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軽く唇を重ねて、離して、また重ねて。
菜穂の唇を割った将馬の舌が口腔に押し入ってくる。
嬲られる口の端から唾液があふれ、漏れる息が熱くなっていく。
キスをしているだけで頭の中が溶けていった。
「……菜穂……」
「は、はい!」
陶然としていたら、彼は唇を離して苦笑を浮かべた。
「あんたも応えろよ。キスの仕方も知らないわけじゃないだろ?」
「え、あ、ごめんなさい」
十二年前の彼氏ともキスはしていた。
(でも舌なんて入れてたかな? 無理矢理入れられたことはあった?)
再び唇が重なる。菜穂はおそるおそる舌を伸ばした。
将馬の唇が開かない。そっと目を開けて見ると、笑いを堪えるような表情だ。
(か、からかわれてる!)
それでも懸命に舌を動かしていたら、彼の舌が戻ってきた。
とはいえ一筋縄ではいかない。
絡めようとしても逃げるし、向こうの口腔へ伸ばそうとしたら邪魔をされる。
(……もう)
ムキになって動かすうちに、また頭が蕩けてきた。
言われたからではなく、彼が欲しくて伸ばした舌に慣れた舌が絡みつく。
唾液と熱い吐息、蠢く舌に翻弄される。
口腔だけでいっぱいなのに、尖った乳首に触れられて、菜穂は仰け反った。
「……ん、ん……」
唇は捕らわれたままだ。
仰け反った隙に差し込まれた手が、菜穂の背中を、敏感な首や耳の後ろを、骨ばった指先で蹂躙した。触れるか触れないかの位置で動いて意識を集中させられたかと思えば、爪先で突かれて刺激される。長い指が強い力で肌に食い込む。
唇から始まった熱が全身に広がっていく。
将馬のもういっぽうの手は、菜穂の乳首を玩んでいた。
指先でつまみ、転がし、潰す。
気持ちイイけれど、もどかしかった。
触れられていない乳首が痛いほど尖っていく。
(おかしくなりそう……)
食事をしたり風呂に入ったりしても全身が心地良くなる。
でも今受けている快感は、そういったものとは違った。
激しく熱く、部分部分で高まって体中に広がり、菜穂を支配する。
「ふぁうんっ」
将馬の唇が離れて、菜穂は淫らな喘ぎを聞いた。
こんな声が出せるなんて、自分でも知らなかった。
前の手で乳房、背中の手を下ろして臀部を強く揉みしごきながら、彼はふたりの唾液に濡れた唇で、これまで放置されてきたほうの乳首にむしゃぶりついた。
激しく吸われたかと思えば、優しく舌でいじられる。
「やっ、やあっ……んぅ」
潤んだ瞳を閉じると暗闇の中、淫靡な悦びが鮮明になった。溺れてしまう。
「あっ、ふぅ、あぁんっ!」
頭の中で小さな火花が飛んで、菜穂は胸を苛む男の頭を抱き締めた。
菜穂の唇を割った将馬の舌が口腔に押し入ってくる。
嬲られる口の端から唾液があふれ、漏れる息が熱くなっていく。
キスをしているだけで頭の中が溶けていった。
「……菜穂……」
「は、はい!」
陶然としていたら、彼は唇を離して苦笑を浮かべた。
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「え、あ、ごめんなさい」
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再び唇が重なる。菜穂はおそるおそる舌を伸ばした。
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(か、からかわれてる!)
それでも懸命に舌を動かしていたら、彼の舌が戻ってきた。
とはいえ一筋縄ではいかない。
絡めようとしても逃げるし、向こうの口腔へ伸ばそうとしたら邪魔をされる。
(……もう)
ムキになって動かすうちに、また頭が蕩けてきた。
言われたからではなく、彼が欲しくて伸ばした舌に慣れた舌が絡みつく。
唾液と熱い吐息、蠢く舌に翻弄される。
口腔だけでいっぱいなのに、尖った乳首に触れられて、菜穂は仰け反った。
「……ん、ん……」
唇は捕らわれたままだ。
仰け反った隙に差し込まれた手が、菜穂の背中を、敏感な首や耳の後ろを、骨ばった指先で蹂躙した。触れるか触れないかの位置で動いて意識を集中させられたかと思えば、爪先で突かれて刺激される。長い指が強い力で肌に食い込む。
唇から始まった熱が全身に広がっていく。
将馬のもういっぽうの手は、菜穂の乳首を玩んでいた。
指先でつまみ、転がし、潰す。
気持ちイイけれど、もどかしかった。
触れられていない乳首が痛いほど尖っていく。
(おかしくなりそう……)
食事をしたり風呂に入ったりしても全身が心地良くなる。
でも今受けている快感は、そういったものとは違った。
激しく熱く、部分部分で高まって体中に広がり、菜穂を支配する。
「ふぁうんっ」
将馬の唇が離れて、菜穂は淫らな喘ぎを聞いた。
こんな声が出せるなんて、自分でも知らなかった。
前の手で乳房、背中の手を下ろして臀部を強く揉みしごきながら、彼はふたりの唾液に濡れた唇で、これまで放置されてきたほうの乳首にむしゃぶりついた。
激しく吸われたかと思えば、優しく舌でいじられる。
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「あっ、ふぅ、あぁんっ!」
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