賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

文字の大きさ
94 / 123

第九十四話 突然の休暇

しおりを挟む
「ひーまーだー」

 僕は部屋で文字通り暇を持て余していた。唐突に長期の休み、所謂夏休みのようなものに入ってしまい、授業もなくやる事が無くなってしまったからだ。

 それは先日の事だった。目的の魔導具も作り、無事にリアも一緒にいる時間も増えた、とある日の事である。アマンダ先生から僕たち三人にとある話があった。リアも居たのだが、アマンダ先生には見えていないので、三人に向けて、である。

「えっと、皆に相談があるんだけど……私じゃない人から授業を受けるのと、休みが長くなるのとどっちがいい?」

 その質問に、僕は逆に質問で返した。

「どういう意味です? 担任が変わっちゃうって事ですか?」

 それに対して、アマンダ先生は首を横に振った。

「それはないわ。私が担任ってのは変わんないんだけど、もうすぐ長期の休みでしょ? で、この手紙なんだけど、どうやら村に帰らなきゃ行けないみたいなのよ」

 アマンダ先生が一枚の紙を、顔の横でひらひらとさせながら、僕たちに見せる。って言っても何が書いてあるかなんて、この距離だし見えないんだけどね。

「まぁ、用が片付いたら戻ってくるんだけど、ちょっと遠いし、急いだ方が良さそうだから、早めに休暇とろうかなって。で、もうすぐ長期の休暇でしょ? 他の先生に引き継ぐのも効率悪いし、長期の休みを前倒しにしちゃってもいいかなって。で、聞いたのよ」

「そもそも勝手にそんなことアマンダ先生が決めていいんですか?」

「一応許可は貰ってるわ。と言うか、引き継いでも短期間だし何を教えるの? って話にはなってるのよ。だから、そっちの心配はしなくていいわ。というか学校側としては、どっちかというなら休暇を前倒しして欲しいかも。私のせいで勝手な事になっちゃうから、本当に申し訳ないんだけど」

 その言葉に対して僕は首を横に振った。

「アマンダ先生、謝らないで下さい。正直、アマンダ先生担任で助かってますから。やりたい事も色々ありますし、気になさらないで下さい」

「そう? そう言って貰えると助かるわ。じゃあとりあえず明日からは授業は休みにさせてもらうわ。早速明日帰ることにさせてもらうわ」

 という訳だった。
 あれから数日経っているが、勿論やりたい事なんてなかった。ただの強がりである。勉強はリアが教えられる時間を増やせたけど、その分、僕一人の時間が増えてしまった。今までのリアと逆の立場になってしまったのだ。

 なーんてベッドの上で天井を眺めながら考えていると、扉がノックされてレオナの声が聞こえてきた。

「ご主人様? いらっしゃいますか? そろそろお昼ご飯でも如何かなと思いまして」

「え? もうそんな時間? いくいく!」

 と僕は部屋を飛び出したのだった。
 その食事中のこと、レオナがふと僕に話しかけてきた。

「ご主人様、せっかくの長期休暇だし何処か旅にでも出ませんか?」

「え? 旅? 良いけど何処か行きたいとこあるの?」

「うーん。それは無いんですけど……知り合いの家とか? そう言えばご主人様の家に行ったことないですね……」

「うーん……行きたいの?」

「お嫌なら別にいいんですけど……」

「嫌というか、別に帰るつもりも無いからね……」

 そこに気を利かせたリアがぐいっと会話に割り込んで来た。

「ま、まぁマスターの交友関係は狭すぎだからね。知り合いって言ったら、この街にいる人くらいじゃない?」

「酷い言いようだな、リア。この街じゃない人でも知り合いくらいいるよ?」

「じゃあ誰よ?」

「え、えっと……プラムとか? 王都にいるし」

「ほら、一人じゃん?」

「あ、あとは……今いないからアマンダ先生!」

「ってそれはこの街の人よ! ほら、知り合いなんかいないじゃない?」

 リアの指摘を受けて僕は黙り込んでしまう。

「でも、そうすると王都かアマンダ先生の故郷という事になりますわね。アマンダ先生の故郷の場所は知らないですから、王都に行きますか? 御主神様アインスさま?」

「えー。プラムに会いにいくの? だったらアマンダ先生の方がいいな……」

「でもワタクシ達、アマンダ先生の故郷が何処かなんて知らないですわよ? 素直に王都にした方が宜しいと思いますわ?」

 そこで僕は少しだけ考えてから口を開く。

「じゃあさ……キャロルさんだっけ? 同郷だって言ってたし、聞いてみようよ。長期の休暇で行けそうだったら行ってみよう。無理そうだったら他考えようよ。王都も含めてさ……それでいい?」

「まぁ、それでいいですけど……キャロルさんってお忙しいんじゃなくて? お会い出来ないかもしれないですわよ?」

「まぁそうかもしれないけど、とりあえず行ってみよう? 無理だったら何するか考える時間はあるんだしさ」

 と、僕たちはキャロルさんの元へに向かったのであった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

処理中です...