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第7章 ひとときの日常休暇編
【雇用№108】リュウとチルのデート6
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「そんなことする訳ないじゃないか。チル。僕たちは家族だろう。大事な人達をおいて、はい、サヨナラなんて出来る訳がないじゃないか。帰れることが出来るんなら、きっとまた、こちらに戻ってくる方法もある。もしも、心配なら向こうに行く時にチルも一緒に行くかい?」
「えっ、いいの。行くよ行く行く。絶対着いて行くよ。約束だよ。リュウ兄ちゃん。はいっ」
とチルが身体を乗り出して、両膝をボートにつけながら小指を、出してきた。これは、あれですか?いわゆる約束の時にお馴染みの。僕もボートの上に立たないように四つん這いでチルの方に近づいて小指を出して、チルの小指と絡ませた。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った」
とお互いの指を離して、お互いボートの端まで戻っていった。それにしてもどういうことだろう?なぜ日本の古来から伝わっている言葉が一言一句同じなんだ?
「ふふふっ、リュウ兄ちゃんと約束しちゃった。」
まーそんなささいなことは置いとくか兄貴分として、チルがこれだけ喜んでくれているなら、今は水をささないでおこう。
「ぎゅるるるるーっ」
せっかくのデート中なのにも関わらずお腹の音が鳴ってしまった。ここにはチルと僕しかいない。雑音や喧騒なんかも全くない。そう、誤魔化す術はないんだ。
「あーっ、せっかくのいいムードなのにすまん。」
「ふふっ、リュウさんたら、お腹空いちゃったんですか?朝あれだけ沢山食べたのに。」
「まーそうなんだよな。チルさんはお腹空いてない?」
「そうですね。そろそろお昼の時間ですし、お昼にしましょうか。」
「よかったー。実はもう、お腹空き過ぎてぺこぺこで。いつもはこんなことないんだけどね。じゃー、町に戻ってどこか食べに行こうか。」
僕は、オールを掴んで岸に向かおうとする。そこへ、チルがオールを掴む手を握ってきた。
「リュウさん。お昼なら、町に行かなくても大丈夫ですよ。」
えっ、どういうこと?まさか、今から魚でも釣って現地調達&野外クッキングを、開始するってこと。
「えーと、魚でも釣るの?」
「それも楽しそうでいいですね。でも、それだとリュウさんのお腹がもたないでしょう」
チルは異空間に繋げて、藤の箱を取り出してきた。
「じゃっじゃーん。リュウさんが色々と準備してくれたのと同じくらい私も気合い入れて準備してみました。これお昼のお弁当です。」
さっそういえば、そうだった。僕が精霊術で異空間にものを出し入れ出来るように、チルも同じことが出来るんだった。それにしても、凄い量のボリュームと種類だこの量をいつ作ってたんだ?起きた時には、それらしい形跡はなかったのに。
「チルさんありがとう。とっても美味しそうだね。食べていい」
「ええ、そのために作ったんですもの、どうぞ沢山お食べになって下さいね。」
僕は、チルのお弁当を食べ出した。僕がいつも食べている料理で、おかわりしているもの、好きだと言ったもの、そのほとんどが入っている。クーラーの魔法をかけて入れてあったのか、食材か傷んでることもなく、食べられる。
ちなみに僕ももしもの時のために、食べられるものはいくつか用意して、異空間に入れてある。熊のお肉とか、熊のジャーキーとか、携帯食料とか。とてもではないがデートで食べるようなものではない。
「美味しい!冷たくなっても美味しく食べれるようになってる。」
「ふふっ、そうでしょ。もっと褒めてね。リュウさん。私、ウェルザに頼み込んで色々と、覚めても美味しい料理習ったんだから。」
「そうだったんだありがとうね。チル。それにしてもいつから、習ってたんだい」
「薬樹の森から帰ってからですね。リュウさんが、モグラのように地下を掘って、色々な部屋をデザインしている間にお昼や夜のご飯をウェルザさんと一緒に作ってたときにですね。」
それから、僕とチルはお弁当をつま見ながらだわいない話をした。
「ふー。お腹いっぱいだ。ご馳走様。流石にもう何が出てきても入らんぞ。」
「そりゃ、そうですよ。リュウさん、軽く3~4人前はあったのに全部食べちゃったんですから。」
「いや~、お弁当が美味しかったからね。それに、チルがせっかく作ってくれた料理を残すなんて勿体無いじゃないか」
「もーっ、それでお腹壊したら意味ないんですよ。」
「ははっ、ごめんごめん。でも大丈夫だよ。ただちょっとお腹いっぱいになったから眠くなってきたのが問題だけど。」
「それは私も同感です。お日様が出ててポカポカしてあったかいですし、このままお昼寝しましょう。」
「助かった。寝不足も相まって、ちょっともう起きていられないんだ。お休み。ぐーっぐーっ」
「リュウさん。いくらなんでも寝るのが早すぎますよ。んもーっ、ふぁーっ、いけない。私も朝早く起きてお弁当の準備してたから、限界だったんだ。芝生の上でお昼寝する予定だだったんだけど、ボートの上も波に揺られて、いい感じだし、ここでもいっか。ただ、流石にリュウにいちゃんに足を向けて寝るのはNGだよね。ということで、ちょっと失礼しますよ。リュウ兄ちゃん。」
ごそごそとボートの上を四つん這いにして、リュウの隣まで行って側で寝転がった。
「今日ぐらいは隣で寝てもいいよね。ボートの上だし、狭いから。それにデートだもん。腕かりるね。」
チルは僕の右腕を枕がわりにしてスヤスヤとお昼寝に入っていった。
「えっ、いいの。行くよ行く行く。絶対着いて行くよ。約束だよ。リュウ兄ちゃん。はいっ」
とチルが身体を乗り出して、両膝をボートにつけながら小指を、出してきた。これは、あれですか?いわゆる約束の時にお馴染みの。僕もボートの上に立たないように四つん這いでチルの方に近づいて小指を出して、チルの小指と絡ませた。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った」
とお互いの指を離して、お互いボートの端まで戻っていった。それにしてもどういうことだろう?なぜ日本の古来から伝わっている言葉が一言一句同じなんだ?
「ふふふっ、リュウ兄ちゃんと約束しちゃった。」
まーそんなささいなことは置いとくか兄貴分として、チルがこれだけ喜んでくれているなら、今は水をささないでおこう。
「ぎゅるるるるーっ」
せっかくのデート中なのにも関わらずお腹の音が鳴ってしまった。ここにはチルと僕しかいない。雑音や喧騒なんかも全くない。そう、誤魔化す術はないんだ。
「あーっ、せっかくのいいムードなのにすまん。」
「ふふっ、リュウさんたら、お腹空いちゃったんですか?朝あれだけ沢山食べたのに。」
「まーそうなんだよな。チルさんはお腹空いてない?」
「そうですね。そろそろお昼の時間ですし、お昼にしましょうか。」
「よかったー。実はもう、お腹空き過ぎてぺこぺこで。いつもはこんなことないんだけどね。じゃー、町に戻ってどこか食べに行こうか。」
僕は、オールを掴んで岸に向かおうとする。そこへ、チルがオールを掴む手を握ってきた。
「リュウさん。お昼なら、町に行かなくても大丈夫ですよ。」
えっ、どういうこと?まさか、今から魚でも釣って現地調達&野外クッキングを、開始するってこと。
「えーと、魚でも釣るの?」
「それも楽しそうでいいですね。でも、それだとリュウさんのお腹がもたないでしょう」
チルは異空間に繋げて、藤の箱を取り出してきた。
「じゃっじゃーん。リュウさんが色々と準備してくれたのと同じくらい私も気合い入れて準備してみました。これお昼のお弁当です。」
さっそういえば、そうだった。僕が精霊術で異空間にものを出し入れ出来るように、チルも同じことが出来るんだった。それにしても、凄い量のボリュームと種類だこの量をいつ作ってたんだ?起きた時には、それらしい形跡はなかったのに。
「チルさんありがとう。とっても美味しそうだね。食べていい」
「ええ、そのために作ったんですもの、どうぞ沢山お食べになって下さいね。」
僕は、チルのお弁当を食べ出した。僕がいつも食べている料理で、おかわりしているもの、好きだと言ったもの、そのほとんどが入っている。クーラーの魔法をかけて入れてあったのか、食材か傷んでることもなく、食べられる。
ちなみに僕ももしもの時のために、食べられるものはいくつか用意して、異空間に入れてある。熊のお肉とか、熊のジャーキーとか、携帯食料とか。とてもではないがデートで食べるようなものではない。
「美味しい!冷たくなっても美味しく食べれるようになってる。」
「ふふっ、そうでしょ。もっと褒めてね。リュウさん。私、ウェルザに頼み込んで色々と、覚めても美味しい料理習ったんだから。」
「そうだったんだありがとうね。チル。それにしてもいつから、習ってたんだい」
「薬樹の森から帰ってからですね。リュウさんが、モグラのように地下を掘って、色々な部屋をデザインしている間にお昼や夜のご飯をウェルザさんと一緒に作ってたときにですね。」
それから、僕とチルはお弁当をつま見ながらだわいない話をした。
「ふー。お腹いっぱいだ。ご馳走様。流石にもう何が出てきても入らんぞ。」
「そりゃ、そうですよ。リュウさん、軽く3~4人前はあったのに全部食べちゃったんですから。」
「いや~、お弁当が美味しかったからね。それに、チルがせっかく作ってくれた料理を残すなんて勿体無いじゃないか」
「もーっ、それでお腹壊したら意味ないんですよ。」
「ははっ、ごめんごめん。でも大丈夫だよ。ただちょっとお腹いっぱいになったから眠くなってきたのが問題だけど。」
「それは私も同感です。お日様が出ててポカポカしてあったかいですし、このままお昼寝しましょう。」
「助かった。寝不足も相まって、ちょっともう起きていられないんだ。お休み。ぐーっぐーっ」
「リュウさん。いくらなんでも寝るのが早すぎますよ。んもーっ、ふぁーっ、いけない。私も朝早く起きてお弁当の準備してたから、限界だったんだ。芝生の上でお昼寝する予定だだったんだけど、ボートの上も波に揺られて、いい感じだし、ここでもいっか。ただ、流石にリュウにいちゃんに足を向けて寝るのはNGだよね。ということで、ちょっと失礼しますよ。リュウ兄ちゃん。」
ごそごそとボートの上を四つん這いにして、リュウの隣まで行って側で寝転がった。
「今日ぐらいは隣で寝てもいいよね。ボートの上だし、狭いから。それにデートだもん。腕かりるね。」
チルは僕の右腕を枕がわりにしてスヤスヤとお昼寝に入っていった。
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