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十七話「王都からの使者」
しおりを挟む―レヴィン王子視点―
「レヴィン・ギュンター=イオニアス王太弟・シェーンフェルダー公爵に王宮よりの火急のお知らせがあります!!」
突如屋敷の入り口が騒がしくなる。
ボクはほのかの手を握り玄関に向かう。
屋敷の入口には見慣れない高級な馬車が止まっていた。王都から女神を迎えに来た使者だろうか?
出立の予定は明日のハズだが?
兄がボクの謀反に気づいた? いやそんなハズはない、ボクがほのかに告白したのはつい今しがただ。王都にいる兄が知るのは無理だ。
ではいまこの場所にいる使者は、なんのためにここに来たのだろう?
出立が早まった? 兄ならやりそうだ。
ほのかの手を取って逃げるか?
いや準備をすると言い、時間を稼いだ方が懸命か。
「シェーンフェルダー公爵家当主、レヴィン・ギュンター=イオニアスだ。使者どの遠路はるばるご苦労であった。要件を聞こう」
要件がなんであれ、ほのかは渡さない!
無理にでも連れて行くというのなら、全面戦争だ!
「レヴィン・ギュンター=イオニアス王太弟・シェーンフェルダー公爵に王宮よりの火急のお知らせがあります!!」
使者は紐で封印された箱を開け、巻物を取り出すと読み上げ始めた。
「一昨日、第二十七代国王レオポルド・レクレール=イオニアス陛下と、エドナ・シルトン=イオニアス王妃が雷にうたれ崩御なさいました。これにより王位継承権第一位にあらせられるレヴィン・ギュンター=イオニアス王太弟・シェーンフェルダー公爵がイオニアス王国の王位を継承されるとが正式に決定いたしましたことを、ここにお伝えいたします!!」
はっ……?
兄上が亡くなった?
王妃も一緒に?
「イオニアス王国新国王レヴィン・ギュンター=イオニアス陛下! 万歳! 万歳! 万々歳!!」
使者がひざまずき、新しい王を称える。
その場にいたボクとほのか以外の全員ひざまずいた。
「イオニアス王国新国王レヴィン・ギュンター=イオニアス陛下! 万歳! 万歳! 万々歳!!」
屋敷の使用人たちがボクを称える。
「ボクが……イオニアス王国の新国王?」
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