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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№175】完成した賢者の素4
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「とまーそんな感じになる訳だ。僕と愛ちゃんは段取りが済み次第女神フェリシアに会いに行く。」
「リュウ兄ちゃん。すごいね。流石勇者様って感じだね。で、なーんで、愛さんとリュウ兄ちゃんの二人だけなのかな?私とノエルちゃんは?」
チルが笑っているけど、視線がとっても冷たい。
「パパ、ノエルは、どこまでもパパについて行くってお話しました。どこでもは、神界でも、パパの元いた世界でも、です!」
ノエルも偉くご立腹の様で、言葉の端々にイライラが立ち込めている。
「二人ともごめんごめん。僕たち二人は、神界に行ったことがあるからね。」
「チルちゃん、ノエルちゃん。そうなんです。神界に行って二人にどんな悪影響があるか分かりませんから。」
「愛さん、悪影響って例えばどんな?」
「そうな、例えば、最悪なケースだと、存在そのものが消えてしまうとか?呼吸するのに必要な成分がなくて息が出来なくなるとかかな?」
「???」
チルとノエルが頭の上に沢山のクエッションを浮かばせている。
「僕も愛ちゃんの発言に同意だね。呼吸が出来なってのは、簡単に、言うと水中に顔を入れて呼吸する様な感じだね。存在の消去は突然死んでしまうことだね。」
僕が分かりやすいように簡単な捕捉をして行く。
「えっ、死んじゃうの?息ができなくなるってこと?熊さんみたく?」
「うん」
「それは嫌だなー。でも、リュウ兄ちゃんが大丈夫なら私もきっと大丈夫だよ。」
「ノエルは息しなくても生きていけるので大丈夫です。」
「……」
僕は、隣の愛ちゃんの方をじっとみる。
愛ちゃんは、ふるふると首を横に振る。
まーそうなんだよな。二人は連れていけない。話した理由もあるし、神界からこの場所に戻ってこれる保証もない。なんなら地球に帰ったら僕たちは戻ってこれないと思うし。チャンスが有れば地球に帰還する。
となると、もしかしたらチルとノエルとはここが今生の別れとなるやも知れぬ。
転移ゲートに入ると決めている時点で、ウェルザさん達とは、会えないつもりで来ているし、後のことも任せてある。チルは………、地球に帰ることまでは考えてなかったけど、もう会えないつもりで置いてきたんだよな。
もっともその甲斐もなく、追いついた?先を越されて一緒にいる訳なんだけど……、
ノエルは、魔族領に行く分には問題なかったけど、地球に帰る分にはおおありである。精霊や妖精が存在していない世界に置いて、ノエルが存在出来るかどうかは本当に不明だ。
連れて行けない訳ではないが、親心として、これには完全に連れて行くわけにはいかない。文字通り存在が消失してしまう可能性が高い。神界にはもしかしたらであるが、この調子だと地球にまで着いてくる。
「はぁー、どうしよう?」
ボソッとため息と共に心の想いが出てしまった。
「どうって、リュウ兄ちゃん、私とノエルちゃんも一緒に行くんだよ。」
「そうです。パパ、私たちはなんとしてもお二人に着いて行きます。」
「リュウ君は、この世界ではモテモテみたいだね。私もお鼻が高いわ。」
愛ちゃんが誇らしげにしているが、僕はここ数日で何度目かのピンチである。これはどうやって乗り越えればいんだろう?
「でも、浮気しちゃダメだからね。」
こそっと耳元で、一番キツイ一言が呟かれる。
僕は、ウンウンと素早く2回頷く。
それに満足した様で笑顔で顔をノエルやチルの方に向ける。
「ノエルにチル。二人の気持ちは凄く嬉しい。でもね、二人にはこの世界で待っていてもらいたい。本当に二人にとって何があるか分からないんだ。安全が確認出来たら、二人に来てもらうのもありだと思う。」
僕は、二人を説得する為にいかに二人が大事なのかを切切と話した。
「パパがそこまで言うのでしたら、ノエルは我慢してここに残ります。でも、必ず無事に戻ってきて下さいね。パパ」
ノエルが渋々といった感じで了承してくれた。
「リュウ兄ちゃんが、どれほど大切に想っているか分かったよ。でもね、私は付いて行くよ。だって、ティタニアちゃんに追いつけって言われたもん。」
うっ、チルが中々しぶとい。ノエルより危険性は低いが、ノエルだけ残して行くのも危ないし、チルにも是非とも残って貰わないと。
何か良い手はないものか………あっ、あの方法で行こう。でも、あの方法を使うとなると、使ったら即に神界横断旅行を決行しないと次も効く保証はないしな。
別の側理由は、あっ、あったあったあれがあった。あれなら、チルやノエルは確認できないから信じるしかないだろう。
「チル、ごめんね。どうしても連れて行けないんだ。神様の魔法だから、とてつもなく代償が大きいんだよ。僕と愛ちゃんの二人だけで精一杯なんだよ。だから、チルが付いて来てくれるって気持ちは凄く嬉しいんだけど出来ないんだよ。」
「うーーー、そっそれなら、私とリュウ兄ちゃんの二人で神界に行く。それなら大丈夫でしょ。」
「チル、それは出来ないんだよ。今回の当事者は、女神から異世界召喚されて、使命を与えられた僕と愛ちゃんなんだから。」
「リュウ兄ちゃん。すごいね。流石勇者様って感じだね。で、なーんで、愛さんとリュウ兄ちゃんの二人だけなのかな?私とノエルちゃんは?」
チルが笑っているけど、視線がとっても冷たい。
「パパ、ノエルは、どこまでもパパについて行くってお話しました。どこでもは、神界でも、パパの元いた世界でも、です!」
ノエルも偉くご立腹の様で、言葉の端々にイライラが立ち込めている。
「二人ともごめんごめん。僕たち二人は、神界に行ったことがあるからね。」
「チルちゃん、ノエルちゃん。そうなんです。神界に行って二人にどんな悪影響があるか分かりませんから。」
「愛さん、悪影響って例えばどんな?」
「そうな、例えば、最悪なケースだと、存在そのものが消えてしまうとか?呼吸するのに必要な成分がなくて息が出来なくなるとかかな?」
「???」
チルとノエルが頭の上に沢山のクエッションを浮かばせている。
「僕も愛ちゃんの発言に同意だね。呼吸が出来なってのは、簡単に、言うと水中に顔を入れて呼吸する様な感じだね。存在の消去は突然死んでしまうことだね。」
僕が分かりやすいように簡単な捕捉をして行く。
「えっ、死んじゃうの?息ができなくなるってこと?熊さんみたく?」
「うん」
「それは嫌だなー。でも、リュウ兄ちゃんが大丈夫なら私もきっと大丈夫だよ。」
「ノエルは息しなくても生きていけるので大丈夫です。」
「……」
僕は、隣の愛ちゃんの方をじっとみる。
愛ちゃんは、ふるふると首を横に振る。
まーそうなんだよな。二人は連れていけない。話した理由もあるし、神界からこの場所に戻ってこれる保証もない。なんなら地球に帰ったら僕たちは戻ってこれないと思うし。チャンスが有れば地球に帰還する。
となると、もしかしたらチルとノエルとはここが今生の別れとなるやも知れぬ。
転移ゲートに入ると決めている時点で、ウェルザさん達とは、会えないつもりで来ているし、後のことも任せてある。チルは………、地球に帰ることまでは考えてなかったけど、もう会えないつもりで置いてきたんだよな。
もっともその甲斐もなく、追いついた?先を越されて一緒にいる訳なんだけど……、
ノエルは、魔族領に行く分には問題なかったけど、地球に帰る分にはおおありである。精霊や妖精が存在していない世界に置いて、ノエルが存在出来るかどうかは本当に不明だ。
連れて行けない訳ではないが、親心として、これには完全に連れて行くわけにはいかない。文字通り存在が消失してしまう可能性が高い。神界にはもしかしたらであるが、この調子だと地球にまで着いてくる。
「はぁー、どうしよう?」
ボソッとため息と共に心の想いが出てしまった。
「どうって、リュウ兄ちゃん、私とノエルちゃんも一緒に行くんだよ。」
「そうです。パパ、私たちはなんとしてもお二人に着いて行きます。」
「リュウ君は、この世界ではモテモテみたいだね。私もお鼻が高いわ。」
愛ちゃんが誇らしげにしているが、僕はここ数日で何度目かのピンチである。これはどうやって乗り越えればいんだろう?
「でも、浮気しちゃダメだからね。」
こそっと耳元で、一番キツイ一言が呟かれる。
僕は、ウンウンと素早く2回頷く。
それに満足した様で笑顔で顔をノエルやチルの方に向ける。
「ノエルにチル。二人の気持ちは凄く嬉しい。でもね、二人にはこの世界で待っていてもらいたい。本当に二人にとって何があるか分からないんだ。安全が確認出来たら、二人に来てもらうのもありだと思う。」
僕は、二人を説得する為にいかに二人が大事なのかを切切と話した。
「パパがそこまで言うのでしたら、ノエルは我慢してここに残ります。でも、必ず無事に戻ってきて下さいね。パパ」
ノエルが渋々といった感じで了承してくれた。
「リュウ兄ちゃんが、どれほど大切に想っているか分かったよ。でもね、私は付いて行くよ。だって、ティタニアちゃんに追いつけって言われたもん。」
うっ、チルが中々しぶとい。ノエルより危険性は低いが、ノエルだけ残して行くのも危ないし、チルにも是非とも残って貰わないと。
何か良い手はないものか………あっ、あの方法で行こう。でも、あの方法を使うとなると、使ったら即に神界横断旅行を決行しないと次も効く保証はないしな。
別の側理由は、あっ、あったあったあれがあった。あれなら、チルやノエルは確認できないから信じるしかないだろう。
「チル、ごめんね。どうしても連れて行けないんだ。神様の魔法だから、とてつもなく代償が大きいんだよ。僕と愛ちゃんの二人だけで精一杯なんだよ。だから、チルが付いて来てくれるって気持ちは凄く嬉しいんだけど出来ないんだよ。」
「うーーー、そっそれなら、私とリュウ兄ちゃんの二人で神界に行く。それなら大丈夫でしょ。」
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