賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第九十二話 賢者カタリナ

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 全員の弔いが終わったあと、エミリアは洞窟の外までアインスたちに同行を願い出ると、アインスは快く同意した。
 帰りの道中はアインスとカタリナが前方、レオナとエミリアが後方、と言う形で道中は進んだのだった。

 アインスたちの様子を見たエミリアがボソリと呟いた。

「アインス君が指をさした方向に、カタリナさんが魔法を打つのね……アインス君の目がいいのかしら?」

「そう見えますか?」

 エミリアの漏らした呟きを聞いていたレオナが、エミリアにそう尋ねる。

「え? どういう意味?」

「いや、特に意味は何も無いですけど。いや、そうですね……単純にいつもこのメンバーなので、他の方のお話を聞けたことが無かったものなので……参考までにわたしたちってどう見えますか?」

「そうねぇ……アインス君がリーダーで、剣も持っているようだし、剣士か何かかしら。でも、カタリナさんの魔法で全部倒せちゃうみたいだから必要無いようにも見えるけど……なにせフェンリルウルフですら一瞬だからね。で、レオナさんは……ごめんなさい、メイドにしか見えないけど、メイドで冒険者なんてできっこないから、メイドな訳ないわよね」

 肩を竦めたエミリアに対してレオナは笑顔で答えた。

「いえ、わたしはご主人様……アインス様のメイドですよ。なのでそれで正解です」

「え? メイドなのに冒険者やってるの? まさか職位クラスもメイドな訳……」

 エミリアの言葉にレオナが笑顔で応えた。

「ってそうなの? 危険じゃないの? 怖くないの?」

「いえ、ご主人様のお近くが世界で一番安全ですから」

「ま、まぁカタリナさんの魔法を見たら、その気持ちもわかるけど……ってカタリナさんはさっきから青魔法ばかり使ってるけど青魔導士なの?」

 そう問われたレオナは一旦、エミリアと反対の方向を向いた。そして何故か一度頷いた後、エミリアの方に向き直り、答えたのだった。

「いえ、彼女は賢者です」

「え! う、嘘……まさか……でも、あの威力なら全然有り得る話ね……」

 エミリアは顎に手を当てて考え込んでしまった。
 実際には氷結が主体の魔法しか見ていないが、フェンリルウルフですら一瞬で葬り去る威力である。
 賢者の魔法をエミリアは見た事無いが、カタリナが他の魔法を使える可能性も高いと思った。そしてその威力も同様なのかもしれない。
 別に賢者を名乗られても、何も不思議は無いとエミリアは思ったのだった。

「なるほどね……賢者様か……それならあの威力も納得せざるを得ないわね……」

「あまり言いふらさないで下さいね? まだ学生なもので……」

「え! 確かに若いなって思ったけど、学生だったの?」

 口元に指を当てて語るレオナに、驚きの声をエミリアは返した。

「ま、まぁ……驚いたけど、分かったわ。命の恩人達の頼みだし…でも、言わないといけない状況だったりはごめんね。冒険者ギルドにだって報告しないといけないし。でも、なるべく伝えた相手にも口止めはするから……」

「ええ、別にそれくらいなら大丈夫です。カタリナが賢者で凄い魔法が使えるのは、知られて困る事ではないですから……」

 何故か含みのある言い回しをエミリアは疑問に感じたが、命の恩人でもあるし、それ以上の追求をする事は無かった。

 洞窟を出て、エミリアはアインスに話しかける。

「アインス君、本当にありがとね。でも、運が良かったわ。仲間たちには悪いけど……あの時話しかけてなかったら、あたしも死んでただろうし。この洞窟のこと、話して無かったら、君たちはここに来なかっただろうし。それにそもそも、間に合ったのだって運に過ぎないしね」

「いえ、間に合わなくてごめんなさい」

「アインス君が謝る必要無いわ。冒険者だもの、それくらいの覚悟は出来てるし、誤った選択で死んじゃっただけ。ってこないだあたしが話した事だったわね。まさか、逆の立場になるなんてね……
 ってだからアインス君が気に病む必要はないわ」

「そう言って貰えると助かります」

「ホントはお礼でもしなきゃいけないとこなんだけど、こんな状況だから……」

 それに対してアインスは、両手を顔の前で振って答えた。

「いえ、お礼とか欲しくて助けた訳じゃありませんから」

「とりあえず、街であったら気軽に話しかけてよ?」

「ありがとうございます」

「それじゃ、あたしはここまでで大丈夫だから。もう一回だけお礼を言わせて。ホントにありがとね」

 そう言ってエミリアはアインス達と別れたのだった。
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