【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

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第8章 変わってしまう日常編

【雇用№156】精霊樹の斧と魔霊樹討伐5

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  ぽかーんとした感じで僕はチルを見つめる。

 この子は一体なにを言っているのだろうか?あっ。。。

「すみません。まだ話してませんでしたが、メィデインさん以外は僕と一緒に転移ゲートが開くタイミングに準備をして、魔族に奇襲をかける予定です。」

「おお、なるほど、時間が読めるのでしたら、今まで不意をつかれていたものを逆に不意をつくことが出来ますな。」

「リュウさん。それはいいアイデアですわ。それで、私達もモニカも一緒に転移ゲートの近くまで行く形ですか?」

 ちょっとウェルザさんが喜んでいる様な、不安のような心配そうな感じである。自分だけでなく、小さな愛娘まで一緒に行って戦うのだから心配するのも当然のことか。

「まだ具体的にどうするかまでは煮詰められていないので、皆さんのご意見ももらえたらと思ってます。簡単な構想としては、増幅の魔法陣で特大の魔法を、転移ゲートが出てきた瞬間に魔法陣に向けて放つ。これで、デーモン以下は一網打尽で討伐する。撃ち漏らした魔族は、追撃戦で討伐するって考えです。ちなみに、特大魔法に関してはこれから作る予定です。」

「リュウさん。では私達は、リュウさんが撃ち漏らした魔族の迎撃隊として活動するお話ですね。」

「ええ、そうなります。魔法が減衰すると危ないので、極力近場から放つつもりです。」

「てことは、リュウ兄ちゃん。前みたいに空飛ぶリヤカーか魔法の絨毯に乗ってみんなで移動するってこと?」

「一応そのつもりで考えている。」

「ということは、リュウ殿。リヤカーと魔法陣を人数分乗れる様に大きなものを用意する必要がございますな。」

「それにリュウさん、大きなものを作った場合に、まとめている高さまで移動出来るのか?と、機動性の問題がありますわ。大きなもの程、移動や方向転換が難しいかと思います。」

「それも確かにありますね。」

「そもそも迎撃用でしたら、一つのものに乗らずとも複数の魔法の絨毯に乗れば良いのではないですか?」

「奥様、空を飛ぶ系の魔法はいささかコントロールが難しく、慣れていないものは、空に浮くのも困難かと思います。」


「セバリンそうですの?では、現時点で空を飛べる魔法を使えるものは何人くらいいるのかしら?」

 僕とセバリンさんの二人だけが手をあげる。

「二人だけなの。それはこころもとないですね。」

「奥様、私は空を飛べると言っても最大で地表より50cmと言った所でございます。」

「それは………セバリン今回の作戦を考えると難しいわね。」

「ええ、奥様その通りでございます。地表からゆうに10m以上はあるかと存じます。私の魔法では今回の作戦に組み込むのは厳しいと言わざるを得ませんな。」

「では、実質はリュウさん一人ということになりますね。魔法の絨毯や空飛ぶリヤカーを使うとして、何人ぐらい乗れるものなのかしら?」

「私も実際に使用した人数は、チルと僕の時だけですので、2名ですね。前回の魔族襲撃の時の高さがおそらく5m程で運用したのが最高記録になります。」

「出したら、まずリュウさんは安定して魔法陣に乗って10mの高さを飛行できる様にした方が良いですね。それもチルさんと二人で。ますはそれが難なく出来る様になってから次のステップへ移った方が良いかと思いますわ。」

「確かにウェルザさんのおっしゃる通りですね。それに加えて極大魔法の開発もですね。」

「そうなりますわね。時間もそれほどある訳ではありませんので、リュウさんはそちらをメインに行ってくださいませ。」

「はい、分かりました」

「チルさんは、これまで一番私達よりもリュウさんのお側で戦ってきましたから、私達が一緒に行くよりもリュウさんの戦闘に合わせられると思います。極大魔法がどの様なものになるか分かりませんが、チルさんにも、空飛ぶ魔法の絨毯とリヤカーの魔法を練習してもらってもしもの時は、リュウさんに変わって使用してもらえたらと思います。」

「うん、ウェルザさん私に任せて。リュウ兄ちゃんは私が絶対に守るよ。空飛ぶ絨毯の魔法はセバリンさん教えてもらえるかな。リュウ兄ちゃんが魔法の開発をしている時になるべく練習せておきたいの。」

「ええ、チルさん。私が教えて差し上げますぞ。私も少しでもご協力出来る様に空を飛ぶ練度を挙げておきます。」

 ノエルが触れられずに少しショボンとしている。それに気づいたウェルザさんがすかさずフォローをいれる。

「ノエルちゃんもリュウさんと一緒にいてあげてね。ティタニアちゃんと一緒の妖精さんだから、魔族が来たら、すぐリュウさんに知らせて、迎撃準備に移って下さいね」

「はい、パパと一緒に頑張ります」

 
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