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第15話
しおりを挟む好きな人の腕の中は、暖かくて心地いい。
そんな簡単なことに柚希が気付いたのは、つい最近のことだ。
初めて言葉を交わしたときの印象は最悪で、それが仕事で接するようになって、実は意外と子供っぽいことに驚いた。
それからはもう楽しくて、いつのまにか、こんなに好きになってたんだ。
柚希は、そっと翔太の頬に触れた。翔太の方も、そんな自分に応えるようにその大きな手を重ね合わせてくれる。
「最初から、ずっと柚希が気になってた」
「え……」
「いつも潤也の後ろをついてまわってんの見ながら、なんで俺じゃねぇんだって思ってた」
翔太はそう言うと、柚希の唇に軽くキスをした。仲間に嫉妬とかマジみっともねぇけど、と苦笑する翔太に、今度は柚希の方からキスをする。
「……だから、あのときはホントびっくりした」
「あのとき?」
「テレビ局で柚希の姿を見つけたとき。……ついに俺の願望が実現したのかと思った」
「っ、……願望って?」
会話の間にたくさんのキスを繰り返しながら、柚希は先を聞きたがった。
「タイミングを狙ってたんだよ」
「……んッ……タイミング?」
「柚希に、話しかけたくて」
だんだん体重を預けてくる翔太に逆らうことなく、柚希は再びベッドの上に横たわった。
「あのときは、とにかく潤也よりも早く声掛けてやろうって思ってた」
おかげで勢いあまって怒鳴っちまったけどな、とはにかんだ翔太が、ただ愛しかった。
ぱさり、と着ていたポロシャツがベッドの下に落ちた。
あらわになった胸元へ翔太が唇を寄せる。散々キスを繰り返していたせいで唇はすっかり熱を持ち、それがさらに柚希の熱をあおっていた。
「……ぁ……」
すでに胸の先端はツンと自己主張するように立ち上がっていて、翔太の舌を楽しませているようだ。本来ならあまり感覚がないその場所も、それが好きな人からの愛撫であればたまらない。
柚希はハァッと熱い吐息を漏らすと、腰を揺らめかせた。
指の動き、舌の扱い、そのどれを取っても、柚希は翔太がくれる全てが気持ちよかった。
そんな気持ちを見透かしたのか、翔太がしきりに空いている手で脇腹のラインを撫で上げてくる。柚希は自分でも無意識のうちに、焦れたように脚をこすり合わせてしまっていた。
下着が冷たく感じるほど、下半身が濡れている。
その事実に身体を強張らせた柚希を宥めるように、翔太が胸からお臍、さらにその先へゆっくりと舌を滑らせた。
「んん……ッ……」
柚希の腰に巻きついた邪魔なベルトを緩めると、ジーンズや下着を一気に引き下ろす。そうして器用に片足だけ脱がせてしまうと、翔太はなんの躊躇いもなく脚の付け根に顔を下ろした。
いやらしい水音とともに、翔太の舌が秘部をなぞっていく。
「ッ、あぁっ……、ゃッ……」
自分のもっともいやらしい部分を直接舐められている感覚に、柚希は身体をびくびくと震えさせた。
ぴちゃぴちゃと耳に入る音が大きくなって、またソコが蜜をあふれさせたことがわかる。
「…………ッ、……?」
不意に翔太の動きが止まって、柚希は恐る恐る下腹部へと視線を向けた。
「っ!」
柚希と目を合わせた翔太が、にやりと笑って見せつけるようにそれを口に含んだ。
「んぁっ、ぁあッ……ゃ、あぁん」
秘部の中でも一番敏感な部分を舌で転がされて、柚希はふるふると首を振った。
「…………柚希、すげぇ可愛い」
いったん唇を離した翔太が、またプクリと充血した芽に舌を這わせた。
そして今度は、同時に指を内部に挿し入れてくる。
「ゃ、だ、だめ……、それ……ぁ、ゃッ…………ひぁっ!!!」
再び翔太の舌によって芽を押し潰され、指でぐるりと内壁をかき回された柚希は、脚をヒクヒクと震わせながら背中を仰け反らせた。
「あッ、ハァ、も……もぉ、むりィ……」
もう何度目かもわからない挿入に、柚希はされるがままになっていた。
しかも初めて翔太の上に乗っているため、いつもより深いところで翔太の熱を感じて、柚希は動くことさえ出来ない。
「ゃ……ぁ、あ……」
「……冗談。くっ……柚希の中、まだ全然あちぃ」
「そ、なこと……な、ぁあッ」
「おっと……」
翔太に下から突き上げられて、柚希の身体がぐらりと倒れそうになった。
とっさに翔太が身を起こして支えてくれたのだが、そのせいでまた中の角度が変わって、柚希は二重三重と続く快感に耐えるように自身の身体を抱きしめた。
身体中が、翔太の熱に犯されているような気がする。
柚希がおもわずそう思って目の前の胸板に身を寄せれば、翔太はそんな柚希を落ち着かせるように何度も頭の上に唇を落としてくれた。
「…………しょーた」
「ん?」
「しょぉた……」
「ふっ、なんだよ?」
「……好き」
「………………」
「翔太が、大好き」
ぐらりと視界が動いて、背中に汗で湿ったシーツの感触がした。
体勢が変わったことでまた身体が甘い悲鳴を上げていたが、柚希はそんなことも気にならないほど、真剣な表情で自分を見下ろしている翔太に見惚れていた。
「俺も、柚希が好きだ」
愛してる、と耳元でささやいた翔太に、柚希は精一杯腕を伸ばして次に来る快感の波に身を委ねた。
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