電車のなかで知り合った女性の女友達とハプニングバーへ行った話

ふかし

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 朝になると、山口さんはご飯を作ってくれた。私が目覚める前に、お米を炊いてくれていたのだ。だしまきが特に美味しかった。
 今日は、私とは違うアーティストの現場があるということだったが、昼過ぎからというので、少しゆっくりしていられた。
 昨日はシャワーも浴びず、寝てしまったので、彼女がお風呂を入れてくれた。ふたりで入った。
 「今日の自己肯定感どう?」と私。
 「おかげさまで、いい感じです」と彼女。
 「今、狙ってるアーティストいるの?」
 「狙ってるというか…。まぁ、はい…」
 「そう、関係できるといいね」
 「あつしさんは、私みたいな生き方、くだらないとか、虚しいとか、少しも思わないんですか?」
 「思わないよ、でもね、自己肯定感っていうのは最近になってよく使われる言葉に思うね、新しい言葉が生まれると、新しい悩みも生まれる気がする、だからね、そんなに自己肯定感で悩まずに、アーティストと繋がることを純粋な楽しみにして欲しいね」
 彼女は笑って、「それでも、繋がることは否定しないんですね」と言った。
 「うん、趣味みたいなもんでしょ? 喜びはひとそれぞれだよ、でもね、言葉に操られないで欲しい」
 「ありがとうございます、楽しみます」と素直に受けてくれたので、キスをした。
 「あつしさんも、人生たのしんでくださいね」と言ってくれたので、豊かな胸を揉ませてもらい、「うん、楽しむ」と答えた。「私との関係たのしんでもらえてますか?」と彼女。「かなりね」と私は目を緩ませた。「やっぱり、自己肯定感あがります」と彼女。「まぁ、楽しいなら、それでもいいけどね」と私。「あつしさんのそういうところ好きです」と彼女。「だから、嫌いなとこあんの? って」と私。「あっ、そういえばないんでした」と彼女はキスをしてくれた。
 駅まで一緒にゆき、方向が違うので、違う階段をのぼった。ホームに上がると、お互い目線を送った。私側の電車が先にホームへ向かってきたので、こちらから手を振った。笑顔で振り返してくれた。
 電車は空いていたので、席に腰を掛けた。窓の外を見た。彼女はまだこちらを見てくれていた。私は立ち上がって、窓際へゆき、再び手を振った。振り返してくれた。電車が動き始めた。彼女が見えなくなった。
 私は座席に腰を下ろし、スマートフォンで電子書籍を読んだ。もう何度、読んだか知れない、明治うまれの作家Iさんの名作短編Gだ。結婚している女性の患者さんが、手術を受けることになるのだが、とある理由で麻酔をすることを拒むという話しだ。その文章は妖艶で、色味でいえば青っぽく感じる。その艶が、私は好きなのだ。
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