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七十七話「立花葵④」***
しおりを挟むーー水の神子視点ーー
『やっ、やめて……! 菊池先生離して……!』
『大丈夫だよ、手当をするだけだからね。ああ、甘い葵くんの肌は甘くて美味しいな』
『いやぁぁぁ!』
スマホから流れる映像と音声に先生の顔が青くなっていく。
やり逃げは許さないよ先生。
「葵くん、その映像をどうする気かな?」
感情を顔に出さないようにしているけど、動揺しているのはバレバレだよ先生。
「この映像を消しても無駄だよ先生、コピーしてあるし、ボクに何かあったらインターネットに流すように言ってあるからね」
はったりだけど先生は信じたみたいだ。先生も今まで食べる物にも住むところにも困窮することなく生きてきた側の人間かな? そういう人を相手にするのは楽だ、簡単に騙せるから。
この映像のために、わざと隙を作り犯されたんだ。有効に活用しないとね。
だらだらと額から汗を流す先生。教壇に立ってるときのすました顔より、その顔の方がいいよ。
「ボクの初めてを奪ったんだ、社会的に死にたくなかったら責任を取ってよ、ねぇ先生?」
母は男に抱かれて男の言いなりになっていた。ボクはそうはならない。
抱かれた上に金を巻き上げられるなんて人生は真っ平だ。抱かせてやったんだ、金を貢がせないとね。
「先生さセックス好きでしょ? おばさんに興味はないかもしれないけど、この女を抱いてきてよ。先生若いし見た目がいいから割とすぐに落とせると思うんだ」
ボクが見せたのはPTA会長の奥さんとその取り巻きの写真。いじめっ子とその取り巻きの親たちだ。
「ご褒美はちゃんと上げるからさ」
先生に断るなんて選択肢はないんだよ。
◇◇◇◇◇
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