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2.遡る事、一年前……
2-18
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戻って早々、有太の満面な笑みに足が止まった。
手招きをする有太のあの顔。
『うぜぇ』
『なにも言ってないだろ!!』
『顔が言ってる』
席について帰る仕度を始めた。
有太もつられて、バッグに荷物を詰め始めた。
横目で有太を見ながら、机の中から社会の答案用紙が入っているクリアファイルを取り出しそれを眺めた。
"『ふはっ。何お前、そんな可愛い反応すんのなよ。俺の理性が吹っ飛んじまう』"
ふと先ほどの有栖川の言葉と行動が脳裏を過ぎった。
目を強くつむり、頭の上に浮かんだ光景をパタパタと手で払いながら、クリアファイルを教科書に挟んでリュックに押し込めた。
『うっし!帰るか!』
有太は背伸びをしながら席を立ち教室を出て行った。
少し遅れて俺も教室を後にした。
***
廊下の窓から外を眺めれば部活動をしている野球部やサッカー部、ソフトボール部の活気ある声が聞こえてくる。
『なぁ、倫太郎は今日どうする?』
『俺は、これから図書館行く』
『ほーん。だったら図書館でイチャつけるかな?』
『お前の脳内それしかないのかよ』
『俺は何時でもお前の貞操奪えるんだぞ!?色々ネット見て勉強してんだからな』
くだらない事を言ってる有太の頭を後ろからはたいた。
『倫太郎はまだ童貞、処女だろ?』
『うるせぇ。それはお前だろが』
男子の会話なんて所詮こんなもん。
くだらない話をして盛りあがって、なんの脈絡もない。
でもそれが楽しかったり、するのだ。
手招きをする有太のあの顔。
『うぜぇ』
『なにも言ってないだろ!!』
『顔が言ってる』
席について帰る仕度を始めた。
有太もつられて、バッグに荷物を詰め始めた。
横目で有太を見ながら、机の中から社会の答案用紙が入っているクリアファイルを取り出しそれを眺めた。
"『ふはっ。何お前、そんな可愛い反応すんのなよ。俺の理性が吹っ飛んじまう』"
ふと先ほどの有栖川の言葉と行動が脳裏を過ぎった。
目を強くつむり、頭の上に浮かんだ光景をパタパタと手で払いながら、クリアファイルを教科書に挟んでリュックに押し込めた。
『うっし!帰るか!』
有太は背伸びをしながら席を立ち教室を出て行った。
少し遅れて俺も教室を後にした。
***
廊下の窓から外を眺めれば部活動をしている野球部やサッカー部、ソフトボール部の活気ある声が聞こえてくる。
『なぁ、倫太郎は今日どうする?』
『俺は、これから図書館行く』
『ほーん。だったら図書館でイチャつけるかな?』
『お前の脳内それしかないのかよ』
『俺は何時でもお前の貞操奪えるんだぞ!?色々ネット見て勉強してんだからな』
くだらない事を言ってる有太の頭を後ろからはたいた。
『倫太郎はまだ童貞、処女だろ?』
『うるせぇ。それはお前だろが』
男子の会話なんて所詮こんなもん。
くだらない話をして盛りあがって、なんの脈絡もない。
でもそれが楽しかったり、するのだ。
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