やばい彼氏にご注意を

SIVA

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2.遡る事、一年前……

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『変態教師!!生徒に向かってそんな事言ってんじゃねぇよ!おい有太!お前!何あわよくば、って顔で俺を見てんだ!』

二人して俺を犯すことしか頭にないのか。

『大体!なんで俺なんだよ!あぁ!?他にもいるだろ』

有太と有栖川は何故か互いに顔を見あわせている。

『いないだろ。倫太郎しかあり得ない』
『だな。他に考えられない』

有太が言うのはわかる。ずっと一緒にいるから。

『って、なんであんたがサラッと言ってんだ』
有太が我に返りツッコミを入れている。
『ま、考えといてよ』

満足げに微笑む有栖川。
『な、何を?』
引つる顔を見られないように聞いてみた。
『え?だから3Pだよ』
『ふっざけんな!!!』
やっぱりって返答に俺はクッションを思い切り頭に当ててやった。
そんなもん全然抵抗になってないから、ケラケラ笑ってる有栖川。
『俺さ、気に入ったもんは絶対モノにしてるから。覚悟し解けよ?倫太郎君?』


邪魔したな、と言って、台風の目は去っていこうとする─────。

『そんじゃそう言う事だから、相良?お前も頑張れよぉ?俺に倫太郎を奪われないように、な?』

有太の頭にポンッと手を置いて、ヘラヘラしたままの有栖川は部屋を出て行った。が、すぐに戻ってきて『おっと。ここに来たホントの目的を忘れるとこだった』と言って、ジャケットの内ポケットから電子辞書を出してテーブルに置いて手をひらっと上げて今度は黙って出て行ってしまった。

ポカンと口を開けたまま、テーブルに置かれた電子辞書を眺めた。
結局あの男がここに来たのって、これを置きに来ただけ?
わからない。有栖川という人間がさっぱりわからない。

玄関口で、母さんと有栖川の話ている声が二階まで聞こえてきた。
『あら、先生もうお帰りですか?』
『倫太郎君の忘れ物を届けに来ただけですので』
『もう少しゆっくりしていってくれてもいいのに。今お茶入りましたのよ?』
『いえいえ、今日は・・・、この辺で失礼します』
『あらぁ。いつでも来てくださいね』
『ありがとうございます。では、失礼します』
俺達といた時とは大違いな普通の教師の対応。

母さんに黒アリスをぶちまけてやろうかと思った。
台風の目が去ってホッとした所で有太に声をかけようと視線を向けた。

『なぁ、ゆう…たっ─────』
振り向きざまに抱きしめられた俺はその勢いでベッドに倒れこんだ。
ベッドでよかったのか悪かったのか。無抵抗の俺に有太のハグはしばらく続いた。

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