やばい彼氏にご注意を

SIVA

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4.絶賛、文化祭準備中

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なんだ?この、微妙な空気。なんで生徒会長は今にも泣きそうな顔をしてるんだ?
思考をめぐらす。

(これは、俺が生徒会長を慰めるパターン?いや、でも慰めるポイントは?ないよな。なんだ?俺はどうしたらいいんだ?)

妙な空気が漂ったままついうっかり話題を変えそびれた俺は黙ったまま、生徒会長を見てしまっていた。

「あっ!ご、こめん!何で僕、テンション下げてんだろ……」
両手をブンブン振りながら謝って足を早めた。
「あ、おいっ!ぶつかる!」
思わず生徒会長の腕をつかみ引き寄せたのと同時に、後ろから来ていた自転車が上手く避けてくれて接触は免れた。

(なんかこんな状況、俺にもあったな)

「大丈夫か?」
声をかけながら横顔を見れば、恥ずかしそうに耳まで真っ赤にさせている生徒会長が小さく首を縦に振った。

(おいやめろぉ。そんな顔されたらこっちまで恥ずかしくなるだろ)

心の叫びは声になっていないか不安になりながらも、俺は掴んでる腕を離して体勢を整えさせ少し距離を取った。
「ごめっ……あ、あの……た、武田君」
今度は生徒会長が赤らめた顔のまま俺の腕をしっかり掴んできた。
その力が意外と強くて思わず掴まれている手を見てしまった。
「あ、ご、ごめん!痛かったよね」
必死に謝りながらパッと掴んでいた腕を離し紅潮した頬に手を当てる。
ひたすらに謝りながらも何か言いたげなのは変わらない。
だったら引き出しを少し引っ張ってあげたらいいのか?
口を開きかけた刹那、また後ろから自転車が走ってきた。

(ん?)

自転車はこっちに気づいてない?
電気がついていない自転車はフラフラとしながら俺たちの方に向かってきた。
沢村・・、危ない」
自分の自転車から手を離し生徒会長を自分の方に引き寄せた。
ガシャンっと俺の自転車は倒れ、その音に気づいた相手は視線を上げ大きくハンドルを捻った。
「あっぶねーな!バカヤロウ!」
捨て台詞のように言いながら去っていった自転車を呆然と見送った俺たち。
「お前の方が危ないっつーの。なぁ生徒会長」
生徒会長は俺の胸の中で小さくなっている。
「あっ!ごめっ、強く引っ張りすぎた」
急いで離れて自転車を起こしに向かった。

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