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1章・箱庭
6.シバくのも上司の仕事
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大きな爆発音が鳴り響いた。地面が揺れ、遅れて風がやってくる。
辺りは騒然とし、隊員はみな同じ方向を見ていた。そこは煙が上がり、大きく抉られ、瓦礫がそこら中に散乱している。
「団長。」
隊員の1人がアルタイルの方を怪訝な顔つきで向いた。
「あぁ。何かあったようだな。規模からしてただ事ではない。私が行く。お前達は引き続き掃討作戦にあたれ。」
「わかりました。」
「大丈夫なんですか?」
傍にいた隊員達が小声で話していた。
「バカお前知らねぇのか、第2次魔境戦争のラグウン地区の話!」
「ラグウン地区っ……て、2日で死傷者が70万人出たあの激戦区か?」
「違う、1日で70万だよ。あの時参戦していた王国軍の人数はたった10人の精鋭だ。」
「はぁ?!」
「その中でも団長は飛び抜けていたって噂だぜ、あの人だけで20万人殺したって話だ。」
「にじゅうま……っ?!」
「任せたぞ。」
アルタイルはそう言い残し、その場から飛び去り、煙の立つ方へと向かった。
「クッソ……一等兵とはいえこの小隊に入った以上はこのセレイドさんの言うこと聞いてもらわないと困るよ、ベガちゃん!」
爆音とガスの霧が晴れたことでセレイドが目を覚まし、起き上がった。
開けきった地下鉄から頭上を浮遊するベガを見上げていた。
「セレイドさん……」
カレンも目を覚ましていたが、セレイドの名前を心配げに呼んでまた気を失った。
「大丈夫だカレン、俺は今だけは小隊長だ。俺は今から残業するから、お前は先に上がっとけ。」
(クソ、明らかにおかしいだろあの火力!どんな魔法使ったら地面ごとこんな広範囲で抉れるんだ?!それに、あのベガちゃん、やっぱいつもと全然違うよな。変な角生えてるし。毒ガスのせいで動きが鈍いだろうし、俺はあの人が来るまでの時間稼ぎってところかな……)
「早く来てくれよっ!団長!!」
セレイドはそう言い放つと眉間に皺を寄せてベガの方へ剣を構えて飛んだ。
またベガの口角が上がり、向かってくるセレイドに剣を振った。
「グオォッッ」
セレイドは剣で受けたが、近くの建物まで吹き飛ばされ、膝をついた。
「威力の次元が違いすぎねぇか?!……クッソ…今のでたぶん右手首にヒビが入ったな……まともに食らったら死ぬぞ……これ」
「おいベガちゃん!!君のことはあんま良く知らないし、団長の隠し子かなんかだと思ってたけどさぁ!今は俺の小隊のかわいい隊員なわけよ!」
ベガは依然として口角を上げたまま、何も言わずに攻撃を出してきた。
「ちょちょ、おいっ!コラっ話は最後まで聞かんかいっ!」
(魔法を使う暇がねぇっ!!)
セレイドはベガの猛攻をギリギリのところでかわしながら、途切れ途切れに話を続けた。
「そんな、かわいい俺の隊員が、ヘマやらかしたらっ、それを正してシバくのも、俺ら上司の役目なんだよぉお!」
(あぁあぁ年甲斐も無く熱くなっちゃって俺……でもこれベガちゃんどうにかしねぇとまた被害広がるよな。)
セレイドはベガの攻撃が当たれば確実に死ぬと分かっていながら、ベガを引き付け攻撃が周りへ向かないようにしていた。だが避けるのもやっとの攻撃は、剣で受ければふっ飛ばされ、その度に地面や建物に叩きつけられる。そのせいか、攻撃は食らわずともボロボロになり、立っているのもまるでやっとになりつつあった。
「やっべぇ……俺あんなこと言ったけど、そろそろギブ…かも……」
片手で剣をやっと握れるようなフラフラになったセレイドが、後ろへ倒れそうになった。
「お疲れ小隊長。あとは任せてくれ。」
倒れそうになったセレイドを受け止め、アルタイルが言った。
「遅いですよ……団長……」
「悪いな、うちの子が迷惑をかけた。」
セレイドもアルタイルも少し笑っているようだった。
「やっぱり団長の隠し子なんすか…?」
「セレイド貴様、戻ったら覚えておけよ?」
「はぁ……怖い……すぃません…俺じゃ、あの子……シバけねぇっす…ははっ……」
そう言ってセレイドは気を失った。
「さぁベガ。私とも少し話さないか。」
そう言ってベガの方へ剣を向けてアルタイルが飛ぶ。
『豪炎』
アルタイルがそう口に出すと、アルタイルの持つ大剣が炎を纏い、アルタイル自身の目には小さく単純な魔法陣のようなものが現れた。
そして空中でベガの剣とアルタイルの燃え盛る大剣が激しい衝突を起こし、熱せられた空気と衝撃波が駆け巡った。
「どうしたんだベガ。魔法、使えるようになったのか?大した身体強化じゃないか!」
アルタイルは少し笑ったままベガに話し続けた。
その間も瞬きを許さないほど激しく剣が何度も交わる。
「壊し足りない」
ベガはそう一言だけ言い、少し大きくなった犬歯を見せて大きく笑った。
遊ぶことを覚えた獣のような目をしてアルタイルに剣を振り続けている。
「ベガ、私は君を拾って良かったと思っているよ。その姿も君なんだろう?君の新しい一面ってやつなんだろう?」
アルタイルも少し笑いながらベガの攻撃を可憐にかわしながら攻撃を繰り出していた。
その笑いがベガを元に戻す方便なのか本心からなのか、それはわからない。
「早く戻ってこないとルナやナツキが心配するぞ。」
ベガはアルタイルの声が聞こえているのかいないのか、仮に聞こえていたとしても明らかに目の前の破壊衝動に呑まれていた。
『交響曲第5番、運命』
ベガがそう唱えた瞬間辺りは少し暗くなり、血のように赤い薔薇のような形をしたものが辺り一面に広がった。
「これはまずいっ!!!!!!自分で動ける奴は離れろ!!できるだけ遠くだ!!!!!」
直感か、そう言い放ったアルタイルは咄嗟に気を失ったセレイドの方へ向かった。
セレイド班の隊員の1人が目を覚ましていたのか、カレンを連れてもう1人の隊員と走り出した。
他にもアルタイルの覇気と大声によって多くの隊員がたった数秒の間に全力疾走を始めた。
『壊せ!運命!!』
ベガは今日1番の狂気の笑顔を空へ向け、大声で放った。
すると辺りにちらばっていた薔薇は連鎖をするように個々が大規模な爆発を起こし始めた。爆発は煙が上がるのではなく、周りの物を抉るように赤い球状に広がる。
あまりに大きな規模により、最初にベガが抉った部分から更に上書きするように、そのさらに広範囲から全てが消え去った。
(今、魔力を使ったか……?全く魔力の気配が感じられなかった……魔法……じゃ…ないのか??)
アルタイルの眉間にまたシワがよる。
「モタモタしているとこっちがやられる…!全員待避!!!今すぐにだ!!」
アルタイルは少し離れたところから爆発の跡を目にするや否や、抱えたセレイドをほかの隊員に持たせ、額に汗を流して大声で言い放った。
「待避ーーー!!!!」
隊員は全員が作戦を中断し、本部へと待避となった。
「私は…何か間違ったのか……ベガ。」
アルタイルは俯いていた。
「いや、後悔していないんだ、君を拾ったことは。」
「私が責任をもって育てると決めた。」
「君は私と同じ名を持つ、家族だ。」
「クロード・F・ベガ!!!」
俯いた顔をもう一度上げ、強い目でベガの方を見た。
「私は君の親も同然なんだ、セレイドの分も、私が君を叱る。」
『弓炎』
唱えたのはアルタイルだった。
瞬間、ベガから生えていた角が折れ、アルタイルは既にベガの背後にいた。
数秒後、衝撃波が周囲に転がった瓦礫ごと吹き飛んでいった。
「帰ろう、ベガ。ルナがコーヒーをいれて待っているぞ。」
アルタイルは紛れもない本心からの笑顔で、気を失ったベガを抱き寄せた。
辺りは騒然とし、隊員はみな同じ方向を見ていた。そこは煙が上がり、大きく抉られ、瓦礫がそこら中に散乱している。
「団長。」
隊員の1人がアルタイルの方を怪訝な顔つきで向いた。
「あぁ。何かあったようだな。規模からしてただ事ではない。私が行く。お前達は引き続き掃討作戦にあたれ。」
「わかりました。」
「大丈夫なんですか?」
傍にいた隊員達が小声で話していた。
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「ラグウン地区っ……て、2日で死傷者が70万人出たあの激戦区か?」
「違う、1日で70万だよ。あの時参戦していた王国軍の人数はたった10人の精鋭だ。」
「はぁ?!」
「その中でも団長は飛び抜けていたって噂だぜ、あの人だけで20万人殺したって話だ。」
「にじゅうま……っ?!」
「任せたぞ。」
アルタイルはそう言い残し、その場から飛び去り、煙の立つ方へと向かった。
「クッソ……一等兵とはいえこの小隊に入った以上はこのセレイドさんの言うこと聞いてもらわないと困るよ、ベガちゃん!」
爆音とガスの霧が晴れたことでセレイドが目を覚まし、起き上がった。
開けきった地下鉄から頭上を浮遊するベガを見上げていた。
「セレイドさん……」
カレンも目を覚ましていたが、セレイドの名前を心配げに呼んでまた気を失った。
「大丈夫だカレン、俺は今だけは小隊長だ。俺は今から残業するから、お前は先に上がっとけ。」
(クソ、明らかにおかしいだろあの火力!どんな魔法使ったら地面ごとこんな広範囲で抉れるんだ?!それに、あのベガちゃん、やっぱいつもと全然違うよな。変な角生えてるし。毒ガスのせいで動きが鈍いだろうし、俺はあの人が来るまでの時間稼ぎってところかな……)
「早く来てくれよっ!団長!!」
セレイドはそう言い放つと眉間に皺を寄せてベガの方へ剣を構えて飛んだ。
またベガの口角が上がり、向かってくるセレイドに剣を振った。
「グオォッッ」
セレイドは剣で受けたが、近くの建物まで吹き飛ばされ、膝をついた。
「威力の次元が違いすぎねぇか?!……クッソ…今のでたぶん右手首にヒビが入ったな……まともに食らったら死ぬぞ……これ」
「おいベガちゃん!!君のことはあんま良く知らないし、団長の隠し子かなんかだと思ってたけどさぁ!今は俺の小隊のかわいい隊員なわけよ!」
ベガは依然として口角を上げたまま、何も言わずに攻撃を出してきた。
「ちょちょ、おいっ!コラっ話は最後まで聞かんかいっ!」
(魔法を使う暇がねぇっ!!)
セレイドはベガの猛攻をギリギリのところでかわしながら、途切れ途切れに話を続けた。
「そんな、かわいい俺の隊員が、ヘマやらかしたらっ、それを正してシバくのも、俺ら上司の役目なんだよぉお!」
(あぁあぁ年甲斐も無く熱くなっちゃって俺……でもこれベガちゃんどうにかしねぇとまた被害広がるよな。)
セレイドはベガの攻撃が当たれば確実に死ぬと分かっていながら、ベガを引き付け攻撃が周りへ向かないようにしていた。だが避けるのもやっとの攻撃は、剣で受ければふっ飛ばされ、その度に地面や建物に叩きつけられる。そのせいか、攻撃は食らわずともボロボロになり、立っているのもまるでやっとになりつつあった。
「やっべぇ……俺あんなこと言ったけど、そろそろギブ…かも……」
片手で剣をやっと握れるようなフラフラになったセレイドが、後ろへ倒れそうになった。
「お疲れ小隊長。あとは任せてくれ。」
倒れそうになったセレイドを受け止め、アルタイルが言った。
「遅いですよ……団長……」
「悪いな、うちの子が迷惑をかけた。」
セレイドもアルタイルも少し笑っているようだった。
「やっぱり団長の隠し子なんすか…?」
「セレイド貴様、戻ったら覚えておけよ?」
「はぁ……怖い……すぃません…俺じゃ、あの子……シバけねぇっす…ははっ……」
そう言ってセレイドは気を失った。
「さぁベガ。私とも少し話さないか。」
そう言ってベガの方へ剣を向けてアルタイルが飛ぶ。
『豪炎』
アルタイルがそう口に出すと、アルタイルの持つ大剣が炎を纏い、アルタイル自身の目には小さく単純な魔法陣のようなものが現れた。
そして空中でベガの剣とアルタイルの燃え盛る大剣が激しい衝突を起こし、熱せられた空気と衝撃波が駆け巡った。
「どうしたんだベガ。魔法、使えるようになったのか?大した身体強化じゃないか!」
アルタイルは少し笑ったままベガに話し続けた。
その間も瞬きを許さないほど激しく剣が何度も交わる。
「壊し足りない」
ベガはそう一言だけ言い、少し大きくなった犬歯を見せて大きく笑った。
遊ぶことを覚えた獣のような目をしてアルタイルに剣を振り続けている。
「ベガ、私は君を拾って良かったと思っているよ。その姿も君なんだろう?君の新しい一面ってやつなんだろう?」
アルタイルも少し笑いながらベガの攻撃を可憐にかわしながら攻撃を繰り出していた。
その笑いがベガを元に戻す方便なのか本心からなのか、それはわからない。
「早く戻ってこないとルナやナツキが心配するぞ。」
ベガはアルタイルの声が聞こえているのかいないのか、仮に聞こえていたとしても明らかに目の前の破壊衝動に呑まれていた。
『交響曲第5番、運命』
ベガがそう唱えた瞬間辺りは少し暗くなり、血のように赤い薔薇のような形をしたものが辺り一面に広がった。
「これはまずいっ!!!!!!自分で動ける奴は離れろ!!できるだけ遠くだ!!!!!」
直感か、そう言い放ったアルタイルは咄嗟に気を失ったセレイドの方へ向かった。
セレイド班の隊員の1人が目を覚ましていたのか、カレンを連れてもう1人の隊員と走り出した。
他にもアルタイルの覇気と大声によって多くの隊員がたった数秒の間に全力疾走を始めた。
『壊せ!運命!!』
ベガは今日1番の狂気の笑顔を空へ向け、大声で放った。
すると辺りにちらばっていた薔薇は連鎖をするように個々が大規模な爆発を起こし始めた。爆発は煙が上がるのではなく、周りの物を抉るように赤い球状に広がる。
あまりに大きな規模により、最初にベガが抉った部分から更に上書きするように、そのさらに広範囲から全てが消え去った。
(今、魔力を使ったか……?全く魔力の気配が感じられなかった……魔法……じゃ…ないのか??)
アルタイルの眉間にまたシワがよる。
「モタモタしているとこっちがやられる…!全員待避!!!今すぐにだ!!」
アルタイルは少し離れたところから爆発の跡を目にするや否や、抱えたセレイドをほかの隊員に持たせ、額に汗を流して大声で言い放った。
「待避ーーー!!!!」
隊員は全員が作戦を中断し、本部へと待避となった。
「私は…何か間違ったのか……ベガ。」
アルタイルは俯いていた。
「いや、後悔していないんだ、君を拾ったことは。」
「私が責任をもって育てると決めた。」
「君は私と同じ名を持つ、家族だ。」
「クロード・F・ベガ!!!」
俯いた顔をもう一度上げ、強い目でベガの方を見た。
「私は君の親も同然なんだ、セレイドの分も、私が君を叱る。」
『弓炎』
唱えたのはアルタイルだった。
瞬間、ベガから生えていた角が折れ、アルタイルは既にベガの背後にいた。
数秒後、衝撃波が周囲に転がった瓦礫ごと吹き飛んでいった。
「帰ろう、ベガ。ルナがコーヒーをいれて待っているぞ。」
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