THIEF -シーフ-

SIVA

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事件発生

5-14

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ベスは、インカムを強く押しながら、自分がいた部屋を勢いよく飛び出した。




が、廊下に出た瞬間足がとまった。




 広すぎるその廊下に、なすすべがない無力感に襲われ、足がすくんだ。



 『ベス。落ち着いて行動するんだ。ライトの行動パターンを想像して。恐らく君が一番ンライトのいる場所に近いはずだ。俺はこのまま上の階を探してみる』




ウォルトの落ち着いた声に、ベスは救われた。



 「わかった。何かあったのよ。急ぎましょう」 


ベスは、大きく深呼吸をしてだだっ広い廊下を走りだした。



 「ライト…」



 一番端の部屋に向かう途中、一ヶ所だけ微妙に開いている部屋があった。




ベスは、その部屋の前で立ち止まった。



 不自然な開け方・・・。




ベスは、耳に手を当てた。



 「チップ。私の現在位置、わかる?」




 『わかるけど、それがなに?』



 「ここの部屋の中はどうなってるか、わかる?」



 『ちょっと待って・・・地図上だと・・・そこは、応接間になってるな』



 「応接間・・・」



 『特に、変わった部屋じゃないみたいだな』




ベスは、耳から手を離すと、小さく首をかしげ、先へと進んだ。







ベスが走り去った後、その応接間のドアがまた少し開いた。



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