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小学生
都会
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よく晴れた日曜日。湿度も低くとても清々しい昼間に家の前に止まる黒塗りの車。
わあ場違い。いや、大きな日本家屋の前に止まっているから相応しいと言えば相応しいのかもしれないなんて他人事のように思いながらその車に乗り込んだ。父様が仕事の時に使っている車らしい。
あの日蓮様が出した答えは、出席であった。
自分で選んだ答えに不安げではあるが、きっとちゃんと折り合いはつけているのだろう。彼がそう決めたのなら僕は決してそれを後悔しないように支えるだけだ。
この一見ヤのつく職業の方が乗っていそうな車に乗って向かうのは県庁のそばにある大きなホテルだ。赤霧涼になってから初めての都会。無表情だが結構わくわくしてたりする。別に何かしたいというわけではいのだがなんとなく都会というだけでテンションが上がる。今の時代がどういうものかよく知らないが、もしかしたら都会は近未来都市みたいになってるのかもしれない。もっとも、こういう期待は自我をもった時点でいろいろと裏切られているため過度なものではない。
今は普段着の着物だが、向こうについたら着替えると聞いている。母様と雲雀様が大変素敵な笑顔で尋常じゃない不安を覚えた。蓮様たちとはそちらで落ち合うことになっている。
つまりこの車の中にいるのは父様、母様、翡翠、僕だ。後部座席に座っているのは僕と翡翠。ちらりと右隣に座る翡翠を見やる。口を結び腕を組んでいる。ああ、気まず過ぎて死ねる。まだ会場についてもいないのに胃に穴が開きそう。そっと懐中の胃薬の存在を確認した。
そしてふと思い出す。嘉人様は僕が赤霧だと周囲に知られないようにしてほしいと言っていたが、いったいどうするのだろうか?僕の髪や眼の色はかなり目立つからパッと見で赤霧だとバレてしまう。そうなるとウィッグやカラコンをすることになるのだろうか?それに変装をしたとしても蓮様の隣にいるのは誰だ、ということになってしまう気がする。
会場についてからの不安もあるが、とりあえずこの車の中の異様な空気に耐えることに尽力しよう。家を出てから30分。目的地まではまだまだ遠い。
「おはようございます、蓮様……。」
「ああ……なんか疲れてるみたいだけど大丈夫か?」
車内の苦行に耐えること約二時間。ここまで来るだけで僕の精神力はガンガン削られていった。まだ胃薬に手を付けていないのが唯一の救いだろう。
「いえ、すいませんありがとうございます……。蓮様は大丈夫ですか?」
二つの意味を込めて問う。一つは体調。もう一つは精神面についてだ。
蓮様は出席することを選んだが躊躇いがないわけではないだろう。
僕から見て顔色も悪くなく、いつも通りだが心配してもしすぎることはない。
「ん、大丈夫だ。……しいて言うなら車内がかなり居たたまれなかった。」
「ああ、それは……お疲れ様です。」
父様たちには聞こえないように少し声を潜めて呟いた。こっちもなかなかだったけど、蓮様の方もですよね……。二人してげんなりとした顔をする。しかしまだ戦いは始まってすらいない。いや戦いではないけれども。
「まあ、頑張りましょう。切り替えが大切ですよね!」
落ち込んだ気持ちを浮上させるように気合を入れる。
「なあ涼……。」
「はい、どうかされましたか?」
少し躊躇していたようだが改めて僕に向きなおった。
「なんかあったら、頼むな?」
しっかりとこちらを見据える目を見て、緊張したように握りしめられた手をそっと解いた。
「縁起でもありませんね。……大丈夫です。ちゃんと側についてますから。」
「ん……。」
リラックスさせるように白い癖っ毛をぽんぽんと撫でると力んでいた肩から少しだけ力が抜けたようだった。
********
ついっと周りを見てみる。広い通りにはたくさんの車が途切れることなく走っている。右を見るとたくさんのビルと大きな電子掲示板。後ろを見ると溢れんばかりの人の群れ。少し離れたところにはスクランブル交差点。左を見ればまたビル、ビル、ビル、たまにホテルやマンション。どれも高い。とにかく高い。ビルもマンションもホテルも、すべて前に『高層』という言葉が付く。初めての都会に多少わくわくしていたが既にホームシックに駆られている。なんなんだ、この閉塞感と圧迫感。どこを見ても山が見えない。緑といえば申し訳程度に植えられている街路樹位だ。
そして前をみる。ガラス越しに見えるのは赤い絨毯が敷かれ清潔感のあるエントランス。ガラス越しではあるが何から何までさりげない高級感で溢れている。このホテルの何階がパーティーホールだったかな?と思い見上げる。
……首が痛い。最上階が見えないんですけど。天まで届かんとしてるんですが。何階まであるんだよ。どうしようもない都会感に眩暈がした。
帰りたい。
内心真っ青だが万が一にも蓮様を不安にさせたりしたくないので顔はキリッとしている。顔だけ。
嘉人様に促されホテルの中に踏み入れる。
本日二回目だけど、わあ場違い。
中に入るとすごかった。絨毯ふわふわ、天井にはシャンデリア、カウンターは大理石、なんだかよく分からないがすごそうなオブジェが飾られている。さっきも落ち着きなかったけど中に入るともう、圧巻。逆に冷静になってきた。ツンとすましていた翡翠も少し不安げだった蓮様も物珍しげにきょろきょろと辺りを見渡している。そしてそれを微笑ましげに眺める大人たち。
気付けば父様と嘉人様が手続きに向かっていて、その手には招待状らしきものがあった。カウンターにいる男性と何やら話している。何かを記入するようで手にはペン……無論ボールペンではない、万年筆だ。
なんとなくもう逃げ場がないような心地になってきた。僕は僕が思っているよりも腰が引けていたらしい。せめてもの現実逃避に、そわそわと目を輝かせて周りを見る蓮様を可愛いなぁ、と眺めた。
嘉人様と父様がこちらへ戻ってくる。
「じゃあ蓮と翡翠はこっちに、涼の方は頼んだぞ。」
「ええ、もちろん!任せて。ずっと今日を楽しみにしてたんだから!」
どうやら大人組で既に話がついているらしくよく分からない会話が頭上で交わされる。任せて、といった雲雀様が僕の右手を掴む。え?え?と戸惑っているうちに僕の空いていた左手を母様が握る。見上げると二人とも楽しそうな笑顔。素敵な笑顔なのに何故が背筋がゾクリとした。
「それじゃ、先に行ってるわね。楽しみにしてて!」
「ああ、任せたぞ。」
何がどう任されたのか分からず、バッと嘉人様の方を見ると苦笑いを浮かべていて、口を小さく動かした。
『頑張れ。』
何をですか嘉人様!?
わけもわからないまま、半ば引きずられるようにエレベーターに乗せられた。
わあ場違い。いや、大きな日本家屋の前に止まっているから相応しいと言えば相応しいのかもしれないなんて他人事のように思いながらその車に乗り込んだ。父様が仕事の時に使っている車らしい。
あの日蓮様が出した答えは、出席であった。
自分で選んだ答えに不安げではあるが、きっとちゃんと折り合いはつけているのだろう。彼がそう決めたのなら僕は決してそれを後悔しないように支えるだけだ。
この一見ヤのつく職業の方が乗っていそうな車に乗って向かうのは県庁のそばにある大きなホテルだ。赤霧涼になってから初めての都会。無表情だが結構わくわくしてたりする。別に何かしたいというわけではいのだがなんとなく都会というだけでテンションが上がる。今の時代がどういうものかよく知らないが、もしかしたら都会は近未来都市みたいになってるのかもしれない。もっとも、こういう期待は自我をもった時点でいろいろと裏切られているため過度なものではない。
今は普段着の着物だが、向こうについたら着替えると聞いている。母様と雲雀様が大変素敵な笑顔で尋常じゃない不安を覚えた。蓮様たちとはそちらで落ち合うことになっている。
つまりこの車の中にいるのは父様、母様、翡翠、僕だ。後部座席に座っているのは僕と翡翠。ちらりと右隣に座る翡翠を見やる。口を結び腕を組んでいる。ああ、気まず過ぎて死ねる。まだ会場についてもいないのに胃に穴が開きそう。そっと懐中の胃薬の存在を確認した。
そしてふと思い出す。嘉人様は僕が赤霧だと周囲に知られないようにしてほしいと言っていたが、いったいどうするのだろうか?僕の髪や眼の色はかなり目立つからパッと見で赤霧だとバレてしまう。そうなるとウィッグやカラコンをすることになるのだろうか?それに変装をしたとしても蓮様の隣にいるのは誰だ、ということになってしまう気がする。
会場についてからの不安もあるが、とりあえずこの車の中の異様な空気に耐えることに尽力しよう。家を出てから30分。目的地まではまだまだ遠い。
「おはようございます、蓮様……。」
「ああ……なんか疲れてるみたいだけど大丈夫か?」
車内の苦行に耐えること約二時間。ここまで来るだけで僕の精神力はガンガン削られていった。まだ胃薬に手を付けていないのが唯一の救いだろう。
「いえ、すいませんありがとうございます……。蓮様は大丈夫ですか?」
二つの意味を込めて問う。一つは体調。もう一つは精神面についてだ。
蓮様は出席することを選んだが躊躇いがないわけではないだろう。
僕から見て顔色も悪くなく、いつも通りだが心配してもしすぎることはない。
「ん、大丈夫だ。……しいて言うなら車内がかなり居たたまれなかった。」
「ああ、それは……お疲れ様です。」
父様たちには聞こえないように少し声を潜めて呟いた。こっちもなかなかだったけど、蓮様の方もですよね……。二人してげんなりとした顔をする。しかしまだ戦いは始まってすらいない。いや戦いではないけれども。
「まあ、頑張りましょう。切り替えが大切ですよね!」
落ち込んだ気持ちを浮上させるように気合を入れる。
「なあ涼……。」
「はい、どうかされましたか?」
少し躊躇していたようだが改めて僕に向きなおった。
「なんかあったら、頼むな?」
しっかりとこちらを見据える目を見て、緊張したように握りしめられた手をそっと解いた。
「縁起でもありませんね。……大丈夫です。ちゃんと側についてますから。」
「ん……。」
リラックスさせるように白い癖っ毛をぽんぽんと撫でると力んでいた肩から少しだけ力が抜けたようだった。
********
ついっと周りを見てみる。広い通りにはたくさんの車が途切れることなく走っている。右を見るとたくさんのビルと大きな電子掲示板。後ろを見ると溢れんばかりの人の群れ。少し離れたところにはスクランブル交差点。左を見ればまたビル、ビル、ビル、たまにホテルやマンション。どれも高い。とにかく高い。ビルもマンションもホテルも、すべて前に『高層』という言葉が付く。初めての都会に多少わくわくしていたが既にホームシックに駆られている。なんなんだ、この閉塞感と圧迫感。どこを見ても山が見えない。緑といえば申し訳程度に植えられている街路樹位だ。
そして前をみる。ガラス越しに見えるのは赤い絨毯が敷かれ清潔感のあるエントランス。ガラス越しではあるが何から何までさりげない高級感で溢れている。このホテルの何階がパーティーホールだったかな?と思い見上げる。
……首が痛い。最上階が見えないんですけど。天まで届かんとしてるんですが。何階まであるんだよ。どうしようもない都会感に眩暈がした。
帰りたい。
内心真っ青だが万が一にも蓮様を不安にさせたりしたくないので顔はキリッとしている。顔だけ。
嘉人様に促されホテルの中に踏み入れる。
本日二回目だけど、わあ場違い。
中に入るとすごかった。絨毯ふわふわ、天井にはシャンデリア、カウンターは大理石、なんだかよく分からないがすごそうなオブジェが飾られている。さっきも落ち着きなかったけど中に入るともう、圧巻。逆に冷静になってきた。ツンとすましていた翡翠も少し不安げだった蓮様も物珍しげにきょろきょろと辺りを見渡している。そしてそれを微笑ましげに眺める大人たち。
気付けば父様と嘉人様が手続きに向かっていて、その手には招待状らしきものがあった。カウンターにいる男性と何やら話している。何かを記入するようで手にはペン……無論ボールペンではない、万年筆だ。
なんとなくもう逃げ場がないような心地になってきた。僕は僕が思っているよりも腰が引けていたらしい。せめてもの現実逃避に、そわそわと目を輝かせて周りを見る蓮様を可愛いなぁ、と眺めた。
嘉人様と父様がこちらへ戻ってくる。
「じゃあ蓮と翡翠はこっちに、涼の方は頼んだぞ。」
「ええ、もちろん!任せて。ずっと今日を楽しみにしてたんだから!」
どうやら大人組で既に話がついているらしくよく分からない会話が頭上で交わされる。任せて、といった雲雀様が僕の右手を掴む。え?え?と戸惑っているうちに僕の空いていた左手を母様が握る。見上げると二人とも楽しそうな笑顔。素敵な笑顔なのに何故が背筋がゾクリとした。
「それじゃ、先に行ってるわね。楽しみにしてて!」
「ああ、任せたぞ。」
何がどう任されたのか分からず、バッと嘉人様の方を見ると苦笑いを浮かべていて、口を小さく動かした。
『頑張れ。』
何をですか嘉人様!?
わけもわからないまま、半ば引きずられるようにエレベーターに乗せられた。
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