【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

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第8章 変わってしまう日常編

【雇用№138】魔族襲撃 後始末編11

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  流石にチルは横に置いておいても、僕には愛ちゃんがいるから、エルザさんのデート権はもらっても嬉しいけど使うことはないから、別の方がいいよね。

「でっでしたら、うちの課長との一日デート権はいかがでしょうか?勿論朝までつけます。イケメンですので、巷の奥様がたにも評判は良いですよ。」

「うーん、そうねー………。」

 おっとー、ウェルザさんが考え込んでいる?未亡人で長いこといるから、そういう相手は必要なんだろうか?ウェルザさんは身持ちが固いように見えるから、かなり驚きな状況ですね。

「もったいないけどらそちらもご遠慮させて頂くは。そうねー、デートはないけど人手は貸してもらえるならほしいわね。ほらっ、お水やりとか、薬草の採取とか、ポーション作りとか色々あるじゃない?今の畑の面積だとあなたの言っている量を賄うのは難しいわ。農園の面積拡張も必要だし、人手もその分欲しいわね。でも、先程も言ったけど、うちはもう余分な資金がないのよね。」

「分かりました。ではドラゴンファームさんに隣接する国の管理の土地を無償で、その増産中は無料でお貸し致します。その後は、返却して頂くなり、そのまま賃貸でご利用するなりお任せします。人手の方はですね…………。私は流石に先程も言った通り役所のお仕事で手一杯ですので、お手伝いすることは出来ません。あのご相談ですが、健康な方でなくとも良いですか?」

「あら、エルザさん。悪いわね無理言っちゃったみたいで。それに健康な方でなくてもというのは?」


「いえいえ、私共の方が無理を言っておりますから、この程度のことは………。その今回の襲撃の件で、身体に負傷したものが沢山出ましたので、今までしてきた仕事も出来ない人が増えたのですよ。それに親御さんが亡くなった子供さんとか、勿論役所としてもその方達に手厚いフォローは致しますが、その方達にもお仕事を提供したくて………。」

「そうなのね。それは可哀想だわ。でも、うちもそれ程余裕がある訳ではないのよ。お仕事は、お願いしたいけど満足なお給与は残念だけどあげられそうにないわ。」

 と言ってウェルザさんがチラッとエルザさんに視線を向ける。

「うむむむむむ………。では、ポーションの買取価格を先月分より増えた分に関しては、10%増しで買い取りします。ですので、どうか3名ほどアルバイト雇用でお願いします。」

「うーん、エルザさんもう一声20%」

「いえいえそれでは役所の予算がかなり厳しいです。12%!」

「18%」

「13%」

「17%」

「15%これ以上は私の権限では難しいです。」

「分かりましたわ。では、15%で手を打ちましょう。」

 エルザさんとウェルザさんがお互いに納得したのか、どちらかともなく、手を差し出し握手する。

 思わず拍手したくなる。僕では、初回の泣き落としと、デート権で完全に落とされている。デート権はもらっても使わないから、実質こちらの負担が増えるだけで急ぎの無茶な案件に対する報酬を得てないことになる。

 従業員に普段より倍近い仕事をしてもらう訳でから、こちらとしてもボーナスは出してあげないとという所である。僕だとボーナスは0。ウェルザさんだと、ボーナスはいくらか分からないが多少は出る。経営者として、大きな差を感じる。

 お正月に休みなのに休出して、特別手当の日当が出るか出ないかの差だろう。普通の休出手当なら、わざわざ世間様がお休みの日に出たくはない。だけど、特別手当が出るのなら、少し惹かれるものがあるのではという所だろう。

 そのためには特別な料金が必要だ。こういう交渉が出来ないと、社員に喜んでやってもらうことは出来ないなー。勉強になる。

 その後も僕は蚊帳の外で、ウェルザさんとエルザさんの二人でお話をトントンと進めていった。エルザさんも先程まで泣いていたのがまるで嘘かの様に、笑顔でお花を進めている。涙は女の武器とはよく言ったものだ。

 あれその割に愛ちゃんが涙を見せたことは、まだなかったな。愛ちゃんには笑っていて欲しいから、これからも涙は見ることはないといいかな。

 お話が終わった様で軽く会釈をして、エルザさんは帰って行った。

「さぁ、リュウさん。これからドラゴンファームはどんどん忙しくなりますよ。頑張って行きましょうね。」

 ウェルザさん、ドバッと山の様に仕事が増えたのに満面の笑みである。どっどうしてだ?これは普通ならこれから徹夜パーティが毎日行われる行事なのに?何でこんなにテンションが高いのですか?もしかして、マゾですか?アドレナリンがバンバンでて、ハイテンション状態でトランス状態に陥ってます?

「ウェルザさん元気そうですね。僕はこれからのことを考えると胃が痛いですよ。僕が言えたことではないのですが、断った方が良かったんじゃないですか?量も期限もとんでもないですし。」
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