28 / 32
1章・箱庭
27.湾岸列車
しおりを挟む
セントレイス旅行休暇(名ばかり)が決まり、ナツメ、ベガ、アルタイル、フレンの4人はセントレイス行きの列車へ乗り込んだ。
「おぉぉ~!!すごい!これが列車かぁ~!!」
「ベガちゃんは列車乗ったことないんだっけ」
「無い。フレンさんはあるの?」
「僕は任務で何度かね。」
人生初の列車にベガは大興奮だった。
「まぁセントレイスまでは長くなる。好きに休もう。」
アルタイルはそう言って列車の4人席の窓際に腰掛けた。横に続くようにベガが座った。向かいにはナツメとフレンが座った。
「長くなるって、セントレイスってそんなに遠いんすか?」
「ナツメは行ったこと無かったのか。そんな見た目して意外だな。」
「見た目は関係ないっすよ!!!」
アルタイルは少し機嫌がいいのか、いつもよりナツメをからかう頻度が多かった。
「まぁ、時間で言えば3時間か4時間といったところか。王国の隣国とはいえ、我々が普段いる首都の方向とは真反対の方向になるからな。それなりに時間はかかる。」
「そうなんすね~。俺途中で寝ちゃいそうっす」
「そうか。まぁ一応は休暇という形にしてもらってるからな。この3日間くらいは休んでもいいだろう。」
「え、3日ですか?!」
フレンが突然声を上げた。
「あぁ。言ってなかったか?」
「今知りました…てっきり1週間くらいあるのかと……」
「世の中そんなに甘くないんすよフレンさん。」
「ナツメくんは3日でいいの?」
「俺はまぁ、本来は安静にしてないといけないんすよ。この包帯が見えないんすか?」
「まぁ、そうだよね……あはは。」
ナツメとフレンがそんな会話をしている間、ベガはアルタイルを挟んで窓の外を見ようと必死だった。
「代わろうか?」
「いいの?」
「あぁ。私は外はあまり見ないからな。」
アルタイルがそう言うとベガは少し考えて言った。
「じゃあこうしよう!!」
そう言ってベガはアルタイルの膝の上に座り込んだ。
アルタイルの膝の上にベガが座っているのを見て、フレンとナツメは
「平和だ……」
と二人して口に漏れた。
「見てアル!!海だよ海!!」
「そうだな。この列車は湾岸沿いに走っているらしい。」
ベガは普段見ない景色や雰囲気に大興奮だった。
そのまま列車は海沿いを走り続け、1時間ほど経った頃、4人は突然強い慣性に押された。
「何事だ?」
アルタイルがベガを膝に抱き抱えたまま構えた。
「止まってる……緊急停止かな。」
フレンは落ち着いて言った。
そして車内はザワつき初め、数分が経った頃、ナツメが席を立った。
「俺ちょっと前の方の様子見てきます。緊急停止なら何かしらのアナウンスがあるはずなのに何も無いのは不自然っすから。」
「たしかに。なら私も行こう。」
そう言ってアルタイルが立とうとしたが、ベガがそれを止めるようにギュッとアルタイルの服の裾を握った。
この時のベガの脳裏にはセレイドやカレンの姿がよぎり、少し不安になったのかもしれない。
「いいっすよ団長。ベガちゃん見てあげてください。」
「…わかった。任せたぞナツメ。」
アルタイルはそう言ってナツメを見送り、ナツメは車両から車両へと前の方へ移動していった。
「おぉぉ~!!すごい!これが列車かぁ~!!」
「ベガちゃんは列車乗ったことないんだっけ」
「無い。フレンさんはあるの?」
「僕は任務で何度かね。」
人生初の列車にベガは大興奮だった。
「まぁセントレイスまでは長くなる。好きに休もう。」
アルタイルはそう言って列車の4人席の窓際に腰掛けた。横に続くようにベガが座った。向かいにはナツメとフレンが座った。
「長くなるって、セントレイスってそんなに遠いんすか?」
「ナツメは行ったこと無かったのか。そんな見た目して意外だな。」
「見た目は関係ないっすよ!!!」
アルタイルは少し機嫌がいいのか、いつもよりナツメをからかう頻度が多かった。
「まぁ、時間で言えば3時間か4時間といったところか。王国の隣国とはいえ、我々が普段いる首都の方向とは真反対の方向になるからな。それなりに時間はかかる。」
「そうなんすね~。俺途中で寝ちゃいそうっす」
「そうか。まぁ一応は休暇という形にしてもらってるからな。この3日間くらいは休んでもいいだろう。」
「え、3日ですか?!」
フレンが突然声を上げた。
「あぁ。言ってなかったか?」
「今知りました…てっきり1週間くらいあるのかと……」
「世の中そんなに甘くないんすよフレンさん。」
「ナツメくんは3日でいいの?」
「俺はまぁ、本来は安静にしてないといけないんすよ。この包帯が見えないんすか?」
「まぁ、そうだよね……あはは。」
ナツメとフレンがそんな会話をしている間、ベガはアルタイルを挟んで窓の外を見ようと必死だった。
「代わろうか?」
「いいの?」
「あぁ。私は外はあまり見ないからな。」
アルタイルがそう言うとベガは少し考えて言った。
「じゃあこうしよう!!」
そう言ってベガはアルタイルの膝の上に座り込んだ。
アルタイルの膝の上にベガが座っているのを見て、フレンとナツメは
「平和だ……」
と二人して口に漏れた。
「見てアル!!海だよ海!!」
「そうだな。この列車は湾岸沿いに走っているらしい。」
ベガは普段見ない景色や雰囲気に大興奮だった。
そのまま列車は海沿いを走り続け、1時間ほど経った頃、4人は突然強い慣性に押された。
「何事だ?」
アルタイルがベガを膝に抱き抱えたまま構えた。
「止まってる……緊急停止かな。」
フレンは落ち着いて言った。
そして車内はザワつき初め、数分が経った頃、ナツメが席を立った。
「俺ちょっと前の方の様子見てきます。緊急停止なら何かしらのアナウンスがあるはずなのに何も無いのは不自然っすから。」
「たしかに。なら私も行こう。」
そう言ってアルタイルが立とうとしたが、ベガがそれを止めるようにギュッとアルタイルの服の裾を握った。
この時のベガの脳裏にはセレイドやカレンの姿がよぎり、少し不安になったのかもしれない。
「いいっすよ団長。ベガちゃん見てあげてください。」
「…わかった。任せたぞナツメ。」
アルタイルはそう言ってナツメを見送り、ナツメは車両から車両へと前の方へ移動していった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる