【完結】地味な村人が伝説ドラゴンをカード化したら、最強無双の人生が始まりました

東野あさひ

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75話「大陸横断・チームバトル」

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 陽光きらめくアルカナシティの大広場に、これまで見たこともないほどの人と幻獣が集っていた。

 

 「これが……世界精製連盟主催の“グランドトーナメント”!」

 

 リオは高鳴る胸を押さえきれず、仲間たちと肩を並べて会場を見渡した。
 各国から選抜された精製師、冒険者、王都のギルドリーダー、そして因縁深いライバルたち――。
 さらにはサプライズ参加の新世界の天才精製師たち、各地で再会を果たした友人たちもいる。

 

 会場の四方に設置された巨大な水晶モニターには、参加者の顔と名前が次々に映し出されていく。

 

 「すごい規模だね!」
 ミナが目を丸くする。

 

 「チームバトル形式……つまり三人一組。勝ち抜きで決勝まで戦うってわけか」
 カイが腕を組んでうなずいた。

 

 「仲間の絆と連携が勝敗を左右する。まさに今の俺たちにふさわしい舞台だな」
 シュトラも気合十分だ。

 

 観客席には、精製師を夢見る子どもたちや家族、精製ギルドのエリートたち、過去にリオたちが出会ってきた面々が一堂に会している。

 

 開始を告げる鐘の音が会場に響き渡った。

 

 司会を務めるのは、伝説の実況者・マスターカロン。
 「さあ、ついに幕開けだ! 友情あり、涙あり、ライバルあり――精製バトルの祭典、開・幕・だぁーっ!」

 

 会場の熱気は頂点に達した。

 

 *

 

 リオたち「希望の旅団」は、ミナ・カイとともに第一戦に挑むことになった。

 

 対戦相手は新世界の天才少女レイナ率いる「アルカナ・ブレイカーズ」。
 その背後にはレイナの弟分たち、そして新世界独自の“進化カード”が控えていた。

 

 「お手柔らかにね、リオくん。
 でも私も、ここで手加減する気はないよ?」

 

 レイナがにやりと笑う。

 

 「望むところだ!」

 

 リオはグラン=ヴァルドカードを、ミナは“浄化の巫女”カードを、カイは武闘カードをそれぞれ構える。

 

 バトルフィールドが展開され、
 実況カロンの「スタート!」の合図とともに両チームの幻獣が一斉に召喚された。

 

 「先制はこっちだ!」
 カイが拳を振り下ろすと、武闘虎“ガルバイン”が素早く敵陣に切り込む。

 

 「そうはいかないよ」
 レイナの新カード“ミラージュ・リリス”が分身して迎撃。ガルバインと真っ向から激突した。

 

 「ミナ、サポートを頼む!」
 「任せて!」

 

 ミナは“浄化の巫女”の力で、敵の幻惑効果を打ち消し、仲間たちのステータスを強化する。

 

 「リオ、今だよ!」

 

 「いくぞ、グラン=ヴァルド!」

 

 リオのカードが虹色に輝き、“竜騎士形態”へと進化。
 レイナたちも新技“多重精製フィールド”で応戦。観客席は歓声と熱狂に包まれる。

 

 「さすがリオくん……でも、ここからが本番だよ!」

 

 レイナのチームは次々と連携技を繰り出し、フィールドの地形ごと変えてくる。
 仲間との声かけ、サイン、呼吸――すべてが勝敗を分ける。

 

 「今度はこっちの番だ!」
 カイがリオに合図し、二人で“連携精製・ダブルインパクト”を発動。
 幻獣たちがシンクロし、光の嵐がフィールドを包む。

 

 「きゃーっ、かっこいい!」
 ミナや観客たちの声援が飛ぶ。

 

 やがて、バトルはリオたちのチームがわずかな差で制した。

 

 「惜しかったな、レイナ」
 リオが手を差し出すと、レイナは悔しそうにしながらも握り返した。

 

 「また、すぐに追いつくからね」

 

 勝ち抜きが決まると、続くバトルではユリエル&ティアナ&シュトラ組、
 かつてのライバル・ユリエルの弟や、ティアナの恩師なども登場。
 戦いと再会のドラマが次々に巻き起こる。

 

 大会は一日がかりで続き、日が暮れるころ、準決勝進出チームが決まった。

 

 リオたち「希望の旅団」は、次なる強敵――黒き精製者の影を背負う謎の新チームと対決することになる。

 

 会場の熱気は冷めやらず、
 リオたちも勝利の余韻に包まれながら、次の戦いへと闘志を新たにした。

 

 「絶対に優勝しよう。みんなで――!」

 

 仲間たちの笑顔と観客の歓声に支えられ、
 希望の旅団の新たな挑戦は、今まさに始まったばかりだった。
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