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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№181】女神との邂逅3
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「ほほほっ、それはそうですよ。龍王様、この地に魔素はありませんから、魔法の素となる力がなければ、魔法は使えませんわ。愛様のせっかくの成果が味わえないのは残念ですが、今回は神界の水を堪能下さい。」
憎たらしい女神である。横に寝転がった状態で言うので威厳もくそもないのだが、腹立つことは腹が立つ。誘導されてなるものかなんとかこの場で水を手に入れる方法は……。そうだ
「愛ちゃん魔霊樹をここに植えてあげて、そうしたら魔素も出来るし、魔法も使える様になるよ。」
「それはちょっと……」
慌てて女神が止めようとするが、その声が届く前に愛ちゃんは頷いて魔霊樹を召喚しようとした。
空中にステータス画面らしきものが現れて。神様っぽい人が現れる。
「なんだいこんな時間に?あー愛君か久しぶりだね。100年ぶりくらいかな?」
「魔神様、お久しぶりです。愛ですわ。200年ぶりかと思います。」
「長いことあってなかったね。それで今日はどうしたんだい?魔霊樹の植樹は完了したと思ったけど、何か不都合でもあったかな?」
「ええ、幻想世界は終わったのですが。現在神界に来ておりまして、ここでも魔法を使える様にしたいとご連絡致しました。」
「愛君神界に来てるのかい?いやはや、一度面と向かってあって見たかったんだよ。どこにいるのかい?あと、神界には、魔霊樹は植えられないよ。神界のルールでね。出来ないんだよ。」
「あら、それは残念ですね。今は、おそらくですが女神フェリシア様のお部屋にいますわ。魔法で作ったお水を女神様に差し上げようと思ったのですが……。」
「愛君、ならばこれからそちらに向かおう。水なら僕が手持ちのものを持っていくよ。それに水やりもっといいものもある。」
「魔神様、ご配慮ありがとうございます。女神様も一刻も早く水を飲みたいと言ってますのでお願いします。もっと良いものとはなんですか?」
「そりゃ決まっているだろう。神酒だよ神酒(みき)、神といえば酒だろう。上手い水で作ったお酒ならなおよしなものよ。」
「魔神様、よこから失礼します。雇われ勇者のリュウです。美味しいお酒なら、僕も持ってきてます。異空間にあるのですぐに取り出しでき………あっ、魔法が使えないから精霊術も使えないから、取り出し出来ないのか。すみません。お出しできるお酒がなかったです。」
「リュウ君ね。いいよ。いいよ。君もフェリシアに召喚された子かな?住んでる世界にも興味あるし、一緒に飲もう飲もう。それに魔法は使えないけど、精霊術は使える筈だよ。お勧めのお酒飲んでみたいから、試しに使ってみな。」
「そうなんですね。分かりました。来るまでにとっておきのお酒準備しときます。」
「では、また。ところでフェリシアは、なんで横になって寝てるのかな~?まーいいや。直ぐにそっち行くから準備しといてね。」
と魔神様が言い終わったところで、ステータス画面に写っていた魔神様の映像がぷっつり消えた。
これ凄いね。テレビ電話の側面もあるんだ。んっ、これ使えたら、魔神様に連絡取れたんじゃ?
いや違うな。そのまま女神とコンタクト取れたのでは?
「愛ちゃん。魔神様凄く気さくな人?神様だったね。そういえばなんだけど、今の通信スキルで女神様と連絡とれたのでは?」
「ええ、とっても親身になって相談を受け付けてくれる素敵な神様よ。それがね。無理なのよ。これはあくまでも魔霊樹を植樹する為のスキルなの。だから、魔神様とは連絡が取れても他の神様とは連絡が取れないの。それに………」
「それに?」
「魔神様にも相談したけど、他の神様には、非干渉が基本的な神のルールなんだって。だから、この件に関しては、私から直接女神様にコンタクト取るしかなかったのよね。」
「それよりリュウ君、精霊術使えるの?凄いね。私なんてこの世界に100年以上いるのに使えたことはないよ。」
「成り行きで、ちょっと使える様になったんだ。ここで使えるか早速やってみるね。」
精霊術で異空間と繋げ、中のものを取り出す。
「あっいけたね。これなら水も食料も、大量にあるから好きなものが食べれるよ。」
「で、リュウ君お酒の飲めないあなたがお勧めするお酒ってどれなの?」
興味深々で愛ちゃんが聞いてくる。そういえば彼女は、お酒飲んでも全く顔に出ないんだよね。
「龍王様、私にもお水は大丈夫ですので、先に秘蔵のお酒を頂けませんか?」
女神フェリシアもお酒に目がない様だ。神様っていうのはお酒好きの人?が多いものなのかな?僕たちを誘導して、排除することよりもお酒の方に関心が高いらしい。
少なくとも女神フェリシアでは、埒があかないので複数人の神に聞いてもらった方が良いだろう。
「ふふふっ、フェリシア様、流石にフライングは御法度ですよ。こちらにミネラルウォーターの魔法で作った水もありますので、まずはそちらをお味見下さい。」
水さしと水の入った竹包を愛ちゃんに渡す。
受け取った愛ちゃんは、それを水挿しに移し替え、先端の小さい口を女神様の綺麗な口につけ、ちょぼちょぼと飲ませて行く。
憎たらしい女神である。横に寝転がった状態で言うので威厳もくそもないのだが、腹立つことは腹が立つ。誘導されてなるものかなんとかこの場で水を手に入れる方法は……。そうだ
「愛ちゃん魔霊樹をここに植えてあげて、そうしたら魔素も出来るし、魔法も使える様になるよ。」
「それはちょっと……」
慌てて女神が止めようとするが、その声が届く前に愛ちゃんは頷いて魔霊樹を召喚しようとした。
空中にステータス画面らしきものが現れて。神様っぽい人が現れる。
「なんだいこんな時間に?あー愛君か久しぶりだね。100年ぶりくらいかな?」
「魔神様、お久しぶりです。愛ですわ。200年ぶりかと思います。」
「長いことあってなかったね。それで今日はどうしたんだい?魔霊樹の植樹は完了したと思ったけど、何か不都合でもあったかな?」
「ええ、幻想世界は終わったのですが。現在神界に来ておりまして、ここでも魔法を使える様にしたいとご連絡致しました。」
「愛君神界に来てるのかい?いやはや、一度面と向かってあって見たかったんだよ。どこにいるのかい?あと、神界には、魔霊樹は植えられないよ。神界のルールでね。出来ないんだよ。」
「あら、それは残念ですね。今は、おそらくですが女神フェリシア様のお部屋にいますわ。魔法で作ったお水を女神様に差し上げようと思ったのですが……。」
「愛君、ならばこれからそちらに向かおう。水なら僕が手持ちのものを持っていくよ。それに水やりもっといいものもある。」
「魔神様、ご配慮ありがとうございます。女神様も一刻も早く水を飲みたいと言ってますのでお願いします。もっと良いものとはなんですか?」
「そりゃ決まっているだろう。神酒だよ神酒(みき)、神といえば酒だろう。上手い水で作ったお酒ならなおよしなものよ。」
「魔神様、よこから失礼します。雇われ勇者のリュウです。美味しいお酒なら、僕も持ってきてます。異空間にあるのですぐに取り出しでき………あっ、魔法が使えないから精霊術も使えないから、取り出し出来ないのか。すみません。お出しできるお酒がなかったです。」
「リュウ君ね。いいよ。いいよ。君もフェリシアに召喚された子かな?住んでる世界にも興味あるし、一緒に飲もう飲もう。それに魔法は使えないけど、精霊術は使える筈だよ。お勧めのお酒飲んでみたいから、試しに使ってみな。」
「そうなんですね。分かりました。来るまでにとっておきのお酒準備しときます。」
「では、また。ところでフェリシアは、なんで横になって寝てるのかな~?まーいいや。直ぐにそっち行くから準備しといてね。」
と魔神様が言い終わったところで、ステータス画面に写っていた魔神様の映像がぷっつり消えた。
これ凄いね。テレビ電話の側面もあるんだ。んっ、これ使えたら、魔神様に連絡取れたんじゃ?
いや違うな。そのまま女神とコンタクト取れたのでは?
「愛ちゃん。魔神様凄く気さくな人?神様だったね。そういえばなんだけど、今の通信スキルで女神様と連絡とれたのでは?」
「ええ、とっても親身になって相談を受け付けてくれる素敵な神様よ。それがね。無理なのよ。これはあくまでも魔霊樹を植樹する為のスキルなの。だから、魔神様とは連絡が取れても他の神様とは連絡が取れないの。それに………」
「それに?」
「魔神様にも相談したけど、他の神様には、非干渉が基本的な神のルールなんだって。だから、この件に関しては、私から直接女神様にコンタクト取るしかなかったのよね。」
「それよりリュウ君、精霊術使えるの?凄いね。私なんてこの世界に100年以上いるのに使えたことはないよ。」
「成り行きで、ちょっと使える様になったんだ。ここで使えるか早速やってみるね。」
精霊術で異空間と繋げ、中のものを取り出す。
「あっいけたね。これなら水も食料も、大量にあるから好きなものが食べれるよ。」
「で、リュウ君お酒の飲めないあなたがお勧めするお酒ってどれなの?」
興味深々で愛ちゃんが聞いてくる。そういえば彼女は、お酒飲んでも全く顔に出ないんだよね。
「龍王様、私にもお水は大丈夫ですので、先に秘蔵のお酒を頂けませんか?」
女神フェリシアもお酒に目がない様だ。神様っていうのはお酒好きの人?が多いものなのかな?僕たちを誘導して、排除することよりもお酒の方に関心が高いらしい。
少なくとも女神フェリシアでは、埒があかないので複数人の神に聞いてもらった方が良いだろう。
「ふふふっ、フェリシア様、流石にフライングは御法度ですよ。こちらにミネラルウォーターの魔法で作った水もありますので、まずはそちらをお味見下さい。」
水さしと水の入った竹包を愛ちゃんに渡す。
受け取った愛ちゃんは、それを水挿しに移し替え、先端の小さい口を女神様の綺麗な口につけ、ちょぼちょぼと飲ませて行く。
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