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1章・箱庭
18.因縁か元戦友、でなけりゃ腐れ縁的な何か。
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アルタイルが戦場を歩く。
戦場は依然、大量の叫び声に断末魔、血の匂いと死体の匂いを煙が運ぶような場所。足元には死体と瓦礫、拠点には大量の負傷した兵士が転がっている。
アルタイルは足を止めた。
「久しぶりだな。クロノ。」
話しかけた相手はクロノ・アンタレスだった。
「クロード……ようやく見つけた。俺はお前を殺して俺が間違っていないと証明する。その為だけに今ここに立っている。」
クロノは覇気のない低い声を響かせた。
2人は戦うより前に、会話を続けた。
「そこまでして私を殺したいか。」
「それが俺が今ここに居る理由だ。」
「そうか……。覚えてるか。お前も私も前団長の弟子だった頃の話だ。お前は何をやっても私に勝てなくて師匠によく泣きついていたな。」
「昔の話か。俺は昔はお前とはライバルであり戦友だと思っていた。だが今は違う。今は殺すべき相手であり敵だ。 」
「敵……か。私はお前のことは因縁か戦友、でなけりゃ腐れ縁的な何かなんじゃないかと認識している。師匠のことといい、お前との関係を一言では表せん。お前の妹もな。」
「チッ……。妹の話をするな。気分が悪くなる。」
「そうか。まぁこんなところで喋っていてもなんだ。さっさと決着をつけよう。私は過去に。お前は因縁に。それで文句はないだろう。」
「あぁ。」
少しの間の後、クロノとアルタイルは同時に剣をぶつけた。互いに離れた場所で話していたのにも関わらず、目で追えない程の速さでぶつかり合ったのだ。
当然、周りにも衝撃波が広がる。
「重力」
クロノが剣に魔法を付与した。
剣は重くなり、その重量を片手で持っているクロノの足元もヒビ割れが生じるほどだった。
そして息付く間もなくまたアルタイルに斬り掛かる。
「腕を上げたようだな。」
そう言ってアルタイルはクロノの剣を避けた。
「お前は俺よりも強かった。それだけは認めていた。だが俺はお前を殺すと言った。殺せないのにお前に斬り掛かるわけがないだろ。」
「フッ、それはそうだな。」
アルタイルの剣は突然燃え盛り出し、周囲に火花と陽炎が生じた。
「お前も相変わらず息をするように無詠唱で魔法を使うな、本当に気色が悪い。」
「まぁそう言うな。」
2人は何度もぶつかり合った。剣が交わる度に周囲に衝撃波が走る。さらに剣に付与された魔法の影響で、炎が広がり、その炎が強い重力で地面に叩きつけられるように落ちる。
2人の動きは素人では見えないほどに速く、周囲に広がる影響が大きすぎた。そしていつの間にか周りから他の兵士が離れていき、戦場だというのに2人の周りだけは人が居なかった。
戦場は依然、大量の叫び声に断末魔、血の匂いと死体の匂いを煙が運ぶような場所。足元には死体と瓦礫、拠点には大量の負傷した兵士が転がっている。
アルタイルは足を止めた。
「久しぶりだな。クロノ。」
話しかけた相手はクロノ・アンタレスだった。
「クロード……ようやく見つけた。俺はお前を殺して俺が間違っていないと証明する。その為だけに今ここに立っている。」
クロノは覇気のない低い声を響かせた。
2人は戦うより前に、会話を続けた。
「そこまでして私を殺したいか。」
「それが俺が今ここに居る理由だ。」
「そうか……。覚えてるか。お前も私も前団長の弟子だった頃の話だ。お前は何をやっても私に勝てなくて師匠によく泣きついていたな。」
「昔の話か。俺は昔はお前とはライバルであり戦友だと思っていた。だが今は違う。今は殺すべき相手であり敵だ。 」
「敵……か。私はお前のことは因縁か戦友、でなけりゃ腐れ縁的な何かなんじゃないかと認識している。師匠のことといい、お前との関係を一言では表せん。お前の妹もな。」
「チッ……。妹の話をするな。気分が悪くなる。」
「そうか。まぁこんなところで喋っていてもなんだ。さっさと決着をつけよう。私は過去に。お前は因縁に。それで文句はないだろう。」
「あぁ。」
少しの間の後、クロノとアルタイルは同時に剣をぶつけた。互いに離れた場所で話していたのにも関わらず、目で追えない程の速さでぶつかり合ったのだ。
当然、周りにも衝撃波が広がる。
「重力」
クロノが剣に魔法を付与した。
剣は重くなり、その重量を片手で持っているクロノの足元もヒビ割れが生じるほどだった。
そして息付く間もなくまたアルタイルに斬り掛かる。
「腕を上げたようだな。」
そう言ってアルタイルはクロノの剣を避けた。
「お前は俺よりも強かった。それだけは認めていた。だが俺はお前を殺すと言った。殺せないのにお前に斬り掛かるわけがないだろ。」
「フッ、それはそうだな。」
アルタイルの剣は突然燃え盛り出し、周囲に火花と陽炎が生じた。
「お前も相変わらず息をするように無詠唱で魔法を使うな、本当に気色が悪い。」
「まぁそう言うな。」
2人は何度もぶつかり合った。剣が交わる度に周囲に衝撃波が走る。さらに剣に付与された魔法の影響で、炎が広がり、その炎が強い重力で地面に叩きつけられるように落ちる。
2人の動きは素人では見えないほどに速く、周囲に広がる影響が大きすぎた。そしていつの間にか周りから他の兵士が離れていき、戦場だというのに2人の周りだけは人が居なかった。
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