縁の鎖

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王太子と侍女

拒絶

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コンコンコン。ガチャ。

「失礼いたします。お食事をお持ちいたしました。!?」

実の父が、公爵である父が、大公と呼ばれる父が、数人の護衛兵に取り押さえられている。

「・・・お・・とぅ・さ・ま・・・!?」


父が私を気にかけてくれた事など無かった。
私を見る目は何時も、怒りと憎しみが籠もっていた。

「お前が、私の娘を、可愛いフィリーを、愛おしいフィリーを貶めた侍女だなぁーーーー!!殺してやる!!」

罵倒されても、存在を否定されても、蔑ろにされても、睨み付けられる事はあっても、と口にされた事は無かった。


「ドルミール・ポワン・フェルメ!」
『な、何!?どうなっているの!?お父様が捕らえられた!?殿下は、お父様に何をなさったの?暴れていた、お父様が眠っている??』

ただ、カーネリアン王太子殿下が、父にをして眠らせた事だけは理解できた。
目の前で何が起きたのか、あまりの事に私の頭はショート寸前だった。

震える体に鞭打って、奮い立たせる。


「た、大変、しっ、しっ、失礼いたしました!お、お、お、お取込中のところを、お、邪魔しました!」

その場から逃げ出した。
足早にアルミナの居る屋根裏部屋へ向かう。



後ろから呼び止める声も耳にはいらず、茫然自失で。
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