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謎の少女、エリカ
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「ウォルト!今だ!」
耳に手を当てながらライトが叫んだ。
ライトの指示で、所内の一火災報知機が一斉に鳴りスプリンクラーも作動し始めると辺りが水浸しになった。
「ルパァァァン!!!」
レニーの声がバルコニーに響き渡った。
「君の用事は済んだのかい?」
合流した三人は、チップが持っている傘に入って、それを眺めていた。
「まぁな」
ライトは、後ろを見た。
「あの女なら気がついてくれるはずだ」
「次のヒントって言ってたね」
「あぁ。詳しくは、後だ」
ライトたちは、暗闇に姿を消した。
***
「ひとつ気になってた事があるんだ」
ウォルトは、路駐してある白いバンのトランクを開けながら話した。
「なんだ?」
「どうして、エリカ・ベンジャミンが行方不明なんだ?」
流れ作業のようにチップから荷物を受け取りそれを投げ入れながら、ライトに視線をやった。
ライトはウォルトの視線と合わせることなく作業をしていた。
それを見たチップは「お、俺エンジンかけてくる」と微妙な空気から逃げた。
「ライト、何か知ってるのかい?」
「知ってたら、危険を冒してまでレニーと接触はしないだろう?」
無理に笑いながら、ウォルトの肩を叩いた。
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