復讐の慰術師

紅蓮の焔

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6章 喜びの楽園

閑話 レンゼ捜索

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「んん~…」
目を擦って起き上がるとそこは豪華な部屋で思わず吹いてしまった
「ここどこ!?」
キョロキョロと見回してやっと思い出した
「そうだ…泊めて貰ったんだった…」
いつもより豪華なベッドから降りるとそわそわし始めた
(うわぁ…こんなベッドで寝てバチが当たりそう…いやいや! 私は超絶美少女なんだから大丈夫よね! うん! 大丈夫大丈夫…)
「何してるの?」
「ひゃっ!」
後ろから掛けられた声に驚いて可笑しな声を上げると笑われ、頬を赤く染めた
「え~と…アリサ…さん? 聞いても良い?」
「な、何!?」
「レンゼってそっちではどんな様子だったの?」
アリサはそんな質問にホッと胸を撫で下ろした
「う~ん…いつも目的の事に没頭してて…あ! そう言えばよくどこかに出掛けてた!」
「どこか分かってるの?」
「実は…まだ分からない…」
アリサは少し落ち込み気味に言うと同時に頭を撫でられビクッとした
「今日はレンゼの事を探しましょ?」
「そうね! その方が良いわ! 天は私に味方する! なぜなら私は超絶美少女だから!」
アリサが声を張り上げて叫ぶとそれを聞いていたシルビアは苦笑した
「それじゃ、着替えるから少し待ってて」
「分かったわ」

数分後…
「それではレンゼの捜索を決行したいと思います!」
「お~!」
アリサ達はベッドからシーツを外し、窓からシーツを垂らしてシーツの先を窓の金具に括り、シルビアから順に窓から降りた

スタッ

「わわっ!」

ズテッ!

アリサは頭から落ちて手を振り回しているとシーツに絡まり、頭が地面にぶつかる前に運良く止まった
…と思ったが
「ぃでっ!」
シーツから腕が解けて頭をぶつけ、そのまま倒れた
「うぅ~…」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫!」
アリサは自分の頭を擦りながら立ち上がると土を払った
「それじゃあ気を取り直して…レンゼを探しに行くわよ!」
「うん!」
こうして2人はセントラルの街に繰り出した


「レンゼったらどこに行ったのよ~!」
「ほんっと! あいつは人の気持ちを考えやしないんだから…」
2人は溜め息を吐いて噴水広場のベンチに座り込み、唸りながら噴水を見詰めているとその向こうに楽しそうに会話をしている男女を二組見付けて眉間にシワを寄せた
「ふざけんじゃ無いわよ! そんなに見せ付けちゃって! イラつくのよ!」
ギャーギャー騒いでいるアリサをあっち側の二組は恨めしそうにアリサを睨んでその場を去った
「はあ…はあ…」
アリサが肩を上下させるとシルビアは額に手を当てて嘆息した
「何やってるのよ…」
と呟きながら…
「はははは! 見て見て! あいつら敗走して行くわよ! あはははは!」
アリサは鬱憤晴らしと言った感じで空に目を向けながら高笑いしていた
「…周りの迷惑になるから止めよ?」
「いいえ! 私は絶対にレンゼを探すわよ!」
シルビアは首を左右に振った
「違う。叫ぶの止めて?」
その時にアリサはハッとしてカアッと顔を紅潮させた
「ご、ごめんなさい…ついカッとなって…」
「別に良いわよ。だって私もイライラしてたか「なあっ!?」」
シルビアは振り向いて鳩尾を押さえる男を見ると目を大きく開いた
「あ、あんたは…」
震える声で男を指差して尻餅を着くとアリサは首を傾げた
「誰?」
アリサの声に反応して男は鳩尾を押さえながらアリサの顔を見上げた
「俺は「あれ? え~と…そうそう! アリサさんだ!」」
男は言葉を遮られ、アリサは後ろから聞こえてきた声に振り向いた
「…あっ、アベルくん?」
そこには2号を右肩に担いで歩いて左手を振っていたアベルがいた
「覚えててくれたんですか?」
「ま、まぁね! なんてったって私、超絶天才美少女だから!」
アリサが胸を張って言うとアベルは苦笑した
「それはそうとなんでこんな所に?」
「まあ、じ「俺の話を聞けよ!」」
男が叫ぶとアベルは2号を降ろして男を見た
「誰?」
「俺はな…知らん! だがこの少女を殺せば分かるって言われて探してんだが知らないか!」
男が胸のポケットから写真を1枚取り出してアリサ達に見せた
「「「っ!?」」」
そこには微笑んだシルビアが写っていた
「いやね、実は目が悪くてこの写真がボヤけて見えないんだよ。君達は少し小さいから俺より年下だろ? だから人生の先輩を助けると思ってさ!」
男が合掌して頼み込むとアリサは溜め息を吐いた
「さっきあっちに行きました」
そう言いつつ、先程二組の男女が歩いていった方向を指差した
「特徴は金髪のロングヘアーに…って言ってもそれ以外分からないわよね」
「ありがとう。それじゃあまた縁があれば…」
男はお辞儀をしてアリサが指を指した方向に歩いていった
「…今のシルビアだったわよね?」
「だな…一体どうなっているんだ?」
「さあ? 私には分かりません…」
3人は尻餅を着いて息を荒くしているシルビアを見てその疑問は闇の彼方へ消えていった
「あ! ねぇねぇ! レンゼどこにいるか知らない!?」
「ん? ああ、レンゼなら…てか暇だから案内するわ」
「ありがと!」
アリサはシルビアを立ち上がらせると4人でアベル達の案内でそこへ向かった


数分後…
「それで…どこにいるの?」
「ん~…あれからそんなに時間経ってないしこの辺りと思うんだけどな…」
アベルが辺りを見渡すが辺りは壁や細道だらけだった
「あ、多分こっちよ」
シルビアがアベルの左を指差した
「なんで分かるんだ?」
「これ見て」
シルビアが歩いていき、地面に少し黒く焦げ跡の様な物が付いている
「これがどうにかしたのか?」
「私がレンゼにあげた靴に特殊な細工をしているの。それは少しの摩擦で、擦った部分に熱を異様に発生させる物。
それがあればどこに行っても灯りは確保出来るでしょ? だからこの焦げ跡はレンゼが摩擦を起こした証拠、つまりこの焦げ跡の先にレンゼはいるの」
シルビアの言葉に3人は口を開けてシルビアを見詰めていた
「は、早く行くわよ!」
頬を紅潮させて目を逸らし、シルビアは焦げ跡を追って歩いて行った


数分後…
(どんな状況なのこれ!)
(さ、さあ?)
(誰が燃えてるのですか?)
(臭い…帰りたい…)
4人は曲がり角から顔だけを出してこっそりそこにいる2人と何かを見ていた
(あれってレンゼと…誰? それにあそこで燃えてるのって…)
(あの子はたしかアイシス、レンゼの彼女? だったかな?)
「「「え!?」」」
アベルの言葉につい大きな声を上げていた3人にアイシスが振り向いた
(五月蝿いんだよ、今は少し静かにしてるんだよ!)
「「「「すみません…」」」」
アイシスに注意され、アベル達はその場を去った


「なんだったんだろうなあれは…」
アベルは鼻の中に残った異臭に顔を顰めた
「まさかレンゼに彼女がいたなんて…」
「私を置いて彼女作っちゃうなんて…今まで面倒を見てあげてたのに…」
「レンゼ様の童貞が…」
女子組の方から謎の黒く重い雰囲気が漂い始めたので少し離れた場所から見守る事にした。そこで突然2号がキラリと目を光らせてアベルを捉えた
「アベル様!」
「な、何!?」
「アベル様の童貞を私にください!」
真剣な眼差しで頼んでくる2号にアベルは頬を紅潮させた
「本当はレンゼ様とアベル様に犯して貰いたかったのですが…レンゼ様の心はあの子の物…ならせめてアベル様だけでも!」
「止めてくれない!? しかもこんな人の多い所で! それに嫌だから! 分かった!?」
「お願いします! アベル様も気持ち良く! そして私の性欲も満たされる! 双方に利がありますよ!」
必死な表情の2号を見てその後ろに佇んでいた2人はニヤッと笑った
「あはは! ねぇシルビア~、こんなに楽しそうな状況って滅多に無いわよね?」
「そうね~、あの2人をくっ付ければ面白そうな事になりそうね…」
アリサは2号の肩をつついて耳打ちした
「なるほど! アリサ様ありがとうございます! ではアベル様! 私の純潔を奪ってください!」
「いやいや! 全然純潔じゃ無いだろ! そんな頼みを言ってくる時点で穢れてるわ! 特に心が!」
そんなアベルを見て周りに集まってきた野次馬がアベルにブーイングし出した
「おい兄ちゃん! そんな可愛い女の子の頼みを断るのか~!」
「情けねぇぞ~!」
「五月蝿い! こっちには一生を左右する大事な事なんだよ! 例えどれだけ罵られようと俺は俺の決めた女しか愛さねぇ!」
アベルが大きな声で宣言すると周りのブーイングが止み、2号は涙をツーッと流した
「それっ…では…私…ではグズッ! 不満…なんですか? 何が不満なんですか? 言ってください! 私はアベル様の好みになる為ならなんでもやります! だから…だから…」
2号の涙に更に周りのブーイングが更に大きくなった
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