183 / 188
第8章 変わってしまう日常編
【雇用№182】女神との邂逅4
しおりを挟む
「どうですか女神様、美味しいですか?」
もはや、餌を与えられる雛または、介護される病人である。
「非常に美味しいですよ。お願いですからその中にお酒を入れて下さいまし……」
『コンッコンツ』
「お邪魔するよー」
部屋には鍵などかかっていなく、そのまま入ってきたのは可愛いパジャマ姿の魔神様だった。
「魔神様ご無沙汰してまーす。」
「愛君、改めてお久~。リュウ君、お初に~。で、フェリシアはまだ横になってるんだね。お客人がいるのにそれは失礼じゃないかな?はい、これ神酒ね。」
ドスンと樽でお神酒を持って来てくれた様だ。器は、紅くて平べったい盃。
「ゼファリスちゃん。お願いだからなんとかして、動くと腰が痛くて、動けないの。」
フェリシアが魔神様なのかな?ゼファリス様に助けを求めている。
「んっ、腰が痛いだって、またまた人間じゃあるまいし、私らに腰痛なんで言葉があるわけないでしょ。フェリシアったら冗談言って。」
と魔神様がフェリシアの近くに行って、腰をパンパンと平手で叩く。
「いたた、やめて、痛い、本当に痛いんだから……」
涙目になって、フェリシアが魔神様に嘆願する。
「本当に痛いのか?なんでまたそんなことに?」
魔神様の問いかけにフェリシアは視線を逸らし、僕の方をじーっと見つめて来た。その視線を追って魔神様が僕に問いかけてくる。
「君か。勇者のリュウ君だね。神に腰痛を施すなんて一体どうやったんだい?」
「魔神様、それはですね。そちらのフェリシア様より頂いたスキル、魔女の一撃でございます。あって早々、神様にご無礼は働きたくはなかったのですが、ゴートゥーヘルを使われそうになったため、やむをえず………」
「リュウ君、そう固くならなくてもいいよ。酒の席だし無礼講無礼講。それに罰しようって訳じゃないからね。どうなったのかなーって気になっただけだから。それにしても二人はどうやってここまで来たんだい?」
僕と愛ちゃんは、これまでの経緯を簡単に魔神様に説明した。
「そういうことだね。僕も悪かったよ。ごめんね。あっ、せっかくの祝いの席だし、下界の美味しいお酒もあるから、主人様も呼んじゃおー。もしー主神様~。寝てた?うんうん、あのね。今、フェリシアの部屋で小ぢんまりと宴会やってるのでよかったら来てよー。うんうん、すぐ行く?OK。お待ちしてまーす。」
フェリシアに何度願い入れても出来なかったことが、魔神様だと僅か数秒で終わってしまった。
「えと、魔神様良かったんですか?私達が魔神様をお呼びしてるのでなんなんですけど、一番上の最高神様ですよね。ご就寝中だったのではないですか?」
「リュウ君、もっと砕けていこうよ。僕は全く気にしないよ。堅苦しいままだとこうしちゃうぞ。」
と、僕が座って飲んでいる隣にやってきて、いきなり肩を組んで晩酌してきた。この行為は非常にまずい。まずい。まずい。
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、と首を、回して愛ちゃんの方を見ると、笑顔だけど、唇の端が引き攣っているし、視線がとても冷たい。瞬間なら許してもらえそうな気もするが長時間だと、怒らせそうだ。
「分かりました。分かりましたから、魔神さん、離れて下さい。」
「うーんリュウ君連れないなー。ゼファリスちゃんて呼んでよ~。でないと。」
手首を上に上げてワキワキしながら、にじり寄ってくる。僕は後退りしながら、愛ちゃんのいる方に寄っていく、
「ゼファリスちゃんですね。分かりました。分かりましたよー。でも、本当によかったんですか?」
「なにが?あぁ、主神様のことかい?いいんだよ。あの人も宴会好きだからね。美味しいお酒があるのに、黙って飲んでたらそれこそ、大目玉だよ。気にしない気にしない。」
「そうなんですね。」
少しホッとする。フェリシアはさておいて、魔神様。ごほんごほん、ゼファリスちゃんと主神様は、神様であるからそれこそ敬意を払わないと…無礼講とはいえ、その言葉を鵜呑みにして、飲みの席で無礼を働いた同僚がどうなったことか。
はめの外し過ぎは厳禁。相手が笑顔で済ませられるギリギリの線を見極めていかないと。
「ゼファリス様~。リュウ君だけに構ってないで、私共お話して下さいよー。」
愛ちゃんがそんなことを言って席を移動して、僕とゼファリスちゃんの間に入ってくる。
ふーつ、これで一息つける。フェリシアも流石にこの場に置いて、ゴートゥーヘルは使うまい。
「コンッコンッ」
「どうぞー」
ノックに対して、部屋の主人でもないゼファリスちゃんが返事をする。ご主人は、寝ながら、ペロペロとお酒を飲んでいる。まだまだ動くと腰が痛くなる様だ。
「はーい、みんなのアイドル、主神ちゃんだよー。」
これまた明るい神様である。白髭の威厳のある初老の神様を想像してたんだけど、見事に裏切られてしまった。
プロポーション抜群の美人なお姉様である。
何だ何だ?神様は男性はいなく女性ばかりなのか?
もはや、餌を与えられる雛または、介護される病人である。
「非常に美味しいですよ。お願いですからその中にお酒を入れて下さいまし……」
『コンッコンツ』
「お邪魔するよー」
部屋には鍵などかかっていなく、そのまま入ってきたのは可愛いパジャマ姿の魔神様だった。
「魔神様ご無沙汰してまーす。」
「愛君、改めてお久~。リュウ君、お初に~。で、フェリシアはまだ横になってるんだね。お客人がいるのにそれは失礼じゃないかな?はい、これ神酒ね。」
ドスンと樽でお神酒を持って来てくれた様だ。器は、紅くて平べったい盃。
「ゼファリスちゃん。お願いだからなんとかして、動くと腰が痛くて、動けないの。」
フェリシアが魔神様なのかな?ゼファリス様に助けを求めている。
「んっ、腰が痛いだって、またまた人間じゃあるまいし、私らに腰痛なんで言葉があるわけないでしょ。フェリシアったら冗談言って。」
と魔神様がフェリシアの近くに行って、腰をパンパンと平手で叩く。
「いたた、やめて、痛い、本当に痛いんだから……」
涙目になって、フェリシアが魔神様に嘆願する。
「本当に痛いのか?なんでまたそんなことに?」
魔神様の問いかけにフェリシアは視線を逸らし、僕の方をじーっと見つめて来た。その視線を追って魔神様が僕に問いかけてくる。
「君か。勇者のリュウ君だね。神に腰痛を施すなんて一体どうやったんだい?」
「魔神様、それはですね。そちらのフェリシア様より頂いたスキル、魔女の一撃でございます。あって早々、神様にご無礼は働きたくはなかったのですが、ゴートゥーヘルを使われそうになったため、やむをえず………」
「リュウ君、そう固くならなくてもいいよ。酒の席だし無礼講無礼講。それに罰しようって訳じゃないからね。どうなったのかなーって気になっただけだから。それにしても二人はどうやってここまで来たんだい?」
僕と愛ちゃんは、これまでの経緯を簡単に魔神様に説明した。
「そういうことだね。僕も悪かったよ。ごめんね。あっ、せっかくの祝いの席だし、下界の美味しいお酒もあるから、主人様も呼んじゃおー。もしー主神様~。寝てた?うんうん、あのね。今、フェリシアの部屋で小ぢんまりと宴会やってるのでよかったら来てよー。うんうん、すぐ行く?OK。お待ちしてまーす。」
フェリシアに何度願い入れても出来なかったことが、魔神様だと僅か数秒で終わってしまった。
「えと、魔神様良かったんですか?私達が魔神様をお呼びしてるのでなんなんですけど、一番上の最高神様ですよね。ご就寝中だったのではないですか?」
「リュウ君、もっと砕けていこうよ。僕は全く気にしないよ。堅苦しいままだとこうしちゃうぞ。」
と、僕が座って飲んでいる隣にやってきて、いきなり肩を組んで晩酌してきた。この行為は非常にまずい。まずい。まずい。
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、と首を、回して愛ちゃんの方を見ると、笑顔だけど、唇の端が引き攣っているし、視線がとても冷たい。瞬間なら許してもらえそうな気もするが長時間だと、怒らせそうだ。
「分かりました。分かりましたから、魔神さん、離れて下さい。」
「うーんリュウ君連れないなー。ゼファリスちゃんて呼んでよ~。でないと。」
手首を上に上げてワキワキしながら、にじり寄ってくる。僕は後退りしながら、愛ちゃんのいる方に寄っていく、
「ゼファリスちゃんですね。分かりました。分かりましたよー。でも、本当によかったんですか?」
「なにが?あぁ、主神様のことかい?いいんだよ。あの人も宴会好きだからね。美味しいお酒があるのに、黙って飲んでたらそれこそ、大目玉だよ。気にしない気にしない。」
「そうなんですね。」
少しホッとする。フェリシアはさておいて、魔神様。ごほんごほん、ゼファリスちゃんと主神様は、神様であるからそれこそ敬意を払わないと…無礼講とはいえ、その言葉を鵜呑みにして、飲みの席で無礼を働いた同僚がどうなったことか。
はめの外し過ぎは厳禁。相手が笑顔で済ませられるギリギリの線を見極めていかないと。
「ゼファリス様~。リュウ君だけに構ってないで、私共お話して下さいよー。」
愛ちゃんがそんなことを言って席を移動して、僕とゼファリスちゃんの間に入ってくる。
ふーつ、これで一息つける。フェリシアも流石にこの場に置いて、ゴートゥーヘルは使うまい。
「コンッコンッ」
「どうぞー」
ノックに対して、部屋の主人でもないゼファリスちゃんが返事をする。ご主人は、寝ながら、ペロペロとお酒を飲んでいる。まだまだ動くと腰が痛くなる様だ。
「はーい、みんなのアイドル、主神ちゃんだよー。」
これまた明るい神様である。白髭の威厳のある初老の神様を想像してたんだけど、見事に裏切られてしまった。
プロポーション抜群の美人なお姉様である。
何だ何だ?神様は男性はいなく女性ばかりなのか?
0
あなたにおすすめの小説
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜
ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが……
この世界の文明レベル、低すぎじゃない!?
私はそんなに凄い人じゃないんですけど!
スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる