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本編
エンリケの嘆き
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二人の表情がよく読めない……美味しい、美味しくないどっちだろう? 絶対美味しいはずだけど、二人に尋ねてみる。
「い、いかがでしょうか?」
サリさんがハッとしながら振り向く。
「凄く美味しいです。濃厚で……このようなものを食べたことがなかったので、驚いて声が出ませんでした」
キースな月光さんに視線を移すと――無言のまま目で何かを訴えている。
「キ、キースさんはチョコレート、どう思いましたか?」
「未知の味です。あの木の欠片のようなものから、このようなものが作られるとは。誰が思いつくのか……お嬢様以外、そんな人はいないかもしれない」
私から目を離さずに喋るキースな月光さん、眼光が怖い……チョコレート気に入ってくれたと思いたい。
「楽しんでいただけてよかったです。もう少しカカオニブの量があれば、お代わりチョコレートも食べられたのですけど……」
「いえいえ、ぜひ、残りはエンリケ様のために取っておきましょう」
キースな月光さんが悪戯に微笑む。きっと、チョコレートを食した爺さんの驚いた顔を想像している。
月光さんが爺さんの従者か疑問に思える態度だけど、長い付き合いからくる兄弟のような関係なのだろう。
チョコレートは残り三粒。爺さんとエルさんに渡せば、チョコレートの残りは一粒になってしまう。どうしよう……作れると分かってしまうと、どうしてチョコレートに欲が出てきてしまう。
残りの三粒のチョコレートは、溶けないように氷室で保管する。次、いつカカオニブを手に入れられるか分からない……最後に残る一粒は大切にしないと。
実は明日のお茶会用に何かお菓子を作ろうと提案をしたけど、爺さんには即却下されていた。それは、王族のお茶会で依頼もない手作りのものをだして何か不備があれば……私たちだけではなく、ジョー、マリッサ、それにジークまでもが処罰の対象になってしまうという。それは絶対にイヤだ。
昼食後、ラジェとキースな月光さんは再び魔法の特訓を開始した。サリさんも夕食の買い出しに行ったので、私は部屋で一人だ。
「私も魔法の特訓をしようかな」
この前は草花を生やしてみたけど、魔術書にあった重力魔法も気になっている。もしかしたら風魔法を使わずに浮遊できるかも……?
魔術書にあった地域別属性の魔法をもう一度確認する。
重力魔法の他に深森林の生命魔法、それから砂の国の幻術魔法というのがあった。生命魔法は白魔法のヒールに似ているという作者の記述がある。だけど、この本の作者もその魔法を持つ者に一度だけ遭遇したことがあるというレベルだった。幻術魔法は、本の説明通りなら蜃気楼のような魔法だと思う。蜃気楼なら高密度の冷気と低密度の暖気の特定の条件が合えば作れるはず。興味があったので試してみたが、モヤモヤが見えるだけの微妙な感じのものが目の前に現れただけだった。外で使うべきなのか? 生命魔法も結局、白魔法との違いがよく分からず……ヒールっぽい光りが出るだけだった。魔法を理解していないとイメージができないようだ。
では、重力魔法ならどうだろうか。軽く使ってみる。すると、ほんの少し体が浮いたような気がしたが、白魔法のような魔力の量が必要だった。
月光さんに見つかるのは嫌なので、黒魔法で周りに音や魔力が漏れないようにしてもう一度挑戦する。
宇宙ステーションをイメージすると、身体が浮く。私だけではなく、部屋にあるもの全て……コップの中の水までが浮かんでいた。
「どうしよう。魔力出し過ぎたかも……あ、ちょっと気持ち悪いかも」
重力魔法を解除し、壊れないようにすべての物を風魔法で浮かせてから下ろす。これは……使い方が難しい。
部屋の中のものを片付けながら口に手を当てる。
「うーん。まだ気持ち悪い……」
フワっと浮いた瞬間、なんだか身体の中まですべて浮いた感じがした。
これはしばらく挑戦できない魔法だ。とりあえず疲れたので黒魔法を解除、部屋でゴロゴロしながら考える。
結局、新しくすぐに使えそうな魔法は植物魔法のみだ。でも、これも使い方に気を付けないと……この世界に存在しない植物を蔓延させるわけにもいけない。ただ、植物魔法なら……アレが手に入る。
「バニラアイス……」
じゅるりと涎が出る。オーシャ商会の菓子店レシアの商品にはバニラが使用されていた、この世界のどこかにはバニラが存在している。ただ、バニラの花は数時間しか咲かず受粉が困難だし、花自体の開花にも年数がかかる。それを魔法でちゃっちゃとできるのだろうか。それに、バニラはそれだけではできない……その後も過熱させたり発酵させたり――
そんなことを思いふけっていると、表に馬車が停まる音が聞こえた。爺さんが帰宅したようだ。
さぁ、爺さんもチョコレートに耽ってもらおう。
ニヤニヤしながら扉を開けた爺さんに挨拶をする。
「お帰りなさい!」
「……何をした?」
「ただのお出迎えですよ」
「私にはにやけた顔の爆弾にしか見えないが」
爺さんが鼻で笑いながら言う。
「今日は機嫌がいいので、その発言は聞かなかったことにします。それより食べてもらいたいものがあります!」
爺さんとエルさんがテーブルに着くと、早速チョコレートを二人の前に置く。
爺さんが酸っぱい顔をしながらチョコレートを眺め、呟く。
「黒い……石?」
「違います。チョコレートです!」
「ほう……これがお主の言っていたちょこれーとか」
爺さんがチョコレートを手に取り眺め始めた。
「指の温度で溶けてしまうので、できるだけ早く口に入れたほうが美味しいと思います」
「うむ、では」
爺さんがチョコレートを丸ごと口に放り込み数回咀嚼、その後ものすごく睨んでくる。
(なぜ!)
エルさんを見れば、驚きながら満面の笑顔でチョコレートを頬張っていた。チョコレートに問題はないはずだ。
爺さんの喉から、ゴクリとチョコレートを飲み込む音が聞こえたので尋ねる。
「いかがでしたでしょうか?」
「頭が痛い」
「え? 大丈夫ですか?」
「そうではない……美味いのだ。いや、美味すぎるのだ」
「やったぁ!」
その後、爺さんはガッツポーズを決める私に首を横に振りながらしばらく見つめ続けた。
「このような特大の爆弾を投下しよって……」
爺さんの独り言は聞こえなかった。
「い、いかがでしょうか?」
サリさんがハッとしながら振り向く。
「凄く美味しいです。濃厚で……このようなものを食べたことがなかったので、驚いて声が出ませんでした」
キースな月光さんに視線を移すと――無言のまま目で何かを訴えている。
「キ、キースさんはチョコレート、どう思いましたか?」
「未知の味です。あの木の欠片のようなものから、このようなものが作られるとは。誰が思いつくのか……お嬢様以外、そんな人はいないかもしれない」
私から目を離さずに喋るキースな月光さん、眼光が怖い……チョコレート気に入ってくれたと思いたい。
「楽しんでいただけてよかったです。もう少しカカオニブの量があれば、お代わりチョコレートも食べられたのですけど……」
「いえいえ、ぜひ、残りはエンリケ様のために取っておきましょう」
キースな月光さんが悪戯に微笑む。きっと、チョコレートを食した爺さんの驚いた顔を想像している。
月光さんが爺さんの従者か疑問に思える態度だけど、長い付き合いからくる兄弟のような関係なのだろう。
チョコレートは残り三粒。爺さんとエルさんに渡せば、チョコレートの残りは一粒になってしまう。どうしよう……作れると分かってしまうと、どうしてチョコレートに欲が出てきてしまう。
残りの三粒のチョコレートは、溶けないように氷室で保管する。次、いつカカオニブを手に入れられるか分からない……最後に残る一粒は大切にしないと。
実は明日のお茶会用に何かお菓子を作ろうと提案をしたけど、爺さんには即却下されていた。それは、王族のお茶会で依頼もない手作りのものをだして何か不備があれば……私たちだけではなく、ジョー、マリッサ、それにジークまでもが処罰の対象になってしまうという。それは絶対にイヤだ。
昼食後、ラジェとキースな月光さんは再び魔法の特訓を開始した。サリさんも夕食の買い出しに行ったので、私は部屋で一人だ。
「私も魔法の特訓をしようかな」
この前は草花を生やしてみたけど、魔術書にあった重力魔法も気になっている。もしかしたら風魔法を使わずに浮遊できるかも……?
魔術書にあった地域別属性の魔法をもう一度確認する。
重力魔法の他に深森林の生命魔法、それから砂の国の幻術魔法というのがあった。生命魔法は白魔法のヒールに似ているという作者の記述がある。だけど、この本の作者もその魔法を持つ者に一度だけ遭遇したことがあるというレベルだった。幻術魔法は、本の説明通りなら蜃気楼のような魔法だと思う。蜃気楼なら高密度の冷気と低密度の暖気の特定の条件が合えば作れるはず。興味があったので試してみたが、モヤモヤが見えるだけの微妙な感じのものが目の前に現れただけだった。外で使うべきなのか? 生命魔法も結局、白魔法との違いがよく分からず……ヒールっぽい光りが出るだけだった。魔法を理解していないとイメージができないようだ。
では、重力魔法ならどうだろうか。軽く使ってみる。すると、ほんの少し体が浮いたような気がしたが、白魔法のような魔力の量が必要だった。
月光さんに見つかるのは嫌なので、黒魔法で周りに音や魔力が漏れないようにしてもう一度挑戦する。
宇宙ステーションをイメージすると、身体が浮く。私だけではなく、部屋にあるもの全て……コップの中の水までが浮かんでいた。
「どうしよう。魔力出し過ぎたかも……あ、ちょっと気持ち悪いかも」
重力魔法を解除し、壊れないようにすべての物を風魔法で浮かせてから下ろす。これは……使い方が難しい。
部屋の中のものを片付けながら口に手を当てる。
「うーん。まだ気持ち悪い……」
フワっと浮いた瞬間、なんだか身体の中まですべて浮いた感じがした。
これはしばらく挑戦できない魔法だ。とりあえず疲れたので黒魔法を解除、部屋でゴロゴロしながら考える。
結局、新しくすぐに使えそうな魔法は植物魔法のみだ。でも、これも使い方に気を付けないと……この世界に存在しない植物を蔓延させるわけにもいけない。ただ、植物魔法なら……アレが手に入る。
「バニラアイス……」
じゅるりと涎が出る。オーシャ商会の菓子店レシアの商品にはバニラが使用されていた、この世界のどこかにはバニラが存在している。ただ、バニラの花は数時間しか咲かず受粉が困難だし、花自体の開花にも年数がかかる。それを魔法でちゃっちゃとできるのだろうか。それに、バニラはそれだけではできない……その後も過熱させたり発酵させたり――
そんなことを思いふけっていると、表に馬車が停まる音が聞こえた。爺さんが帰宅したようだ。
さぁ、爺さんもチョコレートに耽ってもらおう。
ニヤニヤしながら扉を開けた爺さんに挨拶をする。
「お帰りなさい!」
「……何をした?」
「ただのお出迎えですよ」
「私にはにやけた顔の爆弾にしか見えないが」
爺さんが鼻で笑いながら言う。
「今日は機嫌がいいので、その発言は聞かなかったことにします。それより食べてもらいたいものがあります!」
爺さんとエルさんがテーブルに着くと、早速チョコレートを二人の前に置く。
爺さんが酸っぱい顔をしながらチョコレートを眺め、呟く。
「黒い……石?」
「違います。チョコレートです!」
「ほう……これがお主の言っていたちょこれーとか」
爺さんがチョコレートを手に取り眺め始めた。
「指の温度で溶けてしまうので、できるだけ早く口に入れたほうが美味しいと思います」
「うむ、では」
爺さんがチョコレートを丸ごと口に放り込み数回咀嚼、その後ものすごく睨んでくる。
(なぜ!)
エルさんを見れば、驚きながら満面の笑顔でチョコレートを頬張っていた。チョコレートに問題はないはずだ。
爺さんの喉から、ゴクリとチョコレートを飲み込む音が聞こえたので尋ねる。
「いかがでしたでしょうか?」
「頭が痛い」
「え? 大丈夫ですか?」
「そうではない……美味いのだ。いや、美味すぎるのだ」
「やったぁ!」
その後、爺さんはガッツポーズを決める私に首を横に振りながらしばらく見つめ続けた。
「このような特大の爆弾を投下しよって……」
爺さんの独り言は聞こえなかった。
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