2 / 16
2
しおりを挟む
そう、ここはゲームの中の世界、私が生前楽しんでた乙女ゲームの世界。
その中でも私が転生したアイラは最悪のモブだった。プロローグの中でもう死が語られるような存在。王家の試練の最中に事故で死ぬ。もしくはその境遇から悪役令嬢として主人公のライバルとして、攻略対象の王子を奪い合うライバルになってしまう。そんな不遇の存在、どんなルートでも私が助かる道は存在しない……
「なーんて……ンなわけないわ! そもそも私、乙女ゲームとかやった事ないし! 生粋のRPGゲーマーだったしね!」
って、そんなワケはなかった。王子様とのラブロマンスを楽しむ未来など私にはない。ある訳ない! 良くある女の子向けの小説とかなら乙女ゲームのヒロイン! だとか、ライバルの悪役令嬢に転生! ってのが定番なんだろうけど、私の前世にはそんな華のある人生なんてモノは無かった。だから今生もそんなこと起きるはずもない。そう、私は生粋のRPGゲーマーだったのだから。
ただ同時に私はすぐにゲームの世界に転生したのがわかった。何故ならココを知ってるから、いや、知っているなんて生易しい物じゃない。知り尽くしていると言ってもいいと思う。この王家の試練で訪れる王家の墓のマップは死んでも覚えてる自信がある。というか、王家の墓だけじゃなくて、私のやりまくったゲームである『ルナティック・サーガ』シリーズなら隅々まで知り尽くしてるんだけどね。
「ま、確かに死んでも覚えてるわ。実際に死んじゃったみたいだしね」
私が最後に覚えてる生前であろう光景は、さっきの鉄骨がゆっくりと迫り来る光景。つまりはそういうことなんだろうな。あれで死んじゃったんだなって。
まあ、そんなことを考えても仕方ない。そんなことよりも大事なことがある。私の知る限りの知識で今の状況を整理しなきゃ。
「まず、私は15歳を迎えた王族が受ける王家の試練で、ここ、王家の墓に訪れた。そこまではおっけー。そして崩落事故に巻き込まれてお付きの冒険者は皆死んでる。うん。これもその通り。つまり一人で帰らなきゃいけない。私が今いるのは最下層の地下十階。この試練の目的地、ではあるけれどもここからたった一人で魔物が蔓延るダンジョン内を地上まで戻らなきゃいけない」
そう、ダンジョンの入口である一階と、今私がいるここ地下十階はモンスターが出ないけど、その間の地下一階から地下九階まではいっぱいモンスターが湧くのである。私はそんな中、一人で戻らなきゃいけない。
問題はそれが出来るのかってことだ。ちばみにゲームの中では私は冒険者側としてここに訪れる。王族の護衛としてね。で、今はその護衛が全滅なのである。
まあ、それは第18王女とかそんな細かい設定はなかったけれども。
んで、何万回とマップを覚えるほどに訪れたから知ってる。このダンジョンの特徴を。
「ここは序盤に発生する難関クエストで訪れるダンジョンの一つ。潜る時と出る時でモンスターのレベルが跳ね上がるのが特徴。潜る時に出現するモンスターのLvは1とか2ばっかりで無茶苦茶弱いのに、出る時は15を超える初見殺しのダンジョン。到達平均Lvは8くらい。Lv差が3を超えると厳しくなるゲームにおいて、Lv差7くらいだとまず全滅って寸法ね。って既に私以外は全滅なんですけどねー!」けどねー!」けどねー」
誰もいない空間に私のノリツッコミが木霊する。色々と寒い。いや、そこは今は一人だし深く考えないようにしよう。
実際私もリセットしまくってダンジョンの構造を覚えるくらい何万回と潜ったからね。ま、リセットしまくったのには別の理由があるのだけれども。
「と、その理由はおいといて。確認しておかなきゃいけないことがあるわね。嫌な予感はするけど。ま、とりあえず私の能力を確認しましょ」
そう、ここはゲームの世界であるなら大事なのはステータスだ。生きてく上でとっても大事。死ぬ訳にいかないからね。
ただ、これにはとぉーーーーーっても悪い予感がある。だから私はまずステータスを確認することにした。
その中でも私が転生したアイラは最悪のモブだった。プロローグの中でもう死が語られるような存在。王家の試練の最中に事故で死ぬ。もしくはその境遇から悪役令嬢として主人公のライバルとして、攻略対象の王子を奪い合うライバルになってしまう。そんな不遇の存在、どんなルートでも私が助かる道は存在しない……
「なーんて……ンなわけないわ! そもそも私、乙女ゲームとかやった事ないし! 生粋のRPGゲーマーだったしね!」
って、そんなワケはなかった。王子様とのラブロマンスを楽しむ未来など私にはない。ある訳ない! 良くある女の子向けの小説とかなら乙女ゲームのヒロイン! だとか、ライバルの悪役令嬢に転生! ってのが定番なんだろうけど、私の前世にはそんな華のある人生なんてモノは無かった。だから今生もそんなこと起きるはずもない。そう、私は生粋のRPGゲーマーだったのだから。
ただ同時に私はすぐにゲームの世界に転生したのがわかった。何故ならココを知ってるから、いや、知っているなんて生易しい物じゃない。知り尽くしていると言ってもいいと思う。この王家の試練で訪れる王家の墓のマップは死んでも覚えてる自信がある。というか、王家の墓だけじゃなくて、私のやりまくったゲームである『ルナティック・サーガ』シリーズなら隅々まで知り尽くしてるんだけどね。
「ま、確かに死んでも覚えてるわ。実際に死んじゃったみたいだしね」
私が最後に覚えてる生前であろう光景は、さっきの鉄骨がゆっくりと迫り来る光景。つまりはそういうことなんだろうな。あれで死んじゃったんだなって。
まあ、そんなことを考えても仕方ない。そんなことよりも大事なことがある。私の知る限りの知識で今の状況を整理しなきゃ。
「まず、私は15歳を迎えた王族が受ける王家の試練で、ここ、王家の墓に訪れた。そこまではおっけー。そして崩落事故に巻き込まれてお付きの冒険者は皆死んでる。うん。これもその通り。つまり一人で帰らなきゃいけない。私が今いるのは最下層の地下十階。この試練の目的地、ではあるけれどもここからたった一人で魔物が蔓延るダンジョン内を地上まで戻らなきゃいけない」
そう、ダンジョンの入口である一階と、今私がいるここ地下十階はモンスターが出ないけど、その間の地下一階から地下九階まではいっぱいモンスターが湧くのである。私はそんな中、一人で戻らなきゃいけない。
問題はそれが出来るのかってことだ。ちばみにゲームの中では私は冒険者側としてここに訪れる。王族の護衛としてね。で、今はその護衛が全滅なのである。
まあ、それは第18王女とかそんな細かい設定はなかったけれども。
んで、何万回とマップを覚えるほどに訪れたから知ってる。このダンジョンの特徴を。
「ここは序盤に発生する難関クエストで訪れるダンジョンの一つ。潜る時と出る時でモンスターのレベルが跳ね上がるのが特徴。潜る時に出現するモンスターのLvは1とか2ばっかりで無茶苦茶弱いのに、出る時は15を超える初見殺しのダンジョン。到達平均Lvは8くらい。Lv差が3を超えると厳しくなるゲームにおいて、Lv差7くらいだとまず全滅って寸法ね。って既に私以外は全滅なんですけどねー!」けどねー!」けどねー」
誰もいない空間に私のノリツッコミが木霊する。色々と寒い。いや、そこは今は一人だし深く考えないようにしよう。
実際私もリセットしまくってダンジョンの構造を覚えるくらい何万回と潜ったからね。ま、リセットしまくったのには別の理由があるのだけれども。
「と、その理由はおいといて。確認しておかなきゃいけないことがあるわね。嫌な予感はするけど。ま、とりあえず私の能力を確認しましょ」
そう、ここはゲームの世界であるなら大事なのはステータスだ。生きてく上でとっても大事。死ぬ訳にいかないからね。
ただ、これにはとぉーーーーーっても悪い予感がある。だから私はまずステータスを確認することにした。
76
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる