修復術師のパーティメイク――『詐欺術師』と呼ばれて追放された先で出会ったのは、王都で俺にしか治せない天才魔術師でした――

紅葉 紅羽

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第五章『遠い日の約定』

第三百四十九話『とある御伽噺』

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 席を立ち頭を下げるロアルグの姿勢は、いつか俺たちにも向けた最敬礼と同じものだ。レイチェルの自己紹介を聞いたことでロアルグの中で何かが繋がり、それがこの態度に繋がっている。……だが、問題なのはそのきっかけがどこに散らばっていたのかが分からないことだ。

 騎士団に所属していれば分かるのかとアネットの方に視線をやってみるが、その怪訝そうな表情を見るに多分俺たちと同じ立場だろう。今のやり取りで、ロアルグだけが何かを掴むに至っている。

「貴殿の助力と言う事ならば、騎士団も遠慮なく後押しすることが出来る。『夜明けの灯』が貴殿をここに導いてくれたことは本当に大きすぎる僥倖だった」

「――団長、そろそろ説明が欲しいですわ。今ここで貴方の話についていけてる人は誰一人としていませんわよ」

 珍しく昂ぶった様子で言葉を重ねるロアルグをいさめつつ、アネットが俺たちを代表して切り込んでいく。騎士団の協力が全面的に得られるのは嬉しいことだが、その動機が見えないのではやはり不気味さが残ることに変わりはなかった。

 基本的に騎士団は清廉潔白な集団だけど、そのトップに立つロアルグは目的のためならグレーゾーンにいる『情報屋』でも利用してくるぐらいに強かだからな……。確かな前例がある以上、無条件に騎士団の助力を喜ぶというのはどうも早計な気がしてならない。

 あの依頼に繋がる事情自体がとてつもなく複雑だというのは当然だが、この問題がそれと同じぐらいに複雑じゃないとは限らないしな。ロアルグ曰くレイチェルだけが帝国で例外なわけだし。

「うん、あたしからもお願い。……帝国であたしが例外って、一体どういうことなの?」

 アネットからの申し出に続き、レイチェルもロアルグに説明を求める。彼女の何がどう例外なのか、それを知るのはこの場にロアルグしかいない様だった。

 つまり、ロアルグは当人すら気づいていなかった例外的な要素に初対面で気づいたというわけだ。それが何に起因するかは分からないが、今見つけ出した情報だけでその結論まで漕ぎ着けたということはないだろう。……きっと、そこには前提となる知識量の差が存在する。

 俺たちが知らなくてロアルグが知るような何かがあって、それがレイチェルを無意識のうちに例外たらしめている。アネットすらも知らないってとこにはきな臭さを感じざるを得ないが、今はロアルグのくれる答えを待つことしかできないわけで――

「――ああすまない、私の考えだけで話を進めてしまったな。前提となる知識の共有が足りていなかった」

 二人の様子を見てある程度落ち着きを取り戻したのか、ロアルグは俺たちに一度頭を下げる。……すると、唐突にアネットへと視線を向けた。

「……アネットが騎士を志したきっかけは、父親の書庫で目にした騎士の叙事詩だという話だったな。その書庫に、他の物語――言うなれば童話や御伽噺の類はなかったか?」

「童話や、御伽噺……確かあったと思いますけれど、それがこの話とどうつながるんですの?」

 大真面目によく分からないことを聞いてくるロアルグに、アネットは首をかしげながらも答えを返す。それを聞いたロアルグは満足そうにうなずいていて、その温度差がなんだかおかしかった。

 話し手によっては何らかの冗談かとすら思えてしまうような突拍子もない問いかけだが、ことロアルグに限って冗談を言うなどという事はない。この質問こそが、レイチェル・グリンノートという人間の事情に迫るための最短距離なのだろう。……今のところ、なんの手がかりも見えてきてはいないけれど。

「そうか、それは幸いだ。では、その中に『精霊の献身』という物語はあったか?」

「精霊の、献身……?」

 きっとそういう題名の物語なのだろうが、生憎俺の中の記憶にはそれと思しきものはない。というか、幼少期時代に物語に触れる機会なんてなかったに等しいぐらいだ。読めたものといえば学習用の教材と修復術に関連する書籍ぐらいで、娯楽なんてものは多分あの里にはなかったんじゃないだろうか。

 リリスとツバキにとってもその質問は要領を得ないものだったようで、二人して首を捻っている。……となれば、後頼りになるのはロアルグから直接矛先を向けられているアネットしかなかった。

 しかし、アネットにとっても書庫での記憶はきっと遠いものだ。それをすぐに掘り起こすというのは少しばかり大変な作業にも思えたが、アネットは案外すぐに手を軽やかに打ち合わせた。

「ええ、あの物語なら確かに読んだと思いますわ。精霊と人間の絆の物語でしたわよね」

「その通り。精霊と人間という本来ならば触れ合うはずのない両者が種族を超えて助け合う、心温まる物語として今も親しまれている作品だな」

 アネットの説明に軽い注釈を加えながら、ロアルグはほっとした様子で説明を続ける。そこまで聞いてもやはり記憶に引っかかるところはなかったが、それがいかにも御伽噺と言った様子のストーリーをしているのは何となく分かった。

「……でも、それはあくまで御伽噺なんだろう? 今ここでそれを聞いても、レイチェルの話とは何も繋がらないような気がするんだけど――」

 ロアルグが少し間を置いたところに滑り込んで、ツバキが手を挙げながらそう質問する。それはロアルグ以外の全員が感じていた疑問で、今の質問の価値を問う疑問でもあった。

 だが、それはあくまで確認作業のようなものだ。ロアルグが今ここでこの話題を出した以上、この御伽噺にはそれ以上の価値がある。そんな俺の予想に応えるかのように、ロアルグははっきりと首を横に振った。

「――いいや、それは表向きの話だ。この御伽噺は八割の実話と二割の脚色でできている」

「……やっぱり、そういう事でしたのね」

 ロアルグの口から告げられた言葉に、この中で唯一物語を知っているアネットがいち早く小さな息を吐く。その金色の瞳の中には、薄緑色をしたペンダントが映し出されていた。

「御伽噺というのはほとんどが寓話的、あるいは教育的な価値を持つものだが、それに当てはまらない例というのもわずかながらに存在する。『過去に発生した荒唐無稽な実話を語り継ぐため』というのは、その代表的な例と言ってもいいだろうな」

 アネットと同じ場所を見つめながら、ロアルグは説明を続ける。それを聞いてとっさに頭の中に思い浮かんだのは、アネットを騎士の道へと突き動かした叙事詩の存在だった。

 あの中に語り継がれる騎士の物語は、そんな強者が本当に存在したのかと思わせられるぐらいに強烈で爽快なものだった。アネットがのめり込んでしまうのも分かるぐらいに、その輝きは鮮烈だった。叙事詩だと言われなければ、誰かがゼロから作り上げた作り話だと思えてしまうぐらいに。

「この御伽噺には、王国が決して忘れてはならない約定の存在が語り継がれている。まだ王国の完全な統一が為されないうちから受け継がれてきた、いずれ果たすべき絶対の約定がな」

「騎士団長として王国に深くかかわるあなたはその存在を知っていて、だからこそ判断ができたってことね。道理で私たちがなにも掴めないわけだわ」

 ロアルグの説明を聞き終えて、リリスは合点がいったと言わんばかりにため息を吐く。それに申し訳なさそうなそぶりを見せつつも、ロアルグはさらに続けた。

「簡単に言ってしまうのならば、御伽噺とは一種の錠前のようなものだ。それを開く鍵となる約定を知らなければ、御伽噺は作り話としての側面しか示してはくれない。アネットが真実に気づかなかったことによって、この錠前の頑丈さは証明されたようなものだな」

「そうですわね、表向きにはただの御伽噺でしかありませんでしたもの。……今こうしてレイチェルさんの姿と団長の話を聞いて、ようやくこれが実話なんだって実感が少しずつ湧いてきましたわ」

 気づかないうちに錠前に阻まれていたアネットが、不満半分と言った様子でロアルグの言葉に応える。まるで愛弟子を見るような眼でロアルグはその姿を見つめると、ゆったりとした様子で椅子に座り直した。

「よし、それならアネットに説明を変わってもらった方が早そうだな。この御伽噺が八割の真実を語ったものであるという私の言葉を、お前はどうしてすぐに呑み込むことが出来た?」

「この御伽噺のラストシーンは、わたくしの中でも強く印象に残ってるものだからですわ。お父様の書庫で読んだ他の御伽噺は純粋なハッピーエンドで終われるのに、これだけはハッピーエンドって言いきることが出来なかったんですもの」

 だからこそ印象に残っていたんですのよ――と、アネットは複雑な表情を浮かべながらロアルグの問いに答える。子供心に残った複雑な感情は、きっと今よりも強く心の中に刻み付けられていたのだろう。

 そして、それこそがこの御伽噺の特異性を示すためのものだったのだ。そこにまず引っかかりを抱くことが出来なければ、この物語の奥底に秘められた真実へと近づくことはできないわけで――

「物語の終盤、危機に陥った人間を助けるために精霊は自分の限界以上の実力を発揮するんですの。――自らの意志で得た人間と同じ器と、人間が贈ってくれた自分の名前を代償として捧げることで」

 悲しそうな表情を浮かべながら、アネットは幼い頃に見たおとぎ話の結末を俺たちに語って聞かせる。その視線は、一度も外れることなくレイチェルの胸元にあるペンダントへ向けられていた。

「そうして名前も肉体も失って精神だけが残った精霊は、それでも愛した人間の血族を守り続けようという意思を貫き通しましたわ。……そんな精霊が存在を維持するための依り代として選んだのが、薄緑色をした綺麗な宝石――人間が大事にしていた、家宝でしたのよ」

 ちょうど今、あなたが付けているような色合いの宝石ですわ――と。

 アネットがそう告げた瞬間、俺の背筋がゾクリと震えるような感覚に襲われる。……その情報が一つ付け加えられただけで、今までの疑問が一瞬にして紐解けるような気がした。

「……もしかし、て」

 それを聞き終えたレイチェルもまた、信じられないとでも言いたげに目を見開いている。それは驚きというよりも、あまりの衝撃のあまり呆然としていると言った方が近い気がして。

「それが守り手様、なの?」

――掠れた声で呟くレイチェルの姿を、ロアルグは確かな確信のこもった目で見つめていた。
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