4 / 16
4
しおりを挟む
傍からみたら気でも狂ったかと思われるかもしれない。だってどう考えても絶望的な状況だから。
そう、普・通・な・ら・ね。
でも、私はちょっとだけ普通じゃない。正直、自覚はしてる。Lv1だしステータスは貧弱、なんなら普通ですらない。普通以下だ。でも、それはこの世界の人間としての普通。私が普通じゃないと自覚してるのは、ルナティック・サーガシリーズの全RTAの全レギュレーションにおいて、塗り替えられることの無い記録保持者だということ。ま、私が生きてた時だから死んじゃったらしい今は知らないけどね。それと別にRTAだけじゃない。低レベルクリアだって全ての記録は私が持ってる。私は普通とは言っちゃいけないくらい、超絶圧倒的に世界ランキング一位の人間だったということ。だから純粋に楽しくなってしまったから笑ってしまったのだった。
「あははは……はぁ、はぁ、はぁぁ」
私はひとしきり笑った。そしてゆっくりと深呼吸をしてから、こう口にした。
「なぁんだ。低レベルソロ縛りの真似事をすればいいだけね。そんな縛りじゃ目を瞑ってもクリア出来るわよ。しかもレギュレーション違反もないし、裏技もバグ技も何でも使い放題。その上経験値分配に気を割く必要も皆無だわ。って、余裕すぎるじゃない!?」
そう、結論は余裕。様々な縛りプレイで何度もこういう状況を乗り越えてきたし、抜け道も見つけてきた。しかも今回はわざわざそんな制限はする必要は一切無い。ま、Lvが1ってのが縛りプレイといえばそうなんだけどね。でも、そんな縛りは私にとって無いも同然。それどころか、レギュレーションも無いし、知ってる限りのバグ技だろうが裏ワザだろうがを使っても咎める人もいない。いや、使い放題と言っても過言じゃない。
既にこの状況を切り抜ける手段なんか簡単に思いついてる。なんならそれだけじゃないしね。
「ってかこの段階だと隠しボス扱いのアイツも倒せるわね……」
実はこの王家の墓にはゲーム内で二度訪れる。二回目はかなり後半、パーティーも育ちに育ちきった後に来る。で、その時にボスと戦うのだが、ある裏ワザでを使うとこの段階で戦うことも出来てしまう。
ただ、当然ながらボスの強さは変わらない。ストーリーも後半の育ちきったパーティーですら、普通に戦ったら全滅必至のボスなのに、こんな序盤で戦って勝てるはずなんかない。
逆に言えば普通じゃない戦い方なら勝てる。と言うワケだ。
で、当然ながら、その普通じゃない戦い方を私が知らない訳がない。というか、世界で最初に見つけたのは私だしね。
「当然、倒さないで帰るだけ、ってのも出来るけど。そんな普通なこと、この私がするはずないじゃない?」
私は誰もいない空間にビシッと指を伸ばしながらそう吠えた。ゲームの中ではこのボスをこの段階で倒すのにリセットしまくって運良く倒せるくらい。私は一万回以上はリセットしたかな? でも、今なら確実に倒せる。ならそんな楽しそうなことやらない理由がない。ただし一つ問題がある。
「でも、コレをやっちゃうととても時間がかかるのよねぇ」
そう、時間がかかるのよ。とっても、とーっても時間がかかるの。何せ普通ならこの段階じゃ戦えないボスなんだもん。スタッフが遊び心で入れただけ。恐らくね。だから誤って戦わないように手間がかかるようにしてある。戦っても勝てない、そもそも戦うのにも苦労するし気付かない。こんなことをするのなんかただの狂人でしかない。
さっきステータスを開くのは文字数稼ぎだとか何たらと思った手前、これをやるのは少しだけ気が引ける。何故なら仮に、そう仮にだけど、私がこれからやることを全部書いたとしたらとんでもないことになってしまうのを知ってるから。
「ううん。そんなの関係ないわ。駄女神にLv1にさせられたんだもん。バグ技だろうがゲームバランス崩そうが、好き勝手に生きるってさっき決めたんだもん。ホットランキングに載せる為ならば文字数稼ぎも辞さないわ」
まぁ文字数稼ぎと言うのは、仮にweb小説だったらという話。そう、仮に、ね。web小説の登場人物じゃない私には関係はないわ。でも、本当に仮にweb小説だとしたら、ページを飛ばすことをオススメするわね。これから暫くは馬鹿みたいに同じ話が延々と続くのだから。
「ヨシッ! やるわよ」
そして私は気合いを入れて腕を捲って奥の部屋に入り、その中心へと進んだ。そこに描かれてある魔法陣の中心に立つと、部屋の中に厳かな声が響き渡る。
『ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「嫌よ! 誓わないわ!」
まずは一回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「だから! 誓わないわ!」
次は二回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないってば!」
そして三回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないって言ってるでしょ!」
四回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「だから! 誓わないわ!」
五回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「はいはい、誓わない誓わない」
六回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓いませーん」
七回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
八回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
九回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
十回目。
そう、隠しボスを出す条件は、この永遠と続くと思われるループを繰り返すこと。その数実に334回。某野球チームとは一切関係ない。ただ無茶苦茶時間がかかるのもわかるだろう。で、結果倒せないボスと戦うことができるというご褒美が与えられる。やる方もやる方だが、そんな事考えて実装する方も実装する方だ。間違いなくどちらも狂人だと言えると思うわよ。
つまりこれがあと324回も続くという事……
そんな私の気苦労もまるで知らないかのように機械的に声が部屋に木霊する。
あ、仮にこれがweb小説だったとしたら、ここから先の何も変わり映えの無い文章を絶対に読んではダメね。
そう、普・通・な・ら・ね。
でも、私はちょっとだけ普通じゃない。正直、自覚はしてる。Lv1だしステータスは貧弱、なんなら普通ですらない。普通以下だ。でも、それはこの世界の人間としての普通。私が普通じゃないと自覚してるのは、ルナティック・サーガシリーズの全RTAの全レギュレーションにおいて、塗り替えられることの無い記録保持者だということ。ま、私が生きてた時だから死んじゃったらしい今は知らないけどね。それと別にRTAだけじゃない。低レベルクリアだって全ての記録は私が持ってる。私は普通とは言っちゃいけないくらい、超絶圧倒的に世界ランキング一位の人間だったということ。だから純粋に楽しくなってしまったから笑ってしまったのだった。
「あははは……はぁ、はぁ、はぁぁ」
私はひとしきり笑った。そしてゆっくりと深呼吸をしてから、こう口にした。
「なぁんだ。低レベルソロ縛りの真似事をすればいいだけね。そんな縛りじゃ目を瞑ってもクリア出来るわよ。しかもレギュレーション違反もないし、裏技もバグ技も何でも使い放題。その上経験値分配に気を割く必要も皆無だわ。って、余裕すぎるじゃない!?」
そう、結論は余裕。様々な縛りプレイで何度もこういう状況を乗り越えてきたし、抜け道も見つけてきた。しかも今回はわざわざそんな制限はする必要は一切無い。ま、Lvが1ってのが縛りプレイといえばそうなんだけどね。でも、そんな縛りは私にとって無いも同然。それどころか、レギュレーションも無いし、知ってる限りのバグ技だろうが裏ワザだろうがを使っても咎める人もいない。いや、使い放題と言っても過言じゃない。
既にこの状況を切り抜ける手段なんか簡単に思いついてる。なんならそれだけじゃないしね。
「ってかこの段階だと隠しボス扱いのアイツも倒せるわね……」
実はこの王家の墓にはゲーム内で二度訪れる。二回目はかなり後半、パーティーも育ちに育ちきった後に来る。で、その時にボスと戦うのだが、ある裏ワザでを使うとこの段階で戦うことも出来てしまう。
ただ、当然ながらボスの強さは変わらない。ストーリーも後半の育ちきったパーティーですら、普通に戦ったら全滅必至のボスなのに、こんな序盤で戦って勝てるはずなんかない。
逆に言えば普通じゃない戦い方なら勝てる。と言うワケだ。
で、当然ながら、その普通じゃない戦い方を私が知らない訳がない。というか、世界で最初に見つけたのは私だしね。
「当然、倒さないで帰るだけ、ってのも出来るけど。そんな普通なこと、この私がするはずないじゃない?」
私は誰もいない空間にビシッと指を伸ばしながらそう吠えた。ゲームの中ではこのボスをこの段階で倒すのにリセットしまくって運良く倒せるくらい。私は一万回以上はリセットしたかな? でも、今なら確実に倒せる。ならそんな楽しそうなことやらない理由がない。ただし一つ問題がある。
「でも、コレをやっちゃうととても時間がかかるのよねぇ」
そう、時間がかかるのよ。とっても、とーっても時間がかかるの。何せ普通ならこの段階じゃ戦えないボスなんだもん。スタッフが遊び心で入れただけ。恐らくね。だから誤って戦わないように手間がかかるようにしてある。戦っても勝てない、そもそも戦うのにも苦労するし気付かない。こんなことをするのなんかただの狂人でしかない。
さっきステータスを開くのは文字数稼ぎだとか何たらと思った手前、これをやるのは少しだけ気が引ける。何故なら仮に、そう仮にだけど、私がこれからやることを全部書いたとしたらとんでもないことになってしまうのを知ってるから。
「ううん。そんなの関係ないわ。駄女神にLv1にさせられたんだもん。バグ技だろうがゲームバランス崩そうが、好き勝手に生きるってさっき決めたんだもん。ホットランキングに載せる為ならば文字数稼ぎも辞さないわ」
まぁ文字数稼ぎと言うのは、仮にweb小説だったらという話。そう、仮に、ね。web小説の登場人物じゃない私には関係はないわ。でも、本当に仮にweb小説だとしたら、ページを飛ばすことをオススメするわね。これから暫くは馬鹿みたいに同じ話が延々と続くのだから。
「ヨシッ! やるわよ」
そして私は気合いを入れて腕を捲って奥の部屋に入り、その中心へと進んだ。そこに描かれてある魔法陣の中心に立つと、部屋の中に厳かな声が響き渡る。
『ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「嫌よ! 誓わないわ!」
まずは一回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「だから! 誓わないわ!」
次は二回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないってば!」
そして三回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないって言ってるでしょ!」
四回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「だから! 誓わないわ!」
五回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「はいはい、誓わない誓わない」
六回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓いませーん」
七回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
八回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
九回目。
『ふむ、よく聞こえなかったぞ? まさか誓わない訳あるまい。もう一度問おう。ファンダール王家に名を連ねるモノよ。汝、ファンダールの繁栄が為にその身を捧げることを誓うか?』
「誓わないです」
十回目。
そう、隠しボスを出す条件は、この永遠と続くと思われるループを繰り返すこと。その数実に334回。某野球チームとは一切関係ない。ただ無茶苦茶時間がかかるのもわかるだろう。で、結果倒せないボスと戦うことができるというご褒美が与えられる。やる方もやる方だが、そんな事考えて実装する方も実装する方だ。間違いなくどちらも狂人だと言えると思うわよ。
つまりこれがあと324回も続くという事……
そんな私の気苦労もまるで知らないかのように機械的に声が部屋に木霊する。
あ、仮にこれがweb小説だったとしたら、ここから先の何も変わり映えの無い文章を絶対に読んではダメね。
72
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる