継母と義妹に虐げられ使用人として働かされている私を助けてくれたのは、二人の精霊さんと一人の魔法使いさんでした・完結

まほりろ

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12話「ヒーローは遅れてやってくる。でも姫のことは必ず助ける」

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――第二王子視点――


「はいそこまで。
 これ以上エラに触れるなら、君の首と胴体が離れ離れになるよ」

俺は背後から殺気を感じ振り返る。

大きな鎌を持ったレンガ色の髪に翡翠色の瞳の五歳ぐらいの少年が、僕の首に大鎌の刃を当てていた。

「エラは我々の宝だ!
 醜い心の者が触れて良い相手ではない!」

突如水の弾丸が俺を襲う。

気がつくと俺は壁まで吹っ飛ばされていた。 
僕が顔を上げると、エラの後ろに銀色の髪に紫の瞳の五歳ぐらいの少年がいて、こちらを鬼のような形相で睨んでいた。

よく見ると銀髪の少年は宙に浮いていた。

「なんなんだお前たちは!
 衛兵は何をしている!
 第二王子であるこの俺に危害を加える者たちだ!
 直ちに捕らえろ!」

僕が叫んでも誰一人動かなかった。

「それは無理だよ。
 彼らはボクの作り出した縄で縛られているからね。
 身動きひとつ取れないんじゃないかな」

声がした方に顔を向けると、金色の髪に青い目の五歳ぐらいの少年が、ほうきにまたがり宙に浮いていた。

部屋の中を見回すと、室内にいた兵士はロープでぐるぐる巻きにされていた。

よく見ればカウフマン伯爵夫人とアルゾンも、ロープでぐるぐる巻きにされている。

全員気を失っているのかピクリとも動かない。

「もちろん外にいる兵士も拘束しておいたよ」

金髪の少年に言われ、僕は窓まで走り外の様子を確認する。

馬車の近くで待機していた兵士達が、ロープでぐるぐる巻きにされていた。

「どうしてこんなことをするんだ!」

相手は子どもが三人に、ひ弱そうな少女が一人。

だが彼らがただの子供ではないことは、先ほどの魔法による攻撃で明らかだ。

得体の知れないものに対面した恐怖で、僕の足はガクガクと震えていた。

「説明してあげてもいいよ。
 その前にヴォルフリック、これから汚いものを見せることになるから、エラを安全な場所に連れて行ってくれないか?」

「承知した」

茶髪の少年が言い、銀色の髪の少年がエラの手を握る。

次の瞬間、二人はこつ然と姿を消した。

「ひぇっ……!
 ひっ、人が消えた!」

「転移の魔法だよ。
 王族なのに見たこともないの?」

茶色の髪の少年が、残念な物を見るような顔で小首をかしげる。

「無理もないよロルフ。
 人の世界から魔法が消えて数百年が経つ。
 一国の王子程度では、転移魔法なんて高度な魔法を目にする機会なんてないさ」

金色の髪の少年が小馬鹿にしたように呟き、俺の顔を見てクスリと笑った。

「お前たちはいったい……何者なんだ!?
 に、人間ではないだろう?!」

「これは失礼、名乗るのが遅れたね。
 ボクの名はロルフ、この土地に魔物が入ってこないように、浄化の魔法かけていた者さ」

浄化の魔法だと……!

そんな高度な魔法を使えるのは神か精霊のみ……!

まさか奴の正体は、高位の精霊だとでもいうのか?!

「ボクはこんな奴に名乗りたくないんだけどね。
 名乗らないと話が進みそうにないからね、仕方ないよね。
 ボクの名前はヴェルテュ。
 闇の魔力を操る魔法使いさ。
 カウフマン伯爵家の商売がうまくいっていたのは、ボクが魔法をかけていたからだよ」

精霊の次は闇の魔力を操る魔法使いだと……?!  


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