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第二章
第十二話
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話は第一章、第十話の最後に続く。
「I don't know, never seen her. (分かんない、会ったことないわ。) Something happened? (何かあったか?)」
Coryが女性の話をしてくるのは珍しかった。
「One of my buds is really into her, and she is pretty.(相棒の一人が彼女に惚れちまってさ、しかも可愛いんだよ。)」
たしかに写真の中で笑っている彼女は、どことなく女優の有村架純を思わせる顔立ちをしていた。
「So what? (だから何だよ?)」
中々要点を言わないCoryに苛立ちが募ってきた。
「Take it easy man, my boy wants to see you, he is right there. (落ち着けよ、そいつがお前に会いたがってて、そこにいるんだよ。)」
Coryが指差す方を向くと、少し離れたテーブルに一人で座っている男がいた。
彼はこちらの視線に気付き、よう、という具合に片手を挙げながら立ち上がった。
「Hey, does he play football with you? (なあ、彼もお前とフットボールやってんの?)」
明らかに周りで食事をしている学生とは雰囲気の違う、ガラの悪い男だった。
「No, he is a boxer. (いや、ボクサーだぞ。)」
Coryはそう言ってわざとらしくウィンクしてきた。
「That's fucking gross man. (それくそ気持ち悪いぞ。)」
Coryと仲良くなってからというもの、俺の言葉遣いも明らかに悪くなっていた。
「Shut up man. (うるせえ。) Anyway, you can go box with him, he can get you in. (とにかく、あいつと一緒に行けばボクシングできるよ。)」
その言葉を聞いた瞬間、ガスバーナーで炙られたように心の奥底が一瞬で燃え上がった。
気付くと熊のような大男が俺らの前に立っていた。
「I'm Patrick, you can call me Pat. (俺はパトリック、パットって呼んでよ。)」
彼は満面の笑みを浮かべながら右手を差し出してきた。
ガラが悪いことを除けば、気の優しい力持ちを具現化したような男だった。
Patは今でも、俺にとって親友と呼べるかけがえのない存在だ。
二人とも同じ女性を好きになってしまった事が、後に俺たちの友情をより強固にした。
「He wanna write some letters in Japanese, sounds like fucking faggot but he needs your help bro. (こいつが日本語で手紙を書きたいらしいんだよ、カマくさいけど助けてやってくれ兄弟。)」
毎度の事ながら本当に酷い言い方だ。
「Fuck you man, I'm serious. (うるせえよ、真剣なんだよ。)」
Patも同じく酷い。
この見た目でラブレターなんて書くのかと正直引いてしまったが、断る理由もないので快諾した。
そしてこの日を境に、俺の生活は大きく変わっていった。
「I don't know, never seen her. (分かんない、会ったことないわ。) Something happened? (何かあったか?)」
Coryが女性の話をしてくるのは珍しかった。
「One of my buds is really into her, and she is pretty.(相棒の一人が彼女に惚れちまってさ、しかも可愛いんだよ。)」
たしかに写真の中で笑っている彼女は、どことなく女優の有村架純を思わせる顔立ちをしていた。
「So what? (だから何だよ?)」
中々要点を言わないCoryに苛立ちが募ってきた。
「Take it easy man, my boy wants to see you, he is right there. (落ち着けよ、そいつがお前に会いたがってて、そこにいるんだよ。)」
Coryが指差す方を向くと、少し離れたテーブルに一人で座っている男がいた。
彼はこちらの視線に気付き、よう、という具合に片手を挙げながら立ち上がった。
「Hey, does he play football with you? (なあ、彼もお前とフットボールやってんの?)」
明らかに周りで食事をしている学生とは雰囲気の違う、ガラの悪い男だった。
「No, he is a boxer. (いや、ボクサーだぞ。)」
Coryはそう言ってわざとらしくウィンクしてきた。
「That's fucking gross man. (それくそ気持ち悪いぞ。)」
Coryと仲良くなってからというもの、俺の言葉遣いも明らかに悪くなっていた。
「Shut up man. (うるせえ。) Anyway, you can go box with him, he can get you in. (とにかく、あいつと一緒に行けばボクシングできるよ。)」
その言葉を聞いた瞬間、ガスバーナーで炙られたように心の奥底が一瞬で燃え上がった。
気付くと熊のような大男が俺らの前に立っていた。
「I'm Patrick, you can call me Pat. (俺はパトリック、パットって呼んでよ。)」
彼は満面の笑みを浮かべながら右手を差し出してきた。
ガラが悪いことを除けば、気の優しい力持ちを具現化したような男だった。
Patは今でも、俺にとって親友と呼べるかけがえのない存在だ。
二人とも同じ女性を好きになってしまった事が、後に俺たちの友情をより強固にした。
「He wanna write some letters in Japanese, sounds like fucking faggot but he needs your help bro. (こいつが日本語で手紙を書きたいらしいんだよ、カマくさいけど助けてやってくれ兄弟。)」
毎度の事ながら本当に酷い言い方だ。
「Fuck you man, I'm serious. (うるせえよ、真剣なんだよ。)」
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そしてこの日を境に、俺の生活は大きく変わっていった。
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