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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№183】女神との邂逅5
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僕と愛ちゃんは、すかさず立って挨拶をした。
「もう、二人ともわざわざ神界はようこそおいで下さいました。この神界を司る主人のゼファーです。気楽にゼファーちゃんと呼んでください。」
主人様も魔神様と一緒なノリだった。
「それにしてもどうやってリュウさんと愛さんは、こちらに来たのかしら?」
また、僕と愛ちゃんが経緯について話し出す。魔神様の時とは、違いフェリシアの顔色が徐々に青ざめて行くのが気になる。
「そうなのね。フェリシアちゃん。またやっちゃったのね。はぁー、主神ちゃんは悲しいわ~」
また?またとは一体なんのこと?この女神は、何度もやらかしている常習犯なのか?
「主人様、申し訳ありません。どうしても出来なくて異世界からの召喚に頼るしか……」
腰が痛いため、座って弁明することも出来ず、横になったまま涙目で弁明するフェリシア。誠意が足りない気がするけど、まー痛いし無理だよね。
「フェリシアちゃん。愛ちゃんを異世界召喚した時に私ちゃんと言ったよね。異世界召喚は世界のバランスを崩すからやっちゃダメだって。それにもしどうにもならなくてやらにしても、ちゃんと私に相談するようにって。」
「ええと、それはですね……どうしても緊急のやむに止まれない事情がありまして……」
「あのね。フェリシアちゃん向こうの彼らの住む地球にも神様がいて、管理してるのよ。それを断りもなく、連れてきたら、誘拐でしょう?あなたの世界から優秀な子が別の世界に連れたいかれたらどう思うの?この世界の主人として、私が苦情を受けるんだよ?そこのところちゃんと分かってる?どうしても重要なら、ちゃんと向こうの神様に根回ししてお互いの対価を決めてやらなきゃなんだよ。」
主人様が偉くご立腹である。酷く居心地が悪いが僕たちのこれからの進退にも影響してくるので席を外すわけにはいかない。
「はぁー、申し訳ございません。」
「ごめんで済むなら警察はいらないしら主人様もいらないのよ。罰はきっちり受けてもらうわね。ひとまずはこれで勘弁しといてあげる。」
と主神様がフェリシアの顔に近づいていって、右手の中指と親指をくっつけて、輪っかを作る。
これはもしかして???
「主神様、それだけは勘弁して下さい。申しません。何でもしますから、それだけはお許しを……」
「ダーメ。ルール違反にはそれなりの罰を与えないとね。またされても困るから。」
「パチン」
と主神様がフェリシアのおでこにデコピンをかました。
「ズコーン」
神様のお部屋って、そんなに脆いものだろうか?
フェリシアが壁に頭から埋まって。腰から足が中に浮いている。ギックリ腰にも響いたのか、痛い痛いと繰り返しながら、ピクピクと痙攣している。
「ふぅー、これでひとまずこっちはOKね。」
笑顔でこちらを振り向く主神様。さっきの光景を見た後だとその笑顔が怖い。
「まずは、愛さんね。フェリシアちゃんからの依頼は、終わってるみたいだし、報酬を与えることにします。リュウ君の方は、どうもフェリシアのちゃんの反応を見ると討伐対象は、隣にいる愛さんの様ですね。報酬を与えるのを怠って、討伐する方針にしたのでしょう。困ったものですね。ですから、リュウさんの方も愛さんがこの場所に来ていて幻想世界にいないことから依頼達成とします。お二人ともお疲れ様でした。さて、仕事でお二方には来てもらっている以上報酬は当然お支払いします。お二人は何を望みますか?」
「ゼファーちゃん私達は、地球への元いた地点、元いた時刻への帰還を希望します。それと幻想世界と私達の世界を行き来出来るようにスキルを授けて欲しいのですが、可能でしょうか?」
「愛さん、元いた世界への帰還は報酬ではなく、期待事項なので問題ないですよ。元いた時刻への帰還も愛さんは100年以上もこちらにいるので、そちらも当然報酬以外でこちらが行いますのでご安心下さい。」
「ゼファーちゃんありがとうございます。」
「でも、残念ながらもう一つの願いは叶えられないわね。」
「どうしてですか?」
「先程も言いましたが、異世界への行き来は、本来禁止されている事項です。今回はこちらの不手際な為、二人の帰還はこちらで責任を持ってさせてもらいます。ですが、その後にこちらの世界にもう一度来るのは、禁止事項に該当するので、私の力でも行うことは出来ません。他の望みはないでしょうか?」
「ちょっと二人で相談させて下さい。」
「はい、その間は、ゼファリスちゃんと飲んでますので、決まったら声かけて下さいね。」
緊張が走った空間はなくなり、また、のんべが集まる宴会空間に戻った。
「どうするリュウ君?私達二人だけで地球に戻る?」
「うーん、そうしたいのは山々なんだけど、チルとノエルに約束しちゃったからな。」
「そうなのよね。私もリュウ君を連れて帰るって言っている手前、二人に断りもなくさよならするのは不味いと思うわ。」
「だよね。最低限一度は、幻想世界に戻らないと。なら、幻想世界に戻って話しあってから、地球に戻ればいいんじゃないかな?」
「それも一つの方法よね。でも、そうなったらそうなったで、二人は着いて来ると思うのよね。」
「二人ともちょっと話が聞こえたから、一応言っておくと、ここから行ける世界は、幻想世界か、元いた世界どちらかに一度だけね。神界に来るのも勿論出来ないわ。本来、この神界は、神以外の存在がいてはいけない場所ですからね。今回は特例で許してるだけですから。」
「もう、二人ともわざわざ神界はようこそおいで下さいました。この神界を司る主人のゼファーです。気楽にゼファーちゃんと呼んでください。」
主人様も魔神様と一緒なノリだった。
「それにしてもどうやってリュウさんと愛さんは、こちらに来たのかしら?」
また、僕と愛ちゃんが経緯について話し出す。魔神様の時とは、違いフェリシアの顔色が徐々に青ざめて行くのが気になる。
「そうなのね。フェリシアちゃん。またやっちゃったのね。はぁー、主神ちゃんは悲しいわ~」
また?またとは一体なんのこと?この女神は、何度もやらかしている常習犯なのか?
「主人様、申し訳ありません。どうしても出来なくて異世界からの召喚に頼るしか……」
腰が痛いため、座って弁明することも出来ず、横になったまま涙目で弁明するフェリシア。誠意が足りない気がするけど、まー痛いし無理だよね。
「フェリシアちゃん。愛ちゃんを異世界召喚した時に私ちゃんと言ったよね。異世界召喚は世界のバランスを崩すからやっちゃダメだって。それにもしどうにもならなくてやらにしても、ちゃんと私に相談するようにって。」
「ええと、それはですね……どうしても緊急のやむに止まれない事情がありまして……」
「あのね。フェリシアちゃん向こうの彼らの住む地球にも神様がいて、管理してるのよ。それを断りもなく、連れてきたら、誘拐でしょう?あなたの世界から優秀な子が別の世界に連れたいかれたらどう思うの?この世界の主人として、私が苦情を受けるんだよ?そこのところちゃんと分かってる?どうしても重要なら、ちゃんと向こうの神様に根回ししてお互いの対価を決めてやらなきゃなんだよ。」
主人様が偉くご立腹である。酷く居心地が悪いが僕たちのこれからの進退にも影響してくるので席を外すわけにはいかない。
「はぁー、申し訳ございません。」
「ごめんで済むなら警察はいらないしら主人様もいらないのよ。罰はきっちり受けてもらうわね。ひとまずはこれで勘弁しといてあげる。」
と主神様がフェリシアの顔に近づいていって、右手の中指と親指をくっつけて、輪っかを作る。
これはもしかして???
「主神様、それだけは勘弁して下さい。申しません。何でもしますから、それだけはお許しを……」
「ダーメ。ルール違反にはそれなりの罰を与えないとね。またされても困るから。」
「パチン」
と主神様がフェリシアのおでこにデコピンをかました。
「ズコーン」
神様のお部屋って、そんなに脆いものだろうか?
フェリシアが壁に頭から埋まって。腰から足が中に浮いている。ギックリ腰にも響いたのか、痛い痛いと繰り返しながら、ピクピクと痙攣している。
「ふぅー、これでひとまずこっちはOKね。」
笑顔でこちらを振り向く主神様。さっきの光景を見た後だとその笑顔が怖い。
「まずは、愛さんね。フェリシアちゃんからの依頼は、終わってるみたいだし、報酬を与えることにします。リュウ君の方は、どうもフェリシアのちゃんの反応を見ると討伐対象は、隣にいる愛さんの様ですね。報酬を与えるのを怠って、討伐する方針にしたのでしょう。困ったものですね。ですから、リュウさんの方も愛さんがこの場所に来ていて幻想世界にいないことから依頼達成とします。お二人ともお疲れ様でした。さて、仕事でお二方には来てもらっている以上報酬は当然お支払いします。お二人は何を望みますか?」
「ゼファーちゃん私達は、地球への元いた地点、元いた時刻への帰還を希望します。それと幻想世界と私達の世界を行き来出来るようにスキルを授けて欲しいのですが、可能でしょうか?」
「愛さん、元いた世界への帰還は報酬ではなく、期待事項なので問題ないですよ。元いた時刻への帰還も愛さんは100年以上もこちらにいるので、そちらも当然報酬以外でこちらが行いますのでご安心下さい。」
「ゼファーちゃんありがとうございます。」
「でも、残念ながらもう一つの願いは叶えられないわね。」
「どうしてですか?」
「先程も言いましたが、異世界への行き来は、本来禁止されている事項です。今回はこちらの不手際な為、二人の帰還はこちらで責任を持ってさせてもらいます。ですが、その後にこちらの世界にもう一度来るのは、禁止事項に該当するので、私の力でも行うことは出来ません。他の望みはないでしょうか?」
「ちょっと二人で相談させて下さい。」
「はい、その間は、ゼファリスちゃんと飲んでますので、決まったら声かけて下さいね。」
緊張が走った空間はなくなり、また、のんべが集まる宴会空間に戻った。
「どうするリュウ君?私達二人だけで地球に戻る?」
「うーん、そうしたいのは山々なんだけど、チルとノエルに約束しちゃったからな。」
「そうなのよね。私もリュウ君を連れて帰るって言っている手前、二人に断りもなくさよならするのは不味いと思うわ。」
「だよね。最低限一度は、幻想世界に戻らないと。なら、幻想世界に戻って話しあってから、地球に戻ればいいんじゃないかな?」
「それも一つの方法よね。でも、そうなったらそうなったで、二人は着いて来ると思うのよね。」
「二人ともちょっと話が聞こえたから、一応言っておくと、ここから行ける世界は、幻想世界か、元いた世界どちらかに一度だけね。神界に来るのも勿論出来ないわ。本来、この神界は、神以外の存在がいてはいけない場所ですからね。今回は特例で許してるだけですから。」
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