ふかし

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 「一緒に入ろう」と私が言うと、あなたはお風呂場へゆき、お湯をためてくれた。
 「テレビでも観ようか?」と私はリモコンに手を伸ばした。
 ドラマが流れた。
 「ねぇ、女優さんとしたことある?」とあなた。
 「君、女優じゃなかったっけ?」と私。
 「ねぇ、教えてよ~」とあなた。
 私はベッドから立ち上がり、電子タバコを吸った。
 「自慢しちゃおっかな~。ふかしとヤッたって」とあなたはこちらを窺った。
 「自慢になる?」と私は笑った。
 「なる。だって人気じゃん」とあなたは目を輝かせた。
 「言ってもいいよ。別に」と私。
 「あつしさんは私と関係したこと言わないの?」
 「俺は言わない」
 「自慢にならないか~。私クラスだと」とあなたは暗い顔をした。
 「自慢にはなるよ」とキスをした。
 「でも、言わない」と私は唇を離さずに言った。
 「秘密主義者?」とあなたは笑った。
 「かもしれない」と私も笑った。

 お風呂へ入った。
 しばらく、ふたりで浸かり、あなたが先に浴槽から出た。身体を洗い始めた。
 私はお風呂に身体を預けたまま、「俺も洗ってあげる」と言い、ボディソープを泡立てて、あなたの胸へ乗せた。
 「撮影でこんなのあるんじゃない?」と私が尋ねると、「ニップレスしてるけどね」とあなたから返った。
 「夢が壊れるなぁ」と私は残念そうにした。
 「音楽も夢が壊れるところあるでしょ?」と訊かれ、「音程を修正して、ひとつも音が外れてない歌にするとことか?」と私は返した。
 「ああ~、聞きたくなかった」とあなたは残念そうにした。
 「でも、俺はしてないんだよね。時間すごくかかるけどね。わざと全部の音程をちょっとだけ低く歌うことで味を出してるんだ」と私は言った。
 「そうなんだ~。修正してないんだ。それって珍しいの?」とあなた。
 「多分だけど、Tさんも修正してない。音程が少し高く狙ってるように聴こえるから」と私は予想で答えた。
 「私、Tさんも好き~!修正してないひとが好きなのかな?」とあなた。
 私はあなたの股を開き、「無修正!」と声を上げた。
 「もう、えっち」とあなた。
 「それはもう知ってるでしょ?」と私。
 「ねぇ、私どうだった?」とあなたは不安そうな顔を見せた。
 「フェラもアソコも気持ちよかった~」と私は満足気にした。
 「ほんと?」とあなた。
 「うん、ほんと。身体も綺麗だしね」と胸に触れた。
 「そこはプロだからね」とあなたは胸を張った。
 「ジムとか行ってるの?」と尋ねた。
 「うん。食事制限もしてる」とあなたが言うものだから、「じゃあ、コンビニで買ったお酒は誰かにあげるか?」と私は笑った。
 「やめて~。お風呂上がりの楽しみなんだから」とあなた。
 「でも、シラフでしたの久々かも」と続けた。
 「俺に酔ってくれてなかったんだ?」と私が言うと、「そうだった、ごめん、メロメロよ」とキスをしてくれた。
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