やばい彼氏にご注意を

SIVA

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7. 最終話 最低で最高の言葉

7-72

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「やぁっと思い出した?」
ウインクをして微笑む有栖川。
「救世主、とでも言ってくれてもいいんだけど?」
「誰が言うか」
高笑いをしながら「でも俺がたまたまでもあの店に入んなきゃお前マジで今頃何してたかわからないよな?」
「無理矢理に酒を飲まされて、バイトどころじゃなくなった……しかも同じ学校の奴らだったなんて知らなかった」
へべれけになった俺を介抱するように有栖川は自宅へと連れて行った。
「お前の家を聞こうにも、何しゃべってんのかわかんないし、絡んできた奴らにも事情を聴いてそいつらは酒が抜けてから家に帰らせた。一瞬意識が戻った倫太郎君は、俺にこう言った―――――」
「『未成年に、酒なんか飲ます教師が、何処にいるんだよ』」
「クックック。そうそう。で、話に乗ってやった俺は、居酒屋で少ししか飲めなかった腹いせにちょっとした細工をして就寝ってわけ。ん?どうした?」
「俺、あの時お前に抱かれてなかったって事?」
「抱く?俺がお前を?」
有栖川はしばらく考えてから「あの頃はまだ手を出してないな。自分の勃起したもんを静かに収めるのが大変だった時期かな?」にやりと笑って、また自分の下半身を指さした。
「でもさ、そのおかげで俺たち出会えた気がしない?」
「しない」
こんな事実知らない方がよかったかもしれない。
バイトはあれ以来行ってないし、怖くて行けなかった。
何かがあったのはぼんやりと覚えていたけど、有栖川が言うように助けてもらえなかったら、俺は今ここにいないと思う。

「そんじゃ、倫太郎の話の続きを聞こうかな。」
机の上に両肘をついて顎を乗せてこちらを見てくる。
反則だ……。
上目遣いで、俺の話を待つ有栖川。
生唾を飲み込み深呼吸をしてから真っすぐに目の前の男を見つめた。

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