賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

文字の大きさ
93 / 123

第九十三話 念話

しおりを挟む
 エミリアさんの姿が見えなくなったので僕は三人に話しかけた。

「それにしても、一人でも助かって良かったね」

「ええ、ご主人様。本当にそう思います」

 レオナが僕の言葉に同意し、カタリナもリアもレオナの言葉に頷いていた。

「それと、洞窟から出ている時にエミリアさんとお話させて頂きました。エミリアさんは魔法を放っているのはカタリナちゃんだと思ってくれてました」

 そう続けたレオナの言葉を聞いた僕は、狙い通りにエミリアさんが考えてくれたことに満足した。

「へぇ、それは良かった。そこは狙い通りに出来て良かったね」

「あと、カタリナちゃんは賢者と伝えてあります。エミリアさんだけ助かった話になった時に、どうしても何故助かったか、と言う話になりますから。フェンリルウルフの話も出るでしょうし。リアにも確認取って、問題なさそうだったので……」

 とのレオナの言葉に、リアがこう続けた。

「こっち見てきたから賢者でいいよって言っちゃったわ。ま、今日倒した魔物で結構レベル上がったし問題ないでしょ。いつでも賢者になれるわ」

「そっか、ありがとね。でも、そういう時の為にも使える魔導具にもなるのかな。今から作りたい魔導具は」

 と僕は先程倒したフェンリルウルフの魔石を鞄から取り出しながらそう言った。

「で、リア? この魔石で作れそう?」

「ええ、フェンリルウルフはBランクだし作れるわ」

「え! Bランクなの?」

「そ、そうよ……ってマスターなんで驚いてるの?」

「い、いや。思ったよりもランクが高くって……あんまり強いって思わなかったから……それにずっとDランクのしかいない洞窟でいきなりBランクって……あ、だからエミリアさんたちはやられちゃったのか」

 僕はリアから聞いたフェンリルウルフの強さを聞いて、エミリアさんたちが全滅したことを妙に納得してしまった。強さの差ってのがよく分かんないけど、いきなり2ランク上だからエミリアさんたちは対処出来ずに全滅してしまったのだ。

「ってそりゃマスターにとっては強いって思わないかもしれないけどね。で、どうするの? 作るの?」

 僕はリアの問いに、少し考えてからこう答えた。

「ここもあまり人が来ないけど、一旦帰ってからの方がいいかな? 見られちゃうとまずいしね」

「そうね。魔石自体は揃ってる訳だし、一旦帰ってからの方がいいでしょうね。もう日も暮れそうだし」

 と、僕たちは街に向かったのだった。
 夕食後、僕の部屋に皆で集まってもらった。

「さてと……とりあえず作ってみようか」

 僕は目の前にある四つの魔石の内、一つを取り上げ両手で包み込んだ。辺りが光に包まれると、その両手の中には一つの指輪があった。

「ご主人様、これは指輪ですか?」

「そうだね。とりあえず同じのをあと三つ作っちゃうね」

 と僕は同じ事を三度繰り返し、目の前には四つの指輪が出来た。

「これで良し……と。じゃあ皆付けてみて。ここにちょっと黒い部分があるでしょ。これを内側にする様にしてね?」

 僕が先に指輪を身につける。それを見て、三人はとも僕に倣ってくれた。

「えっとね、この黒い部分があるでしょ。ここに他の指を当てると、この指輪をつけている人皆に、思った事が伝わるの。受け取る方は何もしなくていいよ。離してたら伝わらない。手を握ったりしても、多分大丈夫だと思う。あまり突飛な行動すると周りに伝わるし、目立つ形にもしたくないから、こういう感じにしてみた。使い方はわかった?」

 レオナとカタリナはなんだかよく分からなそうな顔をしている。それも仕方ないか。リアは話してたし、大丈夫そうに頷いてくれた。

「そうだね……とりあえず使ってみようか? リア、やってみて?」

 すると僕の頭の中に、リアの言葉が響きわたる。

『……きこえますか……入眠中の私の妻よ……あなたの夫です。……今…… あなたの……夢の中に……直接…… 呼びかけています……浴室の……ボディソープのボトルに……リンスを詰めるなとは…言いません……ただ一言……先に教えておいてほしかった……いま……私の首から下の……毛という毛が……しっとりしています……』

 二人が驚きの声をあげ、僕は突っ込みの声をあげた。

「ちょっとリア! なんでそれなの!」

「え? 某テレビ局の方が良かった? 伏字ピー音にするの面倒だったんだけど?」

「ってそうじゃない! 普通でいいから! リンスもボディソープもテレビも二人はわかんないから!」

「ってその突っ込みもどうかと思うんですけど?」

 リアに痛いところを突かれた僕は、レオナに逃げた。

「クッ! じゃ、じゃあレオナ! レオナがやってみてよ!」

 その言葉にレオナは頷いた。どうやら感覚は掴んだみたい。次に他の僕の頭の中にレオナの言葉が響く。

『皆さん、聞こえますか? 聞こえたら頷いて下さい』

 それに対して僕含めて三人は頷いて応えた。どうやらカタリナもリアも聞こえているみたいだ。

「やった! 出来ました!」

「じゃあ次はカタリナだね」

 と、カタリナも同様に繰り返し、皆で使える事を確認しあった。

「どうやらうまく行ったようだね。結局、考えてから発言するわけだから、どっちにしろ電気信号を介してるに過ぎないからね。触っている間はその電気信号を拾って、電波として放射。それを受け取った側が、今度は逆に電気信号に変換、その電気信号通りに直接音を分析する脳内の箇所に、送信しちゃえばいいかなと思ったけどうまく行ったね」

 と僕の説明に対して、リアが片手を上げて制止する。

「いや、マスターちょっと待って。それ二人とも説明してもわからないから。とりあえず使えればいいんじゃない? そもそもそれ、言いたいだけじゃない?」

 あ、バレた。が、そこは敢えて流してしまうことにする。

「うーん。確かにリアの言う通りかもね。とりあえずなんかあった時に使うから、基本的に指輪しててね。今日みたいな時にも使えるから」

 と、僕のその言葉に三人は頷くのであった。

「これでリアもぼっち卒業だね!」

 そう、授業中はリアはぼっちである。これでぼっちから解放されるので僕は少し安堵した。

「あたしたちがいないとぼっちのマスターに言われるのもなんだかなー」

「なにおー! ゆるさーん!」

「きゃー! ってそろそろ寝る時間だよ! 用も済んだし早く寝よ?」

 と、リアも言うのでふざけ合うのもそこまでにして、その日は解散したのであった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...