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天使様と寄り道
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約束通り寄り道して帰ろうとしている歩と天使様にはいつの間にか、周りからの見守るような暖かい視線や逆に憎たらしい羨ましいといった視線が飛んできている。
天使様恐ろしい、そう思いながら買い食い出来そうなところを模索しつつ思いついた場所を提案してみる
「コンビニでいい?」
「はい、星川くんにお任せします」
「おっけー、じゃあこの通り歩いたらあるからそこ行こう」
「何もしてないのになんだかワクワクします」
天使様は目をキラキラ輝かせルンルンになりながらも少し駆け足気味になっている。たかがコンビニに寄るくらいなのに大層なことだ
「寄り道くらいまたいつでも付き合うから」
「はい」
暫くご機嫌な天使様を横目に見ながら歩いていると目的地が見えてきた。
「清水さん何食べたい?」
「私肉まん食べてみたいです」
「え、食べたことないの?」
今どきスーパーにいけば2、3個入りで数百円程度だというのに彼女はどんな食生活を送ってきたのか気になってしまう
ラーメンとか食べたことあるのかな?なんて失礼なことを思ってしまった
「はい、自分で作るのは手間がかかりますから」
自分で作るという発想になると思わなかったのでつい感心してしまった
失礼なこと考えてごめんなさい
「おっけー、ちょっと待ってて」
「はい」
そう言いレジに向かって電子マネーで支払いを終えた歩はコンビニを後にし、近くにあった公園のベンチに腰掛けて食べることにした
「ほら、肉まん」
「ありがとうございます」
天使さまは歩から肉まんを受け取り、ふーふーと熱を冷ましながら口いっぱいに頬張る
「美味しいか?」
「はい、とても美味しいです。星川くんは何買ったんですか?」
満足気な表情を浮かべながら歩がなにを買ったのか気になりこちらを見てくる
「エナジードリンク夜飲むつもりで買った」
「どうして、夜更かしでもするのですか?」
「いや、ちょっとな。康介と夜ゲームする約束があるんだ」
「康介?」
「ああ、同じクラスの西川康介。たまに一緒にゲームしてるんだ」
今年から同じクラスになったばかりなので下の名前が分からなくても不思議ではない。それに彼女は普段からたくさんの生徒に絡まれているので、少し絡んだ程度では苗字は覚えられても下の名前までは覚えられないのだ
「西川くんでしたか、休み時間よく一緒に居られる方ですよね」
「そうそう、話したことない?」
「わざわざ話すこともなかったので関わる機会がなかったと言いますか、石崎さんに絡まれてるので認知はしていましたけど」
「絡まれてるって、舞のことは知ってるんだな」
傍から見ると康介が一方的に舞に絡まれてるみたいに見えていたのか
「あそこまで元気いっぱいだと自然と目に入ると言いますか、それに毎日授業中珍回答ばかりしてるので面白くてつい」
肉まんを持ったまま両手で口元を隠し、くすくすと笑っている。歩が天使様と話すようになって色んな面を知っていくにつれてわかったことなのだが、彼女は学校では愛想笑いしかしておらずどこか冷めた目で周りを見ているということだ。それが意図的なものかはわからないがもったいないとも思ってしまう
警戒心が強いのだろうか。こんだけ可愛いのにもったいない
「そんな感じでずっと笑ってればいいのに」
「え?」
「その方が近寄りやすいと思うぞ」
余計なお世話なのかもしれない。だけどそう思ってしまうくらいには魅力的だし友達としてはみんなにもっと彼女の良さを知ってほしい
「私に今更近づいてこようとする人なんて何かしら利益を求めてる人しかいませんよ」
天使様からは先程の笑顔は消え、暗い表情に変わり吐き捨てるように呟いている
「そんなことないだろ、少なくても俺は清水さんにそんなもの求めてない」
「そ、そうでしたね、すみません」
申し訳なさそうに頭を下げてくる。何が彼女をこうさせたのだろうか
「前にも言ったけどつらいなら頼れよ、恩なんて感じなくていいから。感じられてもめんどくさいだけだし」
「ありがとうございます、どうしようもなくなったら頼らせてもらいますね」
「別に今でも頼っていいぞ」
「はい、けど今はまだ大丈夫です」
今はまだ、という言葉に疑問を感じたがおそらく話しずらい悩みということは伝わってきたので、それ以上聞くことは出来なかった
天使様恐ろしい、そう思いながら買い食い出来そうなところを模索しつつ思いついた場所を提案してみる
「コンビニでいい?」
「はい、星川くんにお任せします」
「おっけー、じゃあこの通り歩いたらあるからそこ行こう」
「何もしてないのになんだかワクワクします」
天使様は目をキラキラ輝かせルンルンになりながらも少し駆け足気味になっている。たかがコンビニに寄るくらいなのに大層なことだ
「寄り道くらいまたいつでも付き合うから」
「はい」
暫くご機嫌な天使様を横目に見ながら歩いていると目的地が見えてきた。
「清水さん何食べたい?」
「私肉まん食べてみたいです」
「え、食べたことないの?」
今どきスーパーにいけば2、3個入りで数百円程度だというのに彼女はどんな食生活を送ってきたのか気になってしまう
ラーメンとか食べたことあるのかな?なんて失礼なことを思ってしまった
「はい、自分で作るのは手間がかかりますから」
自分で作るという発想になると思わなかったのでつい感心してしまった
失礼なこと考えてごめんなさい
「おっけー、ちょっと待ってて」
「はい」
そう言いレジに向かって電子マネーで支払いを終えた歩はコンビニを後にし、近くにあった公園のベンチに腰掛けて食べることにした
「ほら、肉まん」
「ありがとうございます」
天使さまは歩から肉まんを受け取り、ふーふーと熱を冷ましながら口いっぱいに頬張る
「美味しいか?」
「はい、とても美味しいです。星川くんは何買ったんですか?」
満足気な表情を浮かべながら歩がなにを買ったのか気になりこちらを見てくる
「エナジードリンク夜飲むつもりで買った」
「どうして、夜更かしでもするのですか?」
「いや、ちょっとな。康介と夜ゲームする約束があるんだ」
「康介?」
「ああ、同じクラスの西川康介。たまに一緒にゲームしてるんだ」
今年から同じクラスになったばかりなので下の名前が分からなくても不思議ではない。それに彼女は普段からたくさんの生徒に絡まれているので、少し絡んだ程度では苗字は覚えられても下の名前までは覚えられないのだ
「西川くんでしたか、休み時間よく一緒に居られる方ですよね」
「そうそう、話したことない?」
「わざわざ話すこともなかったので関わる機会がなかったと言いますか、石崎さんに絡まれてるので認知はしていましたけど」
「絡まれてるって、舞のことは知ってるんだな」
傍から見ると康介が一方的に舞に絡まれてるみたいに見えていたのか
「あそこまで元気いっぱいだと自然と目に入ると言いますか、それに毎日授業中珍回答ばかりしてるので面白くてつい」
肉まんを持ったまま両手で口元を隠し、くすくすと笑っている。歩が天使様と話すようになって色んな面を知っていくにつれてわかったことなのだが、彼女は学校では愛想笑いしかしておらずどこか冷めた目で周りを見ているということだ。それが意図的なものかはわからないがもったいないとも思ってしまう
警戒心が強いのだろうか。こんだけ可愛いのにもったいない
「そんな感じでずっと笑ってればいいのに」
「え?」
「その方が近寄りやすいと思うぞ」
余計なお世話なのかもしれない。だけどそう思ってしまうくらいには魅力的だし友達としてはみんなにもっと彼女の良さを知ってほしい
「私に今更近づいてこようとする人なんて何かしら利益を求めてる人しかいませんよ」
天使様からは先程の笑顔は消え、暗い表情に変わり吐き捨てるように呟いている
「そんなことないだろ、少なくても俺は清水さんにそんなもの求めてない」
「そ、そうでしたね、すみません」
申し訳なさそうに頭を下げてくる。何が彼女をこうさせたのだろうか
「前にも言ったけどつらいなら頼れよ、恩なんて感じなくていいから。感じられてもめんどくさいだけだし」
「ありがとうございます、どうしようもなくなったら頼らせてもらいますね」
「別に今でも頼っていいぞ」
「はい、けど今はまだ大丈夫です」
今はまだ、という言葉に疑問を感じたがおそらく話しずらい悩みということは伝わってきたので、それ以上聞くことは出来なかった
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