賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第九十六話 失踪事件

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 部屋で一人、アマンダは村から届いた手紙を片手に、窓の外をぼんやりと見ながら考えていた。
 手紙はの差し出し人は父だった。内容はかい摘むと、どうも村で失踪事件が起きているらしく、その調査を手伝ってくれないか? との事であった。
 アマンダは村人の中でも腕が立ち、自身もそれを自覚していた。その自分へわざわざ依頼をしてくるということは、物騒な事が起きているのでは? と思い手紙が届くとすぐに向かった次第である。

 アマンダは別に故郷の村が嫌いという訳ではない。どちらかと言うと好きな方ではあった。しかし、好きだったのは雰囲気であり、村人が閉鎖的、排他的なところはどちらかというと嫌いだった。
 そこでアマンダはもっと色々な物を見聞きしたいということと、腕試しをしたいという思いもあり、目指す場所は違うが、同じような考えを持ったキャロルと、村を飛び出したのだった。

 それが十年以上前の話である。アマンダはいくつかの村や街を巡り、とある国の騎士団にも入った。そこでも副団長を務めるまでには至ったが結果的に、今はソフィアの街で教師をしている。それが数年前の話だ。

 そんな村に明日帰る。そう、十年以上ぶり、にだ。ここまで、ソフィアの街からはおよそ二週の旅だった。アマンダとしては事件をすぐに片付けるか目処をつけ、街に帰るつもりだった。
 十年やそこらで村の閉鎖的な環境は変わるわけはない。あまり長居はしたくない。本音だと頼まれでもしない限り、村に帰ってくるつもりなんて微塵も無かった。
 とはいっても、頼られた手前、無下に断る事も出来ずに帰ってきたのではあったが……

 しかし、実際に村に帰ると、状況は変わっていた。しかも願っていた方向とは真逆に、である。より閉鎖的になっていたのである。村は柵で囲まれ、物々しい雰囲気になっていた。
 事件がより悪い方向へと導いてしまっっていたのだった。

 そして、アマンダにとってもう一つ悪い事態が起きていた。

「え? ミリアもいなくなっちゃったの? お父さん?」

「ああ。つい三日前の事だ……まさかあいつもとは……」

 到着早々、父から妹のミリアも失踪していたことをアマンダは聞いた。ちなみにアマンダの父、フリックは自警団の団長を務めている。だから失踪事件について情報は集まってくるのだが、解決するにはあまりにも情報が少なすぎた。いつ何処で、といった情報は皆無だった。何せ誰も戻って来ていないのだから。気が付いたら消えていた。それだけの情報しかない……

「正直お手上げなんだ。理由もわからず消えてしまう。最初は子供たちだけだったが、最近は大人たちもなんだ……」

 父、フリックがそう述べた会話をアマンダは思い返していた。

「正直情報が少なすぎるのよね……手紙の内容だとすぐ片付くかと思ったけど……それよりも事態は悪化してるし……まさかミリアまでとなると……」

 と、悩んでいると、家に一人の男性がとても物々しい様子で訪ねてきた。
 
「おい! アマンダいるか? ちょっと来てくれ!」

 アマンダが急いで家を出ると、自警団に属する男性が一人立っていた。

「なんか怪しい奴らが村に来てる。お前の知り合いだって言ってるんだが……捕らえる前に一応、確認して貰えないか?」

「知り合い? 確かに怪しいわね。私を尋ねてくる知り合いなんていないはず……わかったわ。どちらかしら?」

 と、アマンダはその男の案内で村の入口に向かったのであった。
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