの品物であった。それが全員の前に配られるとキャスカは一つお辞儀をしてこう言った。

「では何か御座いましたら机の上のベルを鳴らしてください。私は外におりますので。お茶のお代わりも必要でしたらすぐにお申し付け下さい。それでは重ね重ね申し訳ありませんがキャロル様がいらっしゃるまでお待ち下さい」

 キャスカが出ていくとすぐにアインスはアマンダに小さな声で尋ねた。

「ねぇアマンダ先生。この店っていつもこうなの? これだって多分高いお茶じゃない?」

「え、ええ。確か一杯銀貨十枚くらいはしたはずよ」

「嘘! 普通の店でも銀貨一枚くらいが相場ですよ!」

 ついレオナが驚きの声を上げてしまった。

「アマンダ先生、そもそもこの部屋、僕たち入っていいんですか? 使っていいとは言われたけれども、いつもこんなに凄い離れで待つんですか?」

「い、いや……キャロルの事を待った事は何度かあるけど、待つとしても入口のソファだったし、予約の合間にささっと作れる程度の物をホールで頂く程度よ。第一、予約でいっぱいって断られるのがザラよ? こんなとこ通された事なんかないわよ」

「えっ、じゃあなんで今日はここなんですか?」

「そ、そんなのこっちが聞きたいわよぉ……」

 アマンダの消え入るような言葉を最後に、四人には沈黙の時が流れる。しばらく後、その時を破ろうと最初に口を開いたのはアマンダだった。

「ま、まぁこうやって黙ってても仕方ないし、キャロルが来るまでさっきの話を詳しくしておくしかないわね」

 そして、気を取り直そうとしたのか、アマンダは座り直してから話しだした。
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