貧乏男爵子息の僕がイケメン公爵令息に愛されるまで・BL・完結

まほりろ

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十八話


「私は愛した人以外抱く気ははない! 私が愛するのは一生をかけてサフィールそなただけだ!」

「レオナルド様……!」

瞳がうるうるしてきた、嬉しい! レオナルド様はそれほどまでに僕のことを……!

「ですが僕は貧しい男爵家の子息、ミュールフェルト公爵家のご令息であるレオナルド様とは身分が釣り合いません。僕なんかと結婚したらレオナルド様のお名前に傷がつきます」

僕はレオナルド様から距離を取ろうとした。だけどレオナルド様は僕の腰に回した手に力をこめ、僕を離そうとしてくださらない。

「そんなことを心配していたのか? 私はサフィール以外を愛することはない! 身分のことが気になるなら伯爵家の養子になり、それから結婚すればいい! 手はずはすでに整っている!」

「ですが……」

レオナルド様の言葉は耳に心地よい。本当に僕がレオナルドの正妻になっても……いいの?

「私が愛するのはサフィール、生涯をかけてそなただけだ! そなたが承諾してくれないなら私は一生独身で通す!!」

レオナルド様が腰に添えてない方の手で、僕の手を握る。

いいんだろうか? 僕はこの手を握り返しても?

「それではミュールフェルト公爵家の血筋が途絶えてしまいます!」

「私はそなたにしか欲情しない、サフィール、そなたが私の子を生んでくれ!」

レオナルド様の黒曜石の瞳が僕の姿を映す。

僕がレオナルド様の子を……いいのかな? そんな恐れ多い役割を僕なんかが担って。

「僕で……いいんですか?」

「そなたでなければだめだ!!」

おずおずと握り返してた手は、レオナルド様に強く握りしめられた。

「僕も……叶うならレオナルド様とずっと一緒にいたい!」

正妻になれば、レオナルド様の寄り付かなくなった家で、レオナルド様が来ることを願いながら、レオナルド様のためにお花やお茶の用意をして、一人寂しく待ち続けなくてもいいのかな?

レオナルド様の隣に堂々と立っていられるのかな? レオナルド様にお会いしたいときは、僕から会いに行っても許されるのかな?

「それは同意ととってもいいのか?」

「はい、僕もレオナルド様と結婚したいです!」

「嬉しいぞ! サフィール!!」

レオナルド様に抱きしめられて、唇にキスされそうになった。

「あー、あー、ゴホン! ボクがいることを忘れてない? それからここはパーティー会場だからね、ひと目がある事を覚えておいて」

王太子殿下に言われ、僕はレオナルド様からパッと体を離した。

気がつくと大勢の人の視線が、僕とレオナルド様に集まっていた。

はっ、恥ずかしい!

「ミハエル王子、サフィールの同意は得られました! 結婚の立会人になることを考えていただきたい!」

レオナルド様が王太子殿下に向き治る。

「こういうときだけ、敬語に王子呼びなの本当にずるいな」

王太子殿下が肩をすくめる。

「もう一度聞くけど、サフィールくんはレオナルドの側にいて平気? レオナルドの愛が重くない? 監禁されてない? 嫉妬がうざくない? エッチがしつこすぎてうんざりしてない? 激しすぎるセックスに体がもたないとか思ってない?」

王太子殿下に真顔で質問される。

王太子殿下の最後の質問に顔が赤くなる。みんなの注目を集めているところで、エッチがしつこすぎるとか、セックスが激しすぎるとか聞かないでほしい。

「あの……大丈夫、です。僕は、レオナルド様の全てが好き……愛していますから。レオナルド様が僕の事をかまってくださるのが嬉しいんです、だからレオナルド様を嫌いになったりしません」

レオナルド様の服の裾をキュッと握る。

レオナルド様は僕の言葉を聞いて破顔した。

「私もサフィールの全てを愛している!」

レオナルド様にギュウギュウと抱きしめられた。

「れっ、レオナルド様、くっ……苦しいです!」

レオナルド様の背をポカポカとたたく。

「すまない、サフィールがあまりにけなげでいじらしくて」

よく分からないが、僕の言葉と素直さがレオナルド様のツボにハマったらしい。

「レオナルド様……?」

レオナルド様の唇が迫ってきて、またキスされそうになった。

「あーあー! ゴホン、ゴホンッ! 仲がいいのは分かったから、いちゃつくのは別室でね」

王太子殿下の言葉に我に返る。大衆の面前でレオナルド様とキスするところだった。

「こんなけなげで可愛くていじらしい子が、どうしてレオナルドに惚れたのか分からないけど、レオナルドの重くて面倒くさい愛情と嫉妬を受け止められるのは、サフィールくんしかいないみたいだし、これを逃したらレオナルドは一生結婚できそうにないから、いいよ、二人の結婚の立会人になってあげる」

王太子殿下が仕方がないな、という顔をした。

「感謝する、ミハエル!」

「王太子殿下、ありがとうございます」

僕とレオナルド様は王太子殿下に頭を下げた。

それからレオナルド様に抱きしめられ、くるくると回された。

地面に降ろされたとき、目が回っていた。

「私レオナルド・ミュールフェルトは、サフィール・ハルシュタインとの婚約をここに宣言する!!」

レオナルド様は僕を抱きしめたまま、高らかに僕との婚約を宣言し、僕の唇にキスをした。

周りから「わぁっ!」と歓声が上がったけど、僕は三半規管がおかしくなっていてよく分からなかった。

ただ心臓が煩いくらい、ドキドキと鳴っていた。

愛していますレオナルド様、これからもずっと。



◇◇◇◇◇

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