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黒い血を
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異次元空間生活1日目
「という訳でだ。改めてここの住人を紹介しよう。」と言って、ひとつめ様は紹介を始めた。首に巻いてあるマフラーで目だけしか見えないが、ニコッとしたのがわかる。
「私はここではひとつめ様、と呼ばれている。好きなように呼んでいいぞ。」
と彼が言うと例のコーン女が前に出て、
「先程はごめんなさい。私はパイロン。ひとつめ様の秘書をやらせて貰ってる。貴方の事は聞いたわ。もう殺された事は恨んで無いから安心して頂戴。」先程よりは優しいがどこかツンとした態度のパイロン。自分を殺した張本人だ。そりゃ気に入らないに決まってるよな…と思っていると、
「あぁ、こいつツンデレなとこあるから気にするな(笑)寧ろ弟みたいに思ってるぞ」
と言うひとつめ様の言葉に、パイロンが
「へっ変な事仰らないで下さいひとつめ様!」と声を荒げて反論する。
次に出てきたのは、さっき別の部屋で見た小さい生き物…いや生き物か?パイロンみたいに死んでこっち来たタイプかも知れない。始めにうさぎの目の位置に大きくバッテンを描いたようなものが出てきた。
「初めまして~。僕USAっていうの!ゆー、えす、えーでウサ、って読むんだ!」と可愛らしい声で言うUSA。その隣に座っていたタマゴに黒い蝶ネクタイと枝のような手足を着けた生物が椅子から降り、上品な物腰でお辞儀をした。
「ようこそ異次元へ。私はタマゴ、と呼ばれております。どうぞよろしく。」USAよりもやや大人びた男の子のような声でそう言って、タマゴはまた椅子に戻った。
最後に、3連団子に目を1個描いて枝のような手足をつけたのが来た。
「俺セバスチャン。アンタのことは文ちゃんって呼ぶわ。よろしくな!」とセバスチャンは言い、ひとつめ様の肩にちょこんと座った。
「文ちゃんか…いいじゃないかw」とセバスチャンの頭を撫でながら言うひとつめ様。パイロンまで少し笑っている。笑顔を見るのはこれがはじめてだ。
文ちゃん、という子供っぽい呼び方に何故か嫌な気はせず、どこか懐かしさを感じた。「じゃあ、それでいいですよ」と言うと、USAが顔に抱きつきながら、嬉しそうに「わーいよろしく!文ちゃん!」と頬ずりしてきた。……うん、なかなか可愛い(笑)
━━━しばらくして、ひとつめ様がこう切り出した。
「じゃあ文。本題に入るが、お前もジンガイの血を入れなくてはな」
「え!なんで僕が…」
だって僕は、いずれはここを出たいと思っている。ジンガイの血なんて必要無いんじゃないか?
「それがそうもいかないんだ。この空間の中では人間のままでは長くは生きられない。1週間程ここにいるとしてもジンガイの血がないと死んでしまう。恐らく2日以内に。」とひとつめ様は言った。自分の体に人間以外の血が入る…まるで漫画や小説のような話だが、これは今自分の身に起こっていることだ。受け入れなくてはいけないのは分かってるけど…。と、そんな僕の不安を読み取ったのか、ひとつめ様は
「安心しなさい。ジンガイの血が入っても、お前の見た目は殆ど変わらん。体内の再生能力が桁違いに上がるだけだ。外傷じゃ死なないし怪我をしてもすぐ治る。むしろ良いことじゃないか!」と言ってくれた。僕は数秒の沈黙の後、
「分かりました。よろしくお願いします」
と返事をした。
「よく決心してくれた。それではこいつの血を少し貰うことにするか。」と優しい口調で言うと、彼は左手を軽く上下に振った。するとどこから出てきたのか、目が沢山ついた巨大なアメーバのような怪物が出現した。ポカンとして、思わずホェ?なんて情けない声が出てしまう僕。
「ジンガイの血は赤くはない。赤に近いのもいるが人間の血とは全然違う色だ。中には血が流れてないのもいる。ちなみにこいつの血は黒だ。」と続ける彼の隣に居るこの怪物は、他のと違って喋れないらしい。体の形も決まっていない。格段に恐ろしい姿のはずなのに全く恐怖を感じない。寧ろ撫でてやりたくなる程だ。
「見た目はアレだが、可愛げがあるだろう?こいつもお前を気に入ったらしい。血を貰うお礼代わりに世話してみないか?」ひとつめ様はそう言って怪物の背中(と言っていいのか分からないが)を撫でる。僕は直ぐ提案に乗った。さっきのUSAといい、こいつといい、僕は怪物に懐かれやすいのだろうか…。するとひとつめ様はサラッと恐ろしい事を口にした。
「しかし良かったな文。こいつ、一目見て気に入らなければ喰って体内に取り込むからな(笑)」
…なんでそんなヤバいの選んだんだこの人(?)は。まあいい。
数分後、パイロンとひとつめ様の手で、僕の体に怪物の血が入れられた。
……今から僕は半分人間ではなくなったのだ。
「という訳でだ。改めてここの住人を紹介しよう。」と言って、ひとつめ様は紹介を始めた。首に巻いてあるマフラーで目だけしか見えないが、ニコッとしたのがわかる。
「私はここではひとつめ様、と呼ばれている。好きなように呼んでいいぞ。」
と彼が言うと例のコーン女が前に出て、
「先程はごめんなさい。私はパイロン。ひとつめ様の秘書をやらせて貰ってる。貴方の事は聞いたわ。もう殺された事は恨んで無いから安心して頂戴。」先程よりは優しいがどこかツンとした態度のパイロン。自分を殺した張本人だ。そりゃ気に入らないに決まってるよな…と思っていると、
「あぁ、こいつツンデレなとこあるから気にするな(笑)寧ろ弟みたいに思ってるぞ」
と言うひとつめ様の言葉に、パイロンが
「へっ変な事仰らないで下さいひとつめ様!」と声を荒げて反論する。
次に出てきたのは、さっき別の部屋で見た小さい生き物…いや生き物か?パイロンみたいに死んでこっち来たタイプかも知れない。始めにうさぎの目の位置に大きくバッテンを描いたようなものが出てきた。
「初めまして~。僕USAっていうの!ゆー、えす、えーでウサ、って読むんだ!」と可愛らしい声で言うUSA。その隣に座っていたタマゴに黒い蝶ネクタイと枝のような手足を着けた生物が椅子から降り、上品な物腰でお辞儀をした。
「ようこそ異次元へ。私はタマゴ、と呼ばれております。どうぞよろしく。」USAよりもやや大人びた男の子のような声でそう言って、タマゴはまた椅子に戻った。
最後に、3連団子に目を1個描いて枝のような手足をつけたのが来た。
「俺セバスチャン。アンタのことは文ちゃんって呼ぶわ。よろしくな!」とセバスチャンは言い、ひとつめ様の肩にちょこんと座った。
「文ちゃんか…いいじゃないかw」とセバスチャンの頭を撫でながら言うひとつめ様。パイロンまで少し笑っている。笑顔を見るのはこれがはじめてだ。
文ちゃん、という子供っぽい呼び方に何故か嫌な気はせず、どこか懐かしさを感じた。「じゃあ、それでいいですよ」と言うと、USAが顔に抱きつきながら、嬉しそうに「わーいよろしく!文ちゃん!」と頬ずりしてきた。……うん、なかなか可愛い(笑)
━━━しばらくして、ひとつめ様がこう切り出した。
「じゃあ文。本題に入るが、お前もジンガイの血を入れなくてはな」
「え!なんで僕が…」
だって僕は、いずれはここを出たいと思っている。ジンガイの血なんて必要無いんじゃないか?
「それがそうもいかないんだ。この空間の中では人間のままでは長くは生きられない。1週間程ここにいるとしてもジンガイの血がないと死んでしまう。恐らく2日以内に。」とひとつめ様は言った。自分の体に人間以外の血が入る…まるで漫画や小説のような話だが、これは今自分の身に起こっていることだ。受け入れなくてはいけないのは分かってるけど…。と、そんな僕の不安を読み取ったのか、ひとつめ様は
「安心しなさい。ジンガイの血が入っても、お前の見た目は殆ど変わらん。体内の再生能力が桁違いに上がるだけだ。外傷じゃ死なないし怪我をしてもすぐ治る。むしろ良いことじゃないか!」と言ってくれた。僕は数秒の沈黙の後、
「分かりました。よろしくお願いします」
と返事をした。
「よく決心してくれた。それではこいつの血を少し貰うことにするか。」と優しい口調で言うと、彼は左手を軽く上下に振った。するとどこから出てきたのか、目が沢山ついた巨大なアメーバのような怪物が出現した。ポカンとして、思わずホェ?なんて情けない声が出てしまう僕。
「ジンガイの血は赤くはない。赤に近いのもいるが人間の血とは全然違う色だ。中には血が流れてないのもいる。ちなみにこいつの血は黒だ。」と続ける彼の隣に居るこの怪物は、他のと違って喋れないらしい。体の形も決まっていない。格段に恐ろしい姿のはずなのに全く恐怖を感じない。寧ろ撫でてやりたくなる程だ。
「見た目はアレだが、可愛げがあるだろう?こいつもお前を気に入ったらしい。血を貰うお礼代わりに世話してみないか?」ひとつめ様はそう言って怪物の背中(と言っていいのか分からないが)を撫でる。僕は直ぐ提案に乗った。さっきのUSAといい、こいつといい、僕は怪物に懐かれやすいのだろうか…。するとひとつめ様はサラッと恐ろしい事を口にした。
「しかし良かったな文。こいつ、一目見て気に入らなければ喰って体内に取り込むからな(笑)」
…なんでそんなヤバいの選んだんだこの人(?)は。まあいい。
数分後、パイロンとひとつめ様の手で、僕の体に怪物の血が入れられた。
……今から僕は半分人間ではなくなったのだ。
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