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事件発生
5-5
しおりを挟む部屋を出て行ったチップの背中を視線で追いながらライトは次なる家への侵入経路を確認していた。
「次はどこに入るの?」
音もなく現れたエリカに、少々驚きながら振り返ったライトはそっとポケットに黒い塊をしまった。
「あんたも、KNOCKに入るか?」
「あら、勧誘?天下の大泥棒も私の忍び足には驚いたってこと?」
エリカは、妖艶な笑みを浮かべた。
ライトは、口元だけ笑みを浮かべると「さすが、夜中にあの屋敷を抜け出すだけあるな」と言って立ち上がった。
エリカは、机の上の地図をさっと見て「今度は、モリス邸!?あそこはうちより警備が固いわよ?」と地図を回転させながら言った。
「あそこには正面から入る」そう言って、エリカから地図をとった。
「ねぇ、これ私にも手伝わせて」
「断る」
ライトの返事は即答だった。
「あそこの家には顔が利くのよ?正面から入るなら、私がいた方が入りやすいと思うけど?」
「その必要はないんだ。あそこは今日から家主が留守になる。それに伴って、屋敷のメンテナンスを依頼してるんだ」
エリカの後ろから大柄なウォルトが言った。
大柄なウォルトを見上げたエリカは、納得がいかない表情を見せた。
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